「ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演作にしては微妙」キラーヒート 殺意の交差 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演作にしては微妙
後悔を忘れるため四六時中酔っぱらっている私立探偵が、ファムファタールの雰囲気を漂わせる美女から身内の不審死の調査を依頼される。いかにもフィルムノワールな設定だが、舞台が陽光のさんさんと降り注ぐギリシャのクレタ島というコントラストがちょっと面白い。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じる米国人私立探偵ニック・バリのモノローグがナレーション代わりになり、彼の思考や心情、事態の進行を語っていくのだが、前にもこういうのがあった気になり、思い当たったのは「シン・シティ 復讐の女神」。ゴードン=レヴィットがギャンブラー役で出演していたのを確認しただけで、観返してはいないものの、多分彼のモノローグもあったはず。記憶違いだったらごめんなさい。
ゴードン=レヴィットは結構出演作を選んでいる印象だったが、本作は割とありきたりなスリラーというか、新味がない。依頼主役のシャイリーン・ウッドリー、双子の兄弟を2役で演じたリチャード・マッデンの演技も悪くないのだが、脚本次第ではもっと面白くなった気もする。IMDBのユーザーレビューを眺めていて、「関係者全員がクレタでバケーションを過ごすための口実だったのだと思う」というコメントがあって笑った。
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