金子差入店のレビュー・感想・評価
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俳優さん達が良かった
本当にこんな職業が存在するのかは知らないが、全編フィクションであり拘置所とのやりとりに疑問を感じた。また、北村匠海の殺人動機もありきたり感があり既視感を感じた。だが、だからといってこの映画がつまらないのかというとそうではなく、作られた設定の中で幾つもの縦線を集約していく様は面白かった。いや、この映画は面白いという感想ではいただけない。色々な人生を描いているので面白いではなく、良い映画と言うべきか。各俳優陣の演技が素晴らしく。特に、真木さん、子役の2人、北村匠海、岸谷五朗が素晴らしい。ラストシーンで割れた植木鉢を片づけるカットがあるが、あれは息子なんだろうか?エンドロール最後まで見た方がいいですよ。最後の面会のシーンは心を動かされました。
【刑務所の収容者に日用品や手紙や書類を収容者の親族の代わりに届ける男とその家族が直面する出来事を軸に、善と悪、罪と赦し、絶望と希望を3人の愚かしき母と1人の賢母の姿を絡めて描いたオリジナル脚本作品。】
■冒頭、暴力行為で刑務所に入っていた金子真司(丸山隆平)の元に、妻美和子(真木よう子)が面会にやって来る。だが、彼は妻に対し素直になれず、妻は大声で叫んで面会室を後にする。後に分かるのだが、彼女は男の子を身籠った事を告げに来たのである。
その後、金子は出所した時に、初めて息子、和真とずっと待っていた妻と会い、叔父(寺尾聰)が営んでいた”差入屋”を引き継ぐのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作では、愚かしき母親が3人と、1人の賢母の姿が描かれる。
●愚かしき母
・1号 真司の母親( 名取裕子)。真司が生れてからずっと自堕落な生活を送っている。描かれないが、真司が刑務所に入るような性格になった一因。今でも、真司がいない時に店にやって来て美和子からお金を貰うが、若い男に貢いでいる。
・2号 二ノ宮佐知(川口真奈)の母親。自分が家で売春をしながら、娘にも売春をさせている。そして、自分を買ったヤクザの男、横川哲( 岸谷五朗)に娘を紹介するが、横川から拒絶され、且つ刺殺される。
・3号 真治の息子、和真の幼馴染の女の子を殺した男、小島高史(北村匠海)の母親(根岸季衣)。和真の行いにより、報道陣に平謝りしたり、逆切れしたり、笑いながらホースで水を掛けたりする。まるで、ヒ素カレー事件で死刑を言い渡された女の様である。息子には面会には行かず、金子真司に息子の衣料や、自らが書いた手紙を持たせ読んでもらうように依頼する。が、再後半に”アタシはあの子を二十歳まで育てたんだ!二十歳を越えた息子の罪を何で被らなきゃいけないんだ!”と本性を表す。
・今作では、この愚かしき母親2号と3号の娘、二ノ宮佐知と息子、小島高史が、人間の善性と悪性の代表として、対比的に描かれる。それにしても、小島高史を演じた北村匠海のチックが出て、右目の瞼が醜く歪んでいる表情が、物凄く不気味である。北村匠海の母親の愛なき故に出来上がった怪物の怪演は、表情と眼の演技を含めて、凄いと思う。
そして、ヤクザの男、横川哲に何度も面会に来るが拒絶される二ノ宮佐知が、それでも横川哲に面会に来る訳が最後半に描かれる。確かに彼は二ノ宮佐知の母を刺しているが、止めを刺したのは二ノ宮佐知だった事。そして、将来無き横川哲が、二ノ宮佐知の罪を被った事が描かれるのである。
〇賢母
・金子真司の妻、美和子である。彼女は夫に面会に行った時に、酷い態度を取られるも彼の子を宿していた事から、”この子の父親は、あの人だけだから・・。”と言い、男の出所を待ち、その後は夫を精神的に支えている。真司の母が金をせびりに来ても、封筒に大金を入れ差し出すのである。真司から”止めろと言っているだろう!”と言われても、”こんなことが出来るのは、今だけだよ。”と返すのである。
真司が真人間になった事と、息子の和真が、真司が小島高史へ差し入れしている事で、苛められても懸命に生きる力を持っているのは、この母親のお陰だろうな、と思う。
・今作は、和真の幼馴染の女の子が殺された姿が映されたり、二ノ宮佐知の売春のシーンなど結構観ていてキツイシーンが幾つかある。
だが、再後半に真司が、二ノ宮佐知をアルバイトとして採用し、彼女を漸くヤクザの男、横川哲に面会所で会わせるシーンは、沁みた。精神的なショックなのか声の出ない二ノ宮佐知は、画用紙にペンで”元気ですか?””私は元気です。”と書き、男が涙を流して、崩れ落ちそうになっても”生きて下さい。又、会いに来ます。”と書いて、男に見せるのである。二ノ宮佐知の、自分の罪を被った横川哲への、精一杯の思いであろう。
<今作は、刑務所の収容者に、日用品や手紙や書類を収容者の親族の代わりに届ける男とその家族が直面する出来事を軸に、善と悪、罪と赦し、絶望と希望を3人の愚かしき母と1人の賢母の姿を絡めて描いた作品なのである。>
差し入れ屋
があることも知らなかった。
自分が生きている世界とは少し違うのかなと思って観ていたが、人間の本質は一緒で考えさせられる映画でした😀
何を伝えたいかはわからなかったけれど
きっと生きていくには強い意志が必要ってことかな😎
真木よう子さんは、あんな感じの人やったっけ❓良かったけど笑笑
北村匠海さんはちょっと怖かったし最初誰だかわからなかった笑笑 爽やかな方が好きかな笑笑 まあ役者として良い演技してたとおもうけど。
名取裕子さんはサスペンスで散々見てたから、ちょっと違和感笑笑
川口真奈さんはじめてみたけど良かった。
楽しみながら、考えながら見れたから良かったけど少し怖かった。人間の怖さや生きていく辛さが表現されてるわけやから仕方ないか。
まあ精一杯生きるしかないかと思いました😎
ブラック師匠のオススメ
シリアスで重い犯罪ミステリーを差入店の視点で。
古川豪監督のオリジナル脚本。
ミステリー小説的で、複雑で凝っている。
拘置所に差し入れをしたり、代わりに面会したりする
「差入店」の店主を物語の中心にした点は目の付け所がいい。
主役の金子を丸山隆平を配役した点は、
丸山さんは、あまり露出してないので、
リアリティがある。
拘置所には、大罪を犯して収監される犯罪者や、
死刑囚も拘置されていると聞く。
差し入れの食べ物や衣服には厳しい規制があり、
弁当や菓子、果物は差し入れ店が準備した物でなくてはならない。
それは毒物の混入や、メモなどの通信などを防ぐ目的だろう。
主人公の金子は元受刑者で、今は差し入れ店を引退した
伯父の星田(寺尾聰)の後を引き継いでいる。
金子の過去、
傷害事件を起こして4年服役した経緯がある。
しかも妻の美和子はその時身重だった。
次の場面では、10年後になる。
本当に奥さんの献身で更生したんだよね。
真木よう子、明るく強い人だった。
そして事件が起こる。
和真の友達で幼い頃から知る近所の花梨ちゃんが行方不明になり、
その後殺された遺体で見つかる。
そして犯人の男・小島(北村匠海)が拘置所に収監される。
金子は小島の母親の代わりに、面会に通うことになる。
母親(根岸季江)に、明らかに問題がありそうだし、
小島は瞼が生まれつき塞がって生まれたという障害を抱えている。
そしてもう一つの事件。
元暴力団員で、鉄砲玉として殺人を命令され15年服役して、
刑期を終えた孤独な男(岸谷五郎)の犯した強盗殺人事件。
《この事件には裏がある》
担当弁護士の久保木(甲本雅裕)も悩むほどの、陰惨な事件。
そして拘置所に毎日面会を申請に来る被害者の娘・佐知(川口真奈)
(被害者に面会が許されることはないのだ)
この女子高生は非常に影ある重要な役で、映画の後半の
大事なキーパーソンで、岸谷五郎も、演技の見せ所であり、
暴力団員で替え玉殺人を請け負ったばかりに、人生を失った男。
彼の唯一の善行とも言えるのが、佐知の母親を殺した(?)こと、
だとしたら、
これも一つの贖罪なのかもしれない。
ただ無差別殺人犯の小島と金子が面会室で相対する。
北村匠海は、「悪い夏」に引き続いて汚れ役。
汚れた長髪、まぶたのふさがった障害を持つ捻くれ者。
チック症・・・役作りは完璧です。
全体的に犯罪ドラマとしても新鮮味があり、
差入店をテーマにしたアイデアは生きている。
丸山隆平、妻の真木よう子、息子の三浦綺羅、伯父の寺尾聰、
北村匠海、岸谷五郎、そして名取裕子、
久しぶりのスクリーンなのに、こんな毒親やる根性、
好きだよ。
川口真奈の好演も印象的。
全体に人間が描けている満足感の高い作品だと思いました。
観客は多かった。
怖くてドキドキするけど温かい映画
毒親の諸相
強さと親子丼と任侠
ヘトヘト…
解決できない問題が人生に多い。
とても良かったです
人間を描いた映画
ちょっと生々しいくらいに人間を描いている映画。
主人公だけでなく、登場人物全員が様々な思いを抱え、感情をこちらに突き出してくる。とにかく2時間ずっと、誰かの感情が波打っている。ひっきりなしに誰かが涙し、誰かが怒り、誰かが塞いでいる。平和な時間は少ない。
登場人物も少なくないし、エピソードもそれぞれあるので、情報量が過多である気もしなくもないが、個人的には、ぱんぱんに詰め込んだギリギリのラインという感じだった。これだけ詰め込まれているが「なんでこうなった?」がほぼなく、感情の流れについて行くことができた。2時間5分の上映時間できちんとまとまっているイメージだ。
ただ結構頑張らないと振り落とされるので、ポップコーンを食べる暇はない。私は観終わったときへとへとになっていた。そういう意味ではやや覚悟して観ることをおすすめする。けど、観たら観てよかったな、となると思う。
主演の丸山隆平さんがアイドルとしてのイメージとは少し離れた演技をしていたのがよかった。北村匠海さんの怪演もみどころ。個人的にはヤクザ役の岸谷五朗さんと、犯人の母親役の根岸さんがよかった。
最終的に、人間は人間なんだなと思わされる。
傷ついたり、誰かを責めたり、攻撃したり、僻んだり、そういうものが人間。
だけど、少しの勇気や真心や優しさを持つこと、誰かを許容すること、それも人間。
自分はどこでどう生きるべきか、と考えさせられる。
人間が好きな人、人間と関わって生きてきた、生きていくつもりの人におすすめしたい。
全てを包み込んで届ける店主
塀の中に出入りする人も、彼らを待ってる人にもそれぞれの言い分とドラマがあって、どんな人にも大事な人がいる。
差入れられたのは品物だけじゃなくて、色んな形の愛と気持ち。
依頼を受ける差入店の店主の人柄で、全てを優しく包みこんで届く想いと願いに涙。
丸山隆平さん、激昂野郎から良い奴までの振り幅の激しい役だけど、素の人の良さが滲み出すぎて本当はこの人絶対良い人という役柄にピッタリな雰囲気だった。
そして寺尾聰さん、岸谷五郎さん、ベテラン陣の存在感と演技力が凄かったわ。真木よう子さんの天使な奥さんもよかったし、名取裕子さんは舞台挨拶出てきた時の女優オーラが圧倒的だった。
ちょっとドラマのダイジェスト版みたいに感じたので、それぞれのエピソードがもっと深く観られたらより面白かったな。ドラマ版とか出来たらまた観てみたいと思った。
素晴らしかった
知らない世界
刑務所内の受刑者に差入れを届けるお仕事のお話。
まず、こう云う仕事があるのかーと思った。
そこのお店で差入れを選び、それを届ける。
へー着眼点が面白いなっと。
それだけで中々見応えあります。
ドラマとしては単調。
浮き沈みなく、淡々とそのお仕事が描かれる。
本来盛り上がらなければならない、ラストのヤクザと女子高生の部分が、イマイチ感動できなかったのはおそらく要素を詰め込みすぎて、この2人のお話が薄いからかなと思ってしまった。
あと、主人公が、癇癪持ちで、いまひとつ共感できず、、惜しい作品。
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