劇場公開日 2025年5月16日

「“身内”という、それぞれの存在。」金子差入店 羊さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5“身内”という、それぞれの存在。

2025年5月24日
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鑑賞方法:映画館

まず一番に残しておきたい感情としては奥さんの忍耐強さにグッときたということです。どんな夫であっても、決して見捨てない。背中をさすってくれる。喝を入れてくれる。揺るがない愛の強さをもつ人です。

そんな奥さんに支えられて、前科者である夫は、社会の一員としてなんとか働けているのです。もともとこのお店を営んでいた叔父も居てくれてよかったです。叔父は、甥の悶々とした心を、そっと受け止めて、やさしい笑顔で包んでくれるような人です。かつての若い頃の自分と甥を重ねて見ているのかもしれません。親が俺にしてくれたように、自分も同じことをしようと、あの場所に招いたのかもしれません。

奥さんや叔父。身内ほど心強い存在はいないと思う。でも、身内に苦しめられて生きてきた者もいる。その状況から救い上げてくれているのは、自分ではなく、他人。終わった人生の者がこれからの人生を生きる者を救ったり。自分みたいにならないようにと一つの命を終わらせたり。色々な“思い”を見た気がしました。

金子差入店の前にはきれいな花鉢がいくつか飾られています。それを嫌がらせで割る者がいます。「誰だよ…」とブツブツ言いながら夫は片付けていました。エンドロールのあとに流れるシーンでは、夫自身がこの仕事を受け入れ、誇りを持ち、俺は間違ったことはしていない!という確固たるプライドを感じられました。



私たちがおかしいんじゃないの。世間がおかしいの。あなたがやってることは、すごいことなんだから。

羊
さんのコメント
2025年5月26日

御二方、コメントありがとうございます。人は、人の言葉によって、いくらでも弱くなれるし、いくらでも強くなれますね。何十年後かには、叔父のような、まるくてやさしい人間になっているのではないかなと思っております。

羊
nawadeさんのコメント
2025年5月25日

私も悪意に負けず立派に成長した息子を描いていると思ってました。

nawade
ガゾーサさんのコメント
2025年5月25日

最後のシーン、声からして成長した息子だと思ってました

ガゾーサ
さんのコメント
2025年5月25日

そう思った理由が気になります

羊
ノーキッキングさんのコメント
2025年5月24日

植木鉢割りの犯人が寺尾聰だとしたら?

ノーキッキング
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