配信開始日 2025年2月14日

「アウトレイジシリーズ好きにはガッカリな、ビートたけし流「カメ止め」」Broken Rage からくりおばけさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アウトレイジシリーズ好きにはガッカリな、ビートたけし流「カメ止め」

2025年2月25日
PCから投稿

笑える

前半は北野版「style to kill」と言ったようなハードな殺人シーンの羅列なんだけど、罪を重ねる間に、芸人から重鎮俳優から今や世界的な役者まで、違和感の装置として登場します。
後編、違和感の装置及び老体のたけしが、フィルムノワールな前振りを「そんなわけねえだろ!」と冷や水をぶっかけてくるのを楽しめるかどうかが今作品の基準になるのではないかと感じます。(冷や水が生ぬるい、装置が機能してないという人も多いはずです)
私は酔っ払いながら見たのでケタケタ笑いながら楽しめました。菊次郎のらっきょう氏の場面にも酔っ払って見て笑ったなあと、ぼんやり思い出しました。
このレビューも酔っ払いながら書いているのでまとまりがないんですが、前半のノワールも別に嘘ではないよなと思います。北野武が各所で言及している「振り子理論」で言えば、前半がハードでなければ成立させられない作品です。今の北野武が考えるハードなシーンについて、例えば自転車配達の人を見て色々アイデアがあったのかなどと考えると面白いです。
後半の冷や水パートについても、日本で世界的に影響を与えているクリエイターの中で、おそらく最も高齢な二人、宮崎駿は作品の中で少年となり、北野武は嬉々として老いぼれている姿を見せつけている、この対比が非常に興味深いです。
今作は「みんなー、やってるか」から続くビートの方のたけしの色味が強い作品の一つですが、色々相まって、楽しい作品でした。少なくても監督バンザイ、アキレスと亀よりはよっぽど好きです。

からくりおばけ