サンセット・サンライズのレビュー・感想・評価
全190件中、61~80件目を表示
井上真央の可愛さに・・・
内容的には重たいのでしょうが、それを感じさせない全ての感情が入り混じった心地よい作品でした。皆んなモモちゃんに惚れたように自分もマスク外した瞬間に惚れました。
池脇千鶴さんの変わりようにビックリしましたが、良い味出してましたね。
やっぱり田舎暮らしはいい
震災後、コロナ禍真っ只中の東北が舞台。過疎化と空き家問題、そして普通の人たちの暮らしを丁寧に描いた映画で、柔らかさと温かさが伝わってくる。
菅田将暉の水彩画風の劇中絵もほっこりさせてくれる。また、東北の美味しい料理が次々と出てきて、それらを美味しそうに食べる菅田将暉もいい。
最後は2人とも中村雅俊の子供ということで、これまで結婚に踏み切れなかった井上真央の過去への思いとの折り合いもつき、新たな家族の在り方についての余韻を残している。
一言。この映画で役柄も演技も一番輝いていたのは、中島裕翔だね。
私自身、コロナ禍スタートの2020年1月から東京勤務から鹿児島勤務に変わった。
そこで、美味しい魚と豊かな自然、そして人たちの温かさに触れて、幸せいっぱいの気持ちになった。
不便かもしれない、映画もなかなか観られないかもしれないが、やっぱり田舎暮らしはいい。
孤独よりグルメ。
なんで、釣りが好きで、空家物件探しに来ただけで、こんなに切ないんですか?
えてして、震災を扱った三陸が舞台の映画は、後悔や怒りややるせなさに溢れてて、それはそれで現地はそうなんだろうけど、ずっとそれじゃ辛くない?っていつも思ってた。外部の人間がわかりもしないで、と返されても、それを振りかざされたらこちらは反論のしようがない。だって実際そうなのだから。だから正直、またこの手の映画か、と見くびっていた。たしかに竹原ピストル演じるケンちゃんはじめ、地元の人間たちの諦め感と都会者へのやっかみに賛同はしない。肝心なのは、そこに交り込んでいく都会者の資質だろう。その点、菅田将暉演じる西尾の無邪気さが土地の者たちの救いになった。力を抜いたようにみえる菅田将暉の演技が、とても自然体に見えた。そりゃ、いままで卑下していた自分たちの故郷を、こうも肯定し賛じ笑顔を振りまかれると、悪い気はしない。前向いて生きようと思えてくる。たった一人のポジティブシンキングが周りをも明るくさせてくれた。さすがだよ、クドカン。
映画のタイトルは、サンセット・サンライズ、じゃなくて、サンライズ・サンセット。そう順番は、陽が沈んでも、また昇る。映画を観ながらそれが言いたいんだって、何度も思いながら彼らの幸せを念じていた。
一月時点で、もう今年一番の予感。
陽が昇るように、人もまた立ち上がるのです
もっとコメディ色が強い作品かと思っていましたが、そんなことはないヒューマンドラマでした。
東北が舞台であれば震災の話しが出るのも当然であり、風化させないためには様々な場で語られるのはむしろ必然だと思います。
東京から来た晋作と百香の恋模様から、百香を地元のマドンナと慕う面々とのやり取り。はたまた過疎の町の高齢化問題など様々な事柄を軽妙なタッチで描いていました。
印象に残ったのは井上真央ちゃんの憂いを帯びた演技です。正に守ってあげたいと思わせる存在でした。
それと竹原ピストルさんはやはりいい芝居します。芋煮会での場面は感動しました。
それは震災に限ったことでは無く、とてつもなく悲しい思いをした人を目の前にした時にどんな言葉を掛けていいか分かりません。
見ているだけでいいと言う言葉は響きました。
なるほど確かにその通りだと思います。見ているだけと言うか、寄り添って忘れないで見守り続けてくれる人がいると言うことは支えになりますよね。そこから立ち直る勇気が出るかもしれない。
人は様々な困難に簡単に負けてられないのです。
地方ならではの言葉づかいも面白かったです。
コとケの言葉の表現は福岡のトトトを聞いた時と同様におかしかったです。
白川和子さん演じた茂子さんが亡くなってしまったのは本当に残念でした。その後ももっと晋作との交流を深めてくれれば良かったなと思ったのでした。
海の幸満載で食べ物がみんな美味しそうでした。
いい映画を見ました
いい映画の雰囲気作りには成功
フルリモートの東京の会社員が、東北に移住してドタバタする話と思っていたが、少しだけイメージとは違っていた。それは地方の空き家問題を取り上げていたから。こんなの自治体が援助するか、どこかの大企業が強い志を持って取り組まないと成り立たない。それでもまだ田舎の現実に苦しむ可能性があるけど。方言や気質、メンタリティといった都会とのギャップを見せたり、震災との向き合い方を考えさせられたりする流れもあったりする。でもそこらへんも全部あまり深掘りしない。そりゃそうだ。クドカンだもの。それでも十分問題提起になってたとは思う。
シリアスな側面を匂わせつつ、映画全体を通してアピールしてくるのは面白さだ。クドカンらしい。たしかに「祈る会」のメンバーの行動とかは、異常さと紙一重でそれなりに面白い。全体を通して菅田将暉演じる西尾の明るいキャラで強引に楽しい雰囲気を作ろうとする意図を感じる。たしかに観終わった後になんとなくいい映画だったな思わせる雰囲気づくりは成功していた。それはそれで悪くはない。
でも!と思う。西尾と百香の恋愛の描き方が雑すぎないか?と。最後のあの話し合いであんな雰囲気になったのに、しばらく月日を置いただけで恋愛に発展するか?そのあたりが曖昧なまま強引に終わらせた感じがする。あの駆け足感はひどかった。それもクドカンだからなと納得する。クドカンは恋愛を描けないもの。
ただ、竹原ピストル演じるけんさんが営む居酒屋で出てくるメニューが美味そうだったことは評価に値する。他にも魚を使った食べ物が出てくるシーンは例外なく素晴らしかった。フードコーディネーターがいい仕事をしたのだろう。酒飲みなら観終わった後に飲みたくなる映画だ。それは確かだ。
津波のこと、モモちゃんの境遇を思うと、ずっと涙目で見てました。
コロナ禍も、今は昔・・・かなり遠い記憶になってきてることを実感しました。
都会から移住してきた西尾(菅田将暉)と百華(井上真央)の、出会いのシーン。
《ディスタンス》
除菌スプレー、手洗い、マスク、検温、
コロナの陰性証明書、
フェイスガード(ありましたもんね)
「可笑し哀しきコロナ禍よ」
毎日の死亡者の数にビクビクしてましたね。
隔離期間なんて、笑えない悲喜交々。
密集(密=ミツを避けるとか・・・接触禁止でした)
懐かしいなんていうとお叱りを受けるけれど、
映画のシーンをみると、如何に異常なことだったか?!
と、改めて実感・・・(10年後、20年後、記録的価値ありますね)
《内容》
実に盛りだくさんです。
①コロナ禍
②3・11の記憶
③過疎化と空き家問題
《見所》
❶井上真央の美しさ・・・幸せを祈る会が必然に思える、
・・・・その美しさは只者ではなく、三陸の平目の刺身級‼️
❷菅田将暉のでしゃばらない感。
❸三宅健・・・まさか、似てるけれど本人とは?偉い!!
❹竹原ピストル・・・滲み出る人間味。
❺白川和子・・・この道50年、いい顔ですね。
❻小日向文世・・・嫌味になるギリギリでターン‼️
❼中村雅俊・・・引き締めましたね。ラストのセリフの説得力。
《オマケ》
☆美味しそうなよだれの垂れる《三陸の魚》a nd《山菜》
つまり《料理》
☆☆南三陸の美しい景色・・・サンライズとサンセット
☆☆☆立ち直れるか?モモちゃん‼️
やっぱり子供のテープの声、忘れられない・・・
笑って、泣いて、食べて、
生きるって、こういうことですね。
生活が描かれているって、凄いなぁ、そう思いました。
(さすが脚本・宮藤官九郎)
⭐︎3.7 / 5.0
ほのぼのとクスッと
いい脚本だと思います。何度も笑わせてもらいました。
東日本大震災の被災地で空き家問題に悩む過疎地の漁村を舞台にコロナとソーシャルディスタンス、リモートワークなど、様々な社会課題やトピックスを盛り込みながら、軽やかなコメディに仕上げてるのがさすがだと思います。
東京のサラリーマン役の菅田将暉は美味しい新鮮な海の幸を食べまくり。美味しい顔が上手い。中村雅俊もイケおじを消して、いい感じの漁師のオヤジ、よく見ると昔いい男だったのかなぁくらいの感じでよかったです。
三宅健は、猟師町の元ヤンがよく似合ってました。池脇千鶴も中年女がすっかり板についてて、ベテラン感がよかった。
井上真央もちょうどいい年代のヒロイン役で、町役場にいそうだなぁとリアリティがあると思います。
東北弁が心地よい、ほのぼのとした観て間違いない映画です。
この映画はずっとサンセットしててほしい
※この映画を好意的に捉えている方は、この先の文章は不快に思われる可能性が高いため、閲覧しないことをおすすめします。
冒頭からヅラネタで笑いを取ろうとする作りに開始早々衝撃を受けた。
「令和になってまだこんな幼稚なシーン作って面白がっている人がいるんだ、OKOK」という気持ちになった。
あらすじには「コロナ禍や地方の過疎化、震災などの社会問題を盛り込みながら」なんて書いてあるが、ほとんどが表面的に触れて終わり。
深掘りされる様子は無し。
あくまで笑いと泣かせのネタにしているだけ。
登場人物の行動にリアルさを感じない。
舞台的な芝居。
テンションだけはやたらでかく、急に大声を出したりするのがウザい。
「zoomで上司の画面だけ固まったまま」と「喚き散らしながら、手元では魚を綺麗に三枚おろしにする井上真央」は笑ってしまったが、個人的に面白く感じたのはそれくらい。
世間の常識からはズレてる振る舞いを役者にわざわざさせて、それを嘲笑するような視線が好きになれなかった。
あと、ずっと気になったのは、とにかく主語がデカい。
「東京もんは〇〇」とか「東北の人間は〇〇」とか「被災者は〇〇」とか。
〇〇に入る言葉は偏見に満ちたステレオタイプ。
ヤフコメを見ているとこういう文言をよく目にするが、学術的根拠があるわけでもないのに、個人の経験に基づく主観をまるで不変の真理のように扱っててうんざり。
井上真央演じる百香がマスクを外す瞬間を見て、菅田将暉演じる晋作が百香に一目惚れする展開もなんだかなあ。
後半、純愛ドラマ風な空気になっていくが、晋作は見た目重視で人を好きになるようなので、たぶん他に美人がいたら簡単に浮気しそうに見えるのは自分だけ?
百香が晋作に惚れる理由も謎で、「大企業に勤めているから」としか思えなかった。
たしかに世の中には「男は収入、女は見た目」で恋人探しをしている人は多いとは思うが、そうではない人も世の中にはそれなりにいるはずなのに、この映画だと登場人物が多いわりにそういう人が一切出てこないのが逆に斬新。
村の男たちで結成の「祈る会」も、やっていることは独身女性の日常生活をみんなで監視して報告し合うというカルトな活動内容で、ギャグなんだろうけど個人的にはキモすぎて笑えないどころかドン引き。
でも作り手の皆さんはこういうのが面白いと思って作っているんでしょうね…頭が痛い。
晋作が船の上で中村雅俊演じる章男から聞かされる衝撃の真実も、冷静に考えると理屈おかしくね?と思った。
百香がもともと章男と一緒に暮らしていたというのなら、悲劇が起きた後もそのまま同居し続けるというのは理解できる。
しかし、どうやら悲劇が起こる前の二人は別々の場所で暮らしていたようなので、悲劇後に百香が新居に住み続けたくないという気持ちは分からなくもないが、じゃあ章男と一緒に暮らそうとはならないと思うのだが…
観客に「実はそうだったのか!!」という衝撃を与えたいためにわざわざこういう話にしたんだとは思うが、そのせいで常軌を逸した行動を取る不気味な人たちになってしまったと思う。
震災を、ドラマを盛り上げるための都合のよい舞台装置にしてる感じがとても嫌。
この映画は田舎暮らしをユートピアに描きすぎな気がした。
現実の「地方の過疎化」は深刻な社会問題だと思うが、そういう深刻さはこの映画からは伝わらなかった。
むしろ、この映画に感動した人は田舎暮らしに憧れそうで、そういう人が増えること自体は喜ばしいことではあるが、実際に田舎で生活してみたら「思ったのと違った」と簡単に挫折しそうな姿が容易に想像できる。
本気で「地方の過疎化」に向き合うつもりなら、観客が「たしかにこれなら過疎化が進むのも納得」と思える過酷な面も描くべき。
その上で観客に「それでも地方暮らしって素敵」と思わせる内容だったら素晴らしかったと思う。
まあ本気で向き合うつもりなんてないとは思うが…
中盤までは面白くはないが普通に鑑賞はできていて、「早く終わらないかな」ぐらいの気持ちだった。
まさかこの後にあんな地獄が待っていようとは、この時の自分は知る由もなかった…
終盤、この映画の登場人物のほとんどが集まって河川敷で鍋を囲む場面。
この場面、感動した人が多そう。
その気持ちはわからなくもない。
菅田将暉の演技に迫力があり、引き込まれて感情を揺さぶられそうにはなった。
でも、ここで晋作が熱弁していることって、要約すると「自分さえ良ければ他人なんてどうでもいい」ってことですよね?
その後の場面で章男が同じような台詞を言うことからも、これがこの映画で一番伝えたかったことなんだと思う。
はぁ?
なんという自己中心的考え。
でもたしかに世の中、そう考えの人が増えた気がする。
そりゃトランプが再選するわけだ。
この場面最悪なのは、大袈裟な感動的音楽が流れ始め、役者全員が気づいたら号泣していて、その顔を順番にカットを切り替えながら画面に次々と表示。
この、観客の感情を強制的にコントロールしようとする演出が本気でウザい。
良い映画って作り手の言いたいことはあえて台詞にしないで、観客に感じさせるものだと思うのだが、この映画は逆行していて攻めた作りに感服。
菅田将暉の「なんでこんな切ないんですかあ」みたいな舐めた口調も神経逆なで。
しかし極め付けはこの後。
菅田将暉の話を聞いていた竹原ピストルが突然、画面に顔アップで演説し始めるわけだが、これが超説教くさい。
この映画、悪ふざけばっかしてるくせに、急に上から目線の説教してくる場面がけっこう多い。
竹原ピストルの話が思っていた以上に長くて、「この校長先生のお話、いつ終わるんだよ」とイライラ。
ここで、目の前でクリリンが殺された時の悟空並みに怒り爆発。
大暴れしたい気持ちに駆られたが、前の席を蹴り飛ばしたら出禁確定なので、右の太ももを握り拳で叩き続けるという謎の行動に走ってしまった。
つまらないのは仕方ないにしても、高い金払ってなんでこんな不愉快な思いをしないといけないんだよ。
「空き家問題」とか「コロナ描写」とか「大企業」とか「池脇千鶴」とか、他にも書きたかったことはあったが疲れたので終わり。
この映画を観て、『ふてほど』(観てない)の脚本家の方の「ポリコレなんてクソ喰らえ」という気持ちは十分伝わりました。
公開日から5日目に観に行った時点で客席ガラガラだったことから、たぶんこの映画は早めにサンセットすると思うので、それだけが心の救い。
自然な演技
今年最初の映画
年の初めに、血みどろの戦いや脳が疲れるややこやしい映画は見たくなかった。
クドカンなら、テーマが重くても、希望がもてる内容だろうとこの映画に決めた。
地方あるあるにくすくす笑いつつ、大災害後の町の様子や生き残った人々を描いていて色々考えさせられた。
あまちゃん、季節のない街とこの映画。宮城出身であるクドカンは、様々な角度から災害後をリアルに描き、この先どうすればいいのかを考えさせてくれる。同時に災害を最小限にするためにはどうすればいいのかも考える機会にもなっている。
つくづく「人」の繋がりが大事なんだよなーと結論に至った。
先日、南海トラフが30年以内に起こる確率は、70〜80%から、80%に引き上げられたとニュースで見た。自然には到底太刀打ちできないが、精一杯準備しておきたい。また、関西に居る息子夫婦には、具体的な対策をするように伝えて行こうと心に決めた。
ほっこり温かい作品
日没、日の出、そしてしめじ。
コロナ禍真っ只中の南三陸にお試し移住で東京から釣り好き青年がやって来る。よそ者に対する微妙な空気感と団結力。豊かな景色と三陸の美味しい海の幸。ソーシャルディスタンス、そして震災が残した拭えない痛み。コメディ要素と残った人々の抱える苦しみを描いた実にクドカンらしい脚本だった。
震災を体験していない者が、震災を語ることは間違っているのか。痛みに触れることは失礼なのか。どうしてこんなに切ないのか。閉鎖的な海沿いの町の空き家問題を絡めながら、東北に対する想いを感じられる内容でした。
ただ恋愛要素がめっちゃ中途半端というか、なんでそんな分かりにくい結末なのかと、最後の最後にモヤモヤしてしまった。傷心4人衆が極端で面白かったけど、なにより池脇千鶴と三宅健が抜群に良かった。
感動
正直で優しい映画
期待度○鑑賞後の満足度○ クドカンが脚本を書いてる繋がりではないが、裏『あまちゃん』かなと。必要以上に震災に踏み込まないディスタンスも良い。散漫な印象は否めないが、オチの付け方はなかなか宜し。
①題名からオールド・ファンとしては『屋根の上のヴァイオリン弾き(の「サンライズ・サンセット」)』を思い起こすが、知ってか知らずか、此方は順番が逆である。
どちらも“人々の日々の営み”を比喩していると思うけれども、本作には余りそのニュアンスはない。
②東北地方の風土に寄り添ったのかどうかは分からないけれども、淡々としてゆったりとした演出テンポ。間延び気味なところもあるけど。
③はじめ池脇千鶴とは分からなかったくらい地方の中年のオバサン感満載でビックリ。
実物がああなっているのか、役作りが分からないくらい。ただ、演出が上手くそれを活かしているとは思えないのが残念。
中村雅俊は、釣り客相手の釣り船の船長という役が全く不自然に見えない役者としての円熟度を感じさせる。
三陸の海の幸もどれも美味しそう。
という風に脇はなかなか面白いのだが、話の中心に芯がないので観終わっても余り感興が湧かない。
コメディ演出が噛み合ってないような…
コロナ禍で東京から三陸にお試し移住して、テレワークしながら釣り三昧するという、今で言う「ワーケーション」の先鞭を付ける設定。
震災をベースに置きつつ、あえて深刻ぶらずに、コメディ調で一貫しているのに好感が持てる。三陸の海の幸、山の幸がふんだんで、観ているだけでお腹が減るし。ソーシャルディスタンスとか、自主隔離とか、今となったら滑稽に見えるね。
しかし、人間をじっくり描くのが得意そうな岸善幸監督としては、コメディ演出がどうも噛み合ってないような感じ。居酒屋のシーンとか、セリフのやり取りは面白いはずなのに、なにかもったりして弾まない。編集も自分でやっているが、全体的にカット尻が長いような気がして、それで物語がうまく転がっていかないように感じたのかも。
菅田将暉の明るさと軽みは、物語にうまくハマっている。井上真央は久々に健在ぶりが見られて嬉しい。脇役には芸達者が揃っているが、中村雅俊と白川和子のハマり方はさすが。池脇千鶴は別人かと思った。
芋煮会での竹原ピストルの言葉が、「東北を忘れないで」という作り手たちからのメッセージと受け止めた。タイトルの意味も含めて、この作品を今届けたいという思いは伝わった。
全190件中、61~80件目を表示