劇場公開日 2025年1月17日

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「「地域活性化映画」としての新境地を切り開く?」サンセット・サンライズ talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 「地域活性化映画」としての新境地を切り開く?

2026年1月7日
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鑑賞方法:DVD/BD

多分にジョークとしての意味合いもあるのだとは思いますけれども。
世界一短い会話として、「どさ?」「ゆさ。」という小噺があったと思います。
これは「どこに行くのさ?」「湯(温泉、銭湯)に行くのさ。」を約(つづ)めた会話ということなのですけれども。

つまり、方言には方言としての味わいもあり、そういうことも含めて、その地方の風土・習慣というものがなべて、その土地その土地のローカル・カラーなのだと思います。

突然に社会に襲いかかってきたコロナ禍を背景に利活用が一気呵成に進んだ「オンライン」と「リモートワーク」。
その別の一面としては、「地方に住まうこと」が、にわかに脚光を浴びたということでしょうか。

「都市部への一極集中を解消して、多極分散型の社会を作れ」というのは、昔から国土交通省が繰り返しているお題目でもありますけれども。

今回のコロナ禍をきっかけとしたリモートワークの進展を契機に、今までは注目されてはいても、なかなか実現することのなかった「地方で働き、地方で暮らす」という現実味を帯びてきたようにも、評論子には思われます。

そういう世情を、慣れない田舎暮らしに戸惑い、悪戦苦闘する西尾の姿をコミカルに描いた一本として、いわば「地域活性化映画」の新境地を切り開いたものと、本作は評するのが適切と、評論子は思います。

地域活性化の手法が、かつての「定住人口」の増加策から、「交流人口」の拡大へとシフトしつつある昨今の世情にもマッチする作品ともいえそうです。

本作の公開を期に、暮らしの中に地方との交流に関心を持つ人が増えてくれれば、「移住エンタテインメント」という本作のキャッチフレーズも、生きてくるのではないでしょうか。

すなわち、「サンライズ、サンセット」ではなく、「サンセット、サンライズ」となっている―つまり、陽が当たらなかったところ(サンセット)に、新たに陽が当たるようになった(サンライズ)ということが、本作の邦題の言わんとするところだったのではないかと、評論子は、受け取りました。

そういう受け止めでは、「少し皮肉的にコロナ禍のドタバタをちょこっと描く」という、レビュアーromiさんのレビューは、「言い得て妙」と、評論子も思います。

決して「魂をうち震わせるような感動巨編」というわけではありませんが…。
芹洋子さんのヒット曲「おもいでのアルバム」が効果的に使われているなどの点からも、そこそこの良作には仕上がっていたということに、評論子としては、評しておきたいとも思います。

(追記)
本作の演技で光るのは、やはりなんと言っても菅田将暉ですけれども。

俳優・菅田将暉といえば、俳優デビュー前の就職活動時代に、20社以上から「お祈りメール」(企業からの不採用通知のメール)を受け取った経験を、インタビューには答えて語っているそうです。
「毎日メールを確認するのが怖かったけど、今思えばあの経験が役者としての糧になっている」と振り返り、失敗を恐れず挑戦することの重要性を知ることができたと話しているそうです。[2026.1.7閲覧 HP・言葉の意味辞典]

本作でも、百香への想い(?)が仮に叶わなかったとしても、上記の経験が、きっと西尾を支えたことと、評論子は思います。

talkie
トミーさんのコメント
2026年1月7日

共感ありがとうございます。
二人や周囲の関係が性急に結論を出さない所も、緩やかな回復目線なんでしょうね。

トミー
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