サンセット・サンライズのレビュー・感想・評価
全257件中、1~20件目を表示
鑑賞後は美味しい魚が食べたくなる
自分が都会か地方かのどちら側の人間かで、作品の響き方が異なってくる作品だと思う。
クドカンは今までいろんな角度で、震災やコロナを描き続けているけれど、一貫してあの日々は何だったのか、あの経験を経て我々はなにを学び、何を失い、何を活かしていくのかを届けてくれる方だなと思う。
今回もまた違った角度でメッセージを届けてくれたが、個人的には同じクドカン作品で、震災後を描いているドラマ『季節のない街』が素晴らしすぎて、そちらの方が刺さった。
クドカンらしいコメディ要素は面白かったし、シリアスなシーンでも、シリアスに全振りせず優しくあったかく笑いに変えるところは、クドカン脚本で好きなところなので良かった。
しかし話のテンポが微妙に悪く感じる。140分も必要だっただろうかという疑問。140分もあったのに恋愛展開がいきなり過ぎて置いてけぼりに感じた。最後も蛇足感が拭えず……ちょっと不完全燃焼。
ストーリー構成は疑問が残るものの、愛嬌のある素朴な西尾役を菅田将暉が好演していたし、久しぶりの井上真央は時が止まっているのかというほど可愛いままで、田舎のヒロイン役にピッタリだった。総じて演者たちは良かった!
コロナと、芋煮でも話題にしないやつ
菅田将暉の生き生きとした表情のポスターやチラシが印象的な本作。釣り好きのサラリーマンが、コロナ禍のリモートワークをきっかけに、田舎に移住する…という、一見シンプルでのどかな筋書だ。けれども実は、アンタッチャブルな二大要素に斬り込む、なかなかの意欲作だった。
冒頭、いきなり無神経な発言をする観光客が登場する。震災、そしてコロナ。もう忘れたい、なかったことにしたい、見ないふりで済ませたい…ことがらを、畳み掛けるような笑いの連続で巧みに引き寄せ、観る者の記憶を手繰っていく。
いきなり東京からやってきた西尾(菅田将暉)に、消毒液を振りかざす桃香(井上真央)。ドタバタっぷりに苦笑しながらも、確かに当時は、至極まじめに、そんなことをしていたなと思った。地元からの罹患第一号になりたくない!という信念を持ち、ごく当然に手作りマスク(守る会の面々は、たぶん大漁旗のリメイク)を身に付け、間隔を空けて席につき、「家族ゲーム」式に並んで会食する。真剣なのに、ちょっと間が抜けている。ばかなことやってたなあ、という気がするけれど、今もなおコロナはあるし、インフルエンザも大流行だ。とはいえ、今やコロナは得体の知れない恐怖ではなくなった。煩わしいけれど、まあ何とか付き合っていける。そんな日常に潜む諸々の一つ、になりつつある。
一方、震災は手ごわい。被災体験の有無、被害の大きさ(何を失ったか)で、独断と偏見満載のランクに振り分けられ、近しい者同士でさえも話題にしない。「芋煮でも話さないやつ」という扱いだ。口にしないのは、「どうせ他人にはわからない」というあきらめだけでなく「どう伝えればいいのか分からない、そもそも、分かってもらう必要があるのかさえ分からない」というためらいではないか。忘れたい、忘れられてしまえばいい、というような。コロナよりずっと前に起き、その後も各地で天災は起きているににもかかわらず、いまだに上手い付き合い方が見つからない。多くを語らず日々を重ねる、百香の父(中村雅俊)や茂子さん(白川和子)の佇まいが印象的だった。
西尾は、アクロバティックな宣言で壁を越えようとしたかに見える。けれども、彼が取ったほんとうの選択は、思いのほか繊細で誠実だった。原作は2022年発表。それから3年経過した今だからこそ、映画だからこそ、の結末を、様々な人に、ぜひ味わってほしい。
ナチュラルで芯のある人生ドラマ
クドカン脚本はいつだって舞台となる街の過去と現在が、肩肘張らないユニークなタッチで浮かび上がってくる。そこで個性豊かな登場人物らが愉快なハーモニーを成しながら、現在進行形で未来へ向かう展望を形作っていくわけだが、今作はとりわけ地方における空家や移住といった社会問題を切り口に、前景にはコロナ禍の記憶を、後景には震災が人々にもたらしたものを丁寧に据えている点が特徴的だ。そして時間軸の経過に伴い、巧妙な人物配置やセリフの構成なども相まって、後景に刻まれた思いや記憶へ少しずつ焦点が絞られていく。それはきっと作り手としての「忘れない」という気持ちの現れでもあり、この想いは後半、古い家をリノベーションして受け継いでいこうとする過程でも大切に反映されているように思えてならない。ユーモアを忘れない会話の楽しさ、人と人の絆、そして何より菅田、井上の好演が、ナチュラルで芯のある人生ドラマを真摯に輝かせている。
満腹でも食べたくなる映画
出てくる食事が美味しそうなことこの上ない。
東北の方々が羨ましい!!
塩辛には白ワイン。忘れないうちに試さないと。
最後は急展開過ぎな感が否めず。あと3分くらいもう少し丁寧に展開してくれたら言う事無しでした。
等身大
映画館にて鑑賞しました。
自分としては菅田将暉さん演じる西尾さんの素直さに救われた映画でした。単純に釣りが好きだったり、しがらみ(?)に関係なく美味しいものを食べて満面の笑みで「美味しい」という姿勢や、いわゆるコミュニケーション能力の高さを発揮する姿は、なんというか一服の清涼剤にも感じました。
作品に出てくる各登場人物は、個性は多少強調されていますが、かなり等身大なのではないかと思います。とても大きなことが起こるわけではないのですが、作品内では直接には描かれていない東日本大震災やコロナを通じて「都会」と「田舎」のそれぞれが描かれています。
それぞれの人物や心情にクローズアップしすぎていないからこそ、他者からギリギリ感じられる「等身大」が描かれているようにも感じ、人によっては同族嫌悪的に人物を嫌になってしまう部分や、シーンごとの空気感が辛いと感じる方もいるんじゃないかな、と思いました。(自分でも書いていても、文章で説明することが難しいですね。。。)
都会・田舎、それぞれに良いところもあれば悪いところもあるよ、と言ってしまえばそれまでなのですが。
言葉にするのが難しいのですが、もっと素直に生きていけたらな、、、と自分の人生のことをなぜか思ってしまいました。
わが国が縮みゆく中で
コロナ初期の2020年、南三陸のとある港町で貸し出された空家に、東京の釣り好きの若者が、リモート制度をフル活用してウキウキとやってくる
そしてギクシャクと始まる地元の皆との交流がやがて、その一人一人に、震災を含めた人生の総括を期せずして強烈に迫る
「東京」と「地方」は定義の話で「都会」と「田舎」は程度の話、作品の中でもあえてごちゃまぜなので、観る側もこれまでの暮らしにより、それぞれに気になるとこや感じることがバラつくと思うし、国自体が縮んでいく中、われわれはそれを皆ですり合わせていかなきゃなんない
軽妙に重大、さすがのクドカン脚本
素晴らしい映画だったなー、封切りからはだいぶ経ってたけどなんとか劇場で観れてよかった
井上真央を見直しました
たまに見ればいいんだよ
海辺の町に魅了された
東京の会社員のはなし
と
ひとことでいえばそうですが
魅了されるまでの時間を
共有できるのが
心地よし
ときはコロナ感染が
広まっていったあの年
ソーシャルディスタンスや
都会からの旅行者への
スプレーのシーン
今では、笑って見れる
感染防止対策の数々も、
あの頃は皆真剣
初期の頃、
北陸では感染者の家に石が
投げ込まれ、
そこの家族は引越ししたと
聞いたことあります
嘘みたいですが実話
しかも、
震災が絡む土地が舞台
そんな状況で異界の人間が
暮らして、馴染んでいく様が
なんとも・・
そんななかで
本作でぐっときて
受けとったのは3つ
ひとつ目は、
茂子さんが縁側で西尾に
言ってた
「東京にいっても何も
することがない。例え津波がきても
ここでの暮らしがいい」
この土地が好きって
感情はわかるような気がします
海辺で、
薄暮の紫が海面に伸びる
吸い込まれそうな瞬間を
見たことがあれば。
本当に美しいものを見た時
心がもっていかれます
それが日常ならなおさら
2つ目は、
生き残った者が
前を向いて生きるっていうことが
どういうことなのか
百香が車の中でMDから
亡くなった子供の声を聞いて
自分のやるせなさに泣いていた
ひきづらずに生きていくのは
できないかもしれないけど
なにかのキッカケで
自分がしたいように動き出すしか
ないんだろうと
正解はないのだろう
この作品のスゴイところは
震災の復旧と空家問題の解決の
方法が同じやり方でいったら
いいのではという啓示
全く新しく作り変えるのではなく、
思い出はそのままに保ちながら
生まれ変わっていく
そんなやり方があっても
いいのではというのが
心の持ち方が再生される家に重なって
糸口がみえていいなと。
3つ目は、
芋煮会でのケン
不用意に触れないとしても
忘れずにたまに見てくれればいいんだよ
って
回答は、なかなか奥ゆかしい
たくさんあった出来事が
エンドの朝日と歌声で
つつまれて・・
おすすめ
いい匂いを求めて⋯
難しい題材を見事に着地させた秀作だったとは‥気になっている人は是非‥
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
今作の映画『サンセット・サンライズ』は、結論から言うと、難しい題材を見事に着地させた秀作だと思われました。
今作は新型コロナと、東日本大震災での東北での津波被害とが、描かれています。
そのどちらもそれぞれ被害者が存在し、簡単に扱える題材ではないことは容易に理解出来ます。
まず新型コロナに関して、東京の大手企業に勤める釣りが趣味の主人公・西尾晋作(菅田将暉さん)は、コロナ禍でリモートワークが推奨される中、宮城県南三陸の宇田濱町で空き家が安く貸し出されている事を知り、宇田濱町に移って来ます。
そして、自分の家の空き家を貸し出そうとしていた町役場職員の関野百香(井上真央さん)は、いきなり東京から空き家に乗り込んで来た主人公・西尾晋作に対して、コロナ禍でのソーシャルディスタンスと2週間の隔離を要求します。
2025年の今から見れば、2020年当時の関野百香のコロナに対する対応は過剰で滑稽にも見えます。
しかしながら当時の日本のソーシャルディスタンスやマスクや手洗いなどのコロナ対策は、一方でアメリカでは累計120万人以上の死者を出す中、日本の死者は約7万4千人に累計で留まり、一定の対策の成果があったと言えます。
ただ、当時の緊急事態宣言などの日本の対策は、飲食店やエンタメ産業などをはじめとして多大な負の影響を及ぼし、コロナ禍での日本の厳しい対策に批判があったことも事実です。
なので、今でも賛否が分かれ分断を呼ぶコロナ禍での人々の描き方は、かなり困難だと思われるのです。
しかし今作では、例えばパチンコ店で亡くなった村山茂子(白川和子さん)の葬儀に東京からやって来た(主人公・西尾晋作が務める会社の)大津誠一郎 社長(小日向文世さん)が、コロナ陰性のPCR検査結果をまるで印籠のように示して現れる場面など、滑稽さと対策の重要さとの間を辛うじて渡り切って、双方の分断の間を取り持つ表現になっていたと思われました。
そしてもう一つの難しい題材は、東日本大震災での東北での津波被害の描写です。
今作の東日本大震災での東北での津波被害の描写で、個人的に一番の驚きは、関野百香が部屋から海を見た時に思わずつぶやいた「綺麗‥」とのセリフでした。
関野百香は、映画の終盤ではっきりと分かるのですが、自身の夫と子供2人を津波で失っています。
つまり、自身の夫と子供2人を津波で飲み込んだ海を見た関野百香に、ともすれば肯定的な意味を、あるいは作為性を感じさせかねない「綺麗‥」とのセリフを言わせることは、かなり困難だと思われたのです。
しかしこの関野百香のセリフによって、かつて津波の前までの日常では自然と感じられていた海の美しさと、自身の夫と子供2人(そして津波によってのみ込まれた多くの町の住民)の魂が海を美しくさせているとの感情が、現在の喪失した百香の日常の心情と重層的に結びついて伝わり、本当に素晴らしくも美しい表現のセリフだと思われました。
このセリフは宮城県出身の宮藤官九郎さんだからこそ書けた、深さある脚本表現と思われました。
今作は、コロナ禍と東日本大震災での津波被害を主に扱っていましたが、主人公・西尾晋作の勤める会社と、百香が務める宇田濱町役場が、共同で行う、町の空き家リフォーム事業についても扱われます。
この、町の空き家リフォーム事業に関しても、例えばパチンコ店で亡くなった村山茂子の遺影を最後に悲しそうに見つめる西尾晋作の表情によって、この映画が賛否の間を深く取り持とうとしていると伝わって来ました。
ところで、新型コロナも東日本大震災での津波も(あるいは空き家リフォーム事業も)、実は根底で共通点があるように思われています。
それは、そこに人が判断する度合いや時間の猶予が与えられていた(いる)点だと思われます。
仮に、新型コロナの被害が感染した人の大半が死亡したり重症化したのであれば、人々は一致団結して厳しい対策に賛同したと思われます。
ところが実際の新型コロナは、日本の2020年5月の感染広がり当初でも致死率は70歳以上で25.5%も69歳以下では1.3%で、治療法が見えて来た2020年8月の致死率は70歳以上で8.1%も69歳以下では0.2%であり、もちろん放置すればアメリカのように120万人以上の累計死者が出たように厳密な対策は必要だったとは思われますが、対策に対して賛否が起こったのは、人や年齢によって被害の度合いに幅があったことも大きな要因だったと思われます。
東日本大震災での津波も、被害に遭った人の家族や友人などに今も重い感情を抱かせている理由には、地震発生から津波の到達まで25分以上の猶予があったこともあると思われます。
もちろん、その間に高台に逃げられなかった被害者には、仕事を直ちに離れることが出来なかった、集団で避難を考えていたが奥地にまで予想外の津波がやって来た、動けないあるいは連絡のつかない家族を助ける為に被害あった場所に戻った、屋上に避難したがそれ以上の水位の津波がやって来てしまった‥など、被害者をとても責められない場面があり、予想外の大規模な津波がやって来た現実を忘れてはいけません。
しかしそれでもなお、その津波が到達するまでの時間の猶予が、彼らを助けられたのではないか‥との重い感情を今も多くの人に抱かせている理由ではないかと、思われるのです。
仮に、地震直後1分前後で津波がやって来ていたとすれば、失った人々への感情は消えなかったとしても、その感情は時間と共にもっと整理されていたと思われるのです。
これらの重い難しい題材を、コミカルさもある見事な紆余曲折ある作品に仕上げられたのは、あくまで当事者から遊離しない、岩手県出身の原作者の楡周平さんや、宮城県出身の脚本の宮藤官九郎さん、そして(東北・山形県出身の)岸善幸 監督の手腕が大きいと、僭越思われました。
そして何よりこの映画『サンセット・サンライズ』の素晴らしさは、作品の着地にもあったと思われます。
主人公・西尾晋作は、宇田濱町の空き家リフォーム事業が軌道に乗る中、会社の大津誠一郎 社長から、全国の空き家リフォーム事業の責任者として東京に戻って来ることを命じられます。
しかし西尾晋作は、大津誠一郎 社長の辞令を拒否し、宇田濱町に残ること、百香が好きだということを、百香に告白します。
ただ百香は、主人公・西尾晋作の告白を受け入れず、西尾晋作から離れ、夜の海岸に停めた車の中で、津波で失った夫と子供2人の声が入ったMDを聞いて涙します。
そしてその後、西尾晋作は東京に帰り、会社の責任者として、全国地域の空き家リフォーム事業を成功させて行きます。
百香も、宇田濱町役場の空き家リフォーム担当者として、町の事業を成功させて行きます。
西尾晋作は、百香への告白の直後、百香の義理の父である関野章男(中村雅俊さん)に、自身が描いたサンセット・サンライズの画を見せています。
そこには、海に夕日が沈む海岸で(おそらく西尾晋作と百香と思われる)男女2人が手をつなぐ画が描かれていました。
しかし西尾晋作は、その画をその後に改変して、男女2人と子供2人が手をつなぐ画に描き替えて、西尾晋作が暮らし、かつては百香と夫と子供2人が暮らしていた、空き家リフォームされた家にその画を飾って東京に帰ります。
そして百香は、西尾晋作が描き直した、男女2人と子供2人が手をつなぐ画を、自身がかつて夫と子供2人で暮らしたリフォームされた家で見ることになります。
月日は流れて、「モモちゃんの幸せを祈る会」のメンバーの一人だった山城進一郎(山本浩司さん)が宇田濱町の町長に選出されます。
その山城進一郎 町長の挨拶の司会を担当していた百香のスマホの元に、西尾晋作が宇田濱町に以前やって来た時と同じ連続の西尾晋作からのメッセージが届き、百香がかつての夫と子供と暮らした家であり、西尾晋作が以前過ごした家で、百香と西尾晋作は再開し、百香は笑顔で西尾晋作を迎え入れます。
その後、西尾晋作は、百香の義理であり夫の父である関野章男の養子になり、それぞれの自分の選択によってこうなったとの趣旨の話をして、映画は閉じられます。
この今作の着地は、個人的にはここ数年の邦画の中で図抜けて素晴らしい作品の着地に思われました。
その理由は以下だったと思われます。
西尾晋作と百香とが分かれた後に、西尾晋作は会社を、百香は役場で宇田濱町を、空き家リフォーム事業を通じて、それぞれ社会的に救います。
つまり、西尾晋作も百香も、(自分自身でなく先に)周りや世界を救って行ったと言えるのです。
また、山城進一郎 町長の選出の描写は、宇田濱町の未来が明るいことも示唆しています。
なぜなら、他の「モモちゃんの幸せを祈る会」の、(もちろん熱い想いと誠実さはありながら)すぐ感情的になる倉部健介(ケン/竹原ピストルさん)と高森武(タケ/三宅健さん)や、町役場の情報を流すなどどこか斜めから物事を見ている平畑耕作(好井まさおさん)との間で、
町長になった山城進一郎は、熱い想いを持ちながら周囲への関係性と理解が深い、忍耐と誠実さを持ち合わせていた人物だと、感じさせていたからです。
そんな山城進一郎が町長ならば、宇田濱町内の人々の様々なもめごとや問題を、深い理解と関係性の中で解決して行くだろう、宇田濱町の未来は大丈夫だと、伝わる場面だったと思われます。
そして、主人公・西尾晋作は、男女2人のサンセット・サンライズの画を、男女2人と子供2人の画に修正します。
このことは、西尾晋作が、百香を、外見上で見えている1人の女性として一方的に見るのではなく、夫と子供2人の喪失した内面もそれまでの時間も、そのまま感じ理解したからこその、サンセット・サンライズの画の描き直しだったと思われるのです。
そして百香は、西尾晋作の、男女2人と子供2人の画によって、自身の喪失感も含めて、自身の存在が、内面にある夫と子供2人の存在と共に、そのまま肯定されたと感じたと思われるのです。
百香の最後の西尾晋作への笑顔は、その感情を現わしていたと思われるのです。
主人公・西尾晋作も、百香も、会社や宇田濱町を、空き家リフォームを通して救って行った後の再会でした。
その行動と日常の月日は、2人の周り含めた喪失と距離を積み重ね変えて行ったと思われます。
最後の西尾晋作の、関野章男の養子になる選択は、1観客からすると、西尾晋作が、百香と関野章男のことを考えての選択と思われなくもないです。
しかし、それぞれ自分のことを考えての選択との西尾晋作の言葉(解釈の変更)は、それぞれに自由意志の余白を持った上の相手とを関わりの答えとも言え、実は今作を貫いていた人との関係性の到達した答えだったと思われました。
会社を、町を、それぞれ救って来た西尾晋作と百香とが、最後に自分を救い、そのことが大切な人を救っている、感銘を受ける見事な映画の着地だったと思われました。
今作の映画『サンセット・サンライズ』は、難しい題材をしかもコミカルに描くという、題材の難易度の高さからの紆余曲折の展開は傑作となるには余りにも難し過ぎると思われ、私的は僭越今回の点数になりましたが、一方で早くも2025年の代表作の1つになる予感がしていて、見事な秀作であると一方では僭越思われました。
特に作品の最後を閉じる着地までの流れは、ここ数年の邦画でトップクラスの素晴らしさだったと僭越思われています。
そして、主人公・西尾晋作を演じた菅田将暉さんをはじめとして全ての俳優の皆さんが素晴らしかったと思われながら、特に関野百香を演じた井上真央さんは図抜けて素晴らしかったと、僭越思われました。
今作の映画『サンセット・サンライズ』を本当に面白く心動かされて観ました。
(なんだか書き始めるとレビューが長くなってしまいました‥失礼しました‥)
あたたかい気持ちになる
原作は読まず、他の映画の予告で気になり鑑賞 移住にコロナに色んな社...
良い映画だなー
菅田将暉演じる西尾くんが好人物(*^^*)
ただ見ていればいい
原作とはひと味違う味わい
コロナ禍の日々を振り返った
とてもおすすめされたことと、レビュー数が多くて評価が高かったこともあり、仕事終わりにレイトショーへ。
(間に合わなさそうで、めちゃくちゃ走った)
久しぶりに邦画を映画館で観た!
あらすじも調べずとりあえず映画館に突撃。
菅田将暉は素朴な一般人を演じるも、そのスタイルの良さで登場からやっぱりすごいなと思いました。
コロナ禍はこんな感じだったなと懐かしく思いました。当時は得体の知れない、目に見えない恐怖で毎日を過ごしていましたが、それを懐かしいと思う日が来るなんて。
晋作の素直で朗らかな性格と南三陸の拳で👊の御三方、やり取りを見ていてニコニコしてしまいました。
(あの雰囲気に怖気付かず飛び込める晋作が素晴らしいですが)
お刺身美味しそう!海や川、山、豊かな自然。
気づかずにいたけど、日本のほとんどはこんな風景。
地震のことも詳しく話すわけでなく、しかし住民の心から離れることはない感じがとてもリアルと思いました。
「地震なんて正直どうでもいい」(正確ではないですが)そんな率直な晋作の言葉はナイフにもなりがちですが、そんな意味はないことしか伝わってこない感情がこもって聞こえました。
地震、過疎、コロナ、空家、様々な問題が詰め込まれた作品ですが、映画館でも笑いが聞こえてくるほど温かいストーリーになっているのはすごいことではないでしょうか。
とても爽やかで、自分についても考えさせられる映画だったと思います。
久しぶりに映画館でポップコーンを食べました🍿
あんなにサイズ大きいのね!
こんなに食べれないよ〜て思っていましたが、序盤で完食笑
仕事終わり好きな映画観て、ポップコーンをたくさん食べて、とても素敵な時間でした。
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