「名曲がこんなに凡作なんて」366日 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
名曲がこんなに凡作なんて
邦画のヒット・ブランドの一つ、名曲モチーフ。
今回の名曲は沖縄出身のバンド“HY”の同名楽曲『366日』。音楽に疎い私でも聴けば、あ~知ってる。
この手のジャンルは楽曲からどうヘンに想像膨らませたか分からんが、歌は名曲なのに作品はベタな悲恋モノばかり。
しかし本作は興行収入25億円のロングランヒットとなり、そんなにいいのか…?
で、見てみたんだけど、別にこれまでの同類いのと代わり映えないじゃん。
沖縄。高校時代に出会った先輩の湊と後輩の美海。趣味の音楽を通じて惹かれ合う。
湊が卒業式の日に告白し、付き合う事に。
母親を亡くして以来夢の音楽の道を諦めていた湊だが、美海の応援で夢に向かって上京。美海も卒業し、夢の通訳の為に上京。
晴れてカップルとして夢に向かって満ち足りた日々が続いていたが、ある日突然湊が別れを告げる。
沖縄に戻った失意の美海を支えたのは、幼馴染みの琉晴。湊の子を妊娠していた美海を受け入れ、結婚を決める。
新たな人生を歩み始めたと思った時、湊も突然沖縄に戻り…。
好き合った男女が付き合って、別れて。
突然別れを告げられて。
幼馴染みの想いに応えて。
未練がましく突然現れて。
沖縄や東京。10年以上に及ぶ愛の遍歴。
何かいつぞや見たリアルカップルとなった菅田将暉&小松菜奈の『糸』と似たり寄ったり。
湊が突然別れを告げた理由も察し付く。病気で心配掛けられないからと一方的に別れを告げ、何年か経ってまた会いに行くなんてメチャ自己チュー&未練がましい。
琉晴を選んで大正解。美海の父親から「娘をよろしく」と言われ、「俺の方こそ幸せです」と言う何て好青年!
幸せは長くは続かず、美海も病に。W難病モノかい!
成長した娘が本当の父親に会いに行く。そこで知る本当の想い…と、ベタな感涙美談を謳う。
これが男性主人公だったら現在の妻や暮らしや幸せを捨てて元カノ=ヒロインをもう一度選ぶというバカな事をするだろうが、どうやら美海は堅実な選択をしたようで。湊との間に出来た娘と夫/父親になってくれた琉晴との短い人生を全うし、湊への想いは胸の中に。
このラストはそう悪くなく、沖縄の美しい風景と上白石萌歌の魅力は良かった。
だけど、それだけ…。作品の方は…。
名曲映画化は凡作に。例外に漏れず。
改めて『366日』を聴いたが、いい曲だ。
この曲からベタな恋愛、別れ、妊娠、難病、秘めたる想い、お涙頂戴しか想像膨らませられない作り手は何処のどいつだ?…と思ったら、
監督は私の苦手な新城毅彦であった。