「【”私に陽だまりをくれた二人の人。”今作は、隔靴搔痒感を覚えつつも、一人の女性の溢れる愛と彼女を懸命に愛する二人の男性の想いに随所で涙腺が緩んでしまった、切なくも希望ある恋物語である。】」366日 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”私に陽だまりをくれた二人の人。”今作は、隔靴搔痒感を覚えつつも、一人の女性の溢れる愛と彼女を懸命に愛する二人の男性の想いに随所で涙腺が緩んでしまった、切なくも希望ある恋物語である。】
ー 今作鑑賞中、”何で、そういう行動を取っちゃうのかなあ、ホント君は人の心の機微が分からない男だなあ。”と非常にじれったくミナト(赤楚衛二)の事を観ていたモノである。
序に言うと、2003年のミナトと美海(上白石萌歌)との出会いから、2024年までの出来事を、行ったり来たりしながら物語は描かれる、且つ役者さん達の姿が余り変わらないので頭の中を整理しながら観賞したものである。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・2003年。母(石田ひかり)を病で亡くしたミナトは、学校にも来ずにボンヤリと過ごしている。そこに彼の事が好きな美海が自分の誕生日2月29日に元気づけようと幼馴染のリュウセイ(中島裕翔)の家のサーターアンダギーを持ってやって来て食べさせる。そして、彼は”美味い”と言い”お礼に誕生日だから何でも言う事聞くよ”というと、美海が2月29日に告白すると、願いが叶うと言って”好きです。”というとミナトも同じ答えで、幸せな気分になる。
・ミナトは東京の音楽制作会社に就職し、美海も東京の大学に入学して一緒に暮らし始める。けれども、幸せな日々は長くは続かずミナトは美海に”もう、好きじゃなくなった。”と言って別れてしまうが、実は彼は急性白血病と診断されての事だった。
ー で、このシーンで”いやいやいや、何で別れちゃうの。真実を告げようよ。”と一瞬思ったのだが、通訳の試験に落ち続けていた美海の事を考えての事だろう、と無理やり納得しようとするが、ナント美海は妊娠していたのである。
で、再び今度は美海に対して、”いやいやいや、何で別れちゃうの。真実を告げようよ。”と思ってしまったのである。ジレッタイなもう!
ここから、二人の20年近くに亙るすれ違いが始まってしまうのである。-
■この映画では、幾つか隔靴搔痒感を感じる所があったのだが、それ以上に沁みるシーンもあったのである。
最初に、グッと来てしまったシーンは美海が、沖縄に帰って両親(国仲涼子&杉本哲太)に妊娠を告げるシーンである。”相手は誰だ!”と激昂する父に、その場にいたリュウセイが”すいません!僕です!”と言って頭を下げる所である。リュウセイが実に器の大きい且つ良い男で、幼馴染の美海の事がずっと好きだったのに我慢していた想いが、弾けた瞬間である。このシーンは、沁みたなあ。
・そして、二人は美海が産んだ陽葵(稲垣来泉)と三人家族になるのだが、二人の結婚式に沖縄に一時戻っていたミナトが現れるシーン。ミナトを見つけたちっちゃな陽葵が無邪気に手を振る姿と、咄嗟に隠れるミナト。ここも沁みたなあ。そして、ミナトは静に去るのである。
<そして、2024年。美海は病に倒れる。美海が持っていた写真とMDを見つけたリュウセイは、陽葵をミナトを連れて来るように言って東京に送り出すのである。陽葵の幼馴染のコウタロウも密かに彼女をサポートして上げている。
漸く見つけたミナトが務める音楽製作所で、陽葵は泣きながら”ホントのお父さんでしょ。”というのだがミナトは優しく”君を育ててくれたのがホントのお父さんだよ。”と言って”遅くなってごめんね、と言ってこれお母さんに渡してね。”と彼女と若き日に約束した自分の曲が入ったMDを渡すのである。
今作は、隔靴搔痒感を覚えつつも一人の女性を愛する二人の男性の想いに涙腺が緩んでしまった、切なくも希望ある恋物語なのである。>
共感ありがとうございます。
娘とニアミスしていた本当のお父さんにはほろっとしましたね。
割とリアル感でしたが、体の変調がタイミング悪過ぎな二人でした(不謹慎)(悲劇)。