「おかしいでしょ〜」366日 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
おかしいでしょ〜
ありがたいことに試写会に当選したので2024年試写会締めくくりとして鑑賞。
どこか既視感、というか多分観たことあるだろうなという感じでしたし、好みではないだろうと腹を括って観ましたが、想像を遥かに超えてくる気の狂った作品がお出しされたので1周回って楽しんでしまいました。
やるとは思っていましたがやはりやった病気の乱用。とりあえずそういう状況にしておけば話が進めるだろうという安易な考えのもと進められるのでまたかよとは思いましたが、従来の作品とは違ったのが主人公2人とも病気になるというのには裏切られました。
湊は白血病という事ですが突然すぎて脳がブレっブレになりましたが、母親からの遺伝とかでまだある程度納得というか無理やり飲み込むことはできたんですが、美海に関しては病名も全く明かされず、なんか既に病気になってて死に際といったクライマックス状態なので、せめて何かしらそういう描写があればギリギリ納得できたかもなんですが、全くそんなことはないので疑問符が無限に湧き出てきました。
美海に迷惑をかけたくないから去ったのに妊娠させてる時点でもう言動不一致も甚だしいんですが、別れてからも美海が話してなかったことを含めても知っていない事自体不自然ですし、数年後沖縄に帰ってきて琉晴と再会した(この再会の仕方もだいぶ不自然)時に琉晴に詰められたタイミングでガチ声で妊娠してた…?と聞き返した時はもう吹き出しそうになりました。
確かに判断力含めて全部切ない方向にいってしまうというのはあると思うのですが、一連の行動がヤリ逃げのようにしか見えず、それを隠しきれてないのに美談に仕立てているようなのもどうにもむず痒かったです。
コイツどういうテンションで生活してるんだろうともう謎のにやけっぱなしでした。
美海も就職が決まらない放心状態からの花に水をやりすぎる→花瓶を落とす→花瓶のかけらで怪我をするまでの1セットをパーフェクトにやりきっちゃうもんですから来るぞ来るぞ…!来たー!みたいに怪我をするシーンとは思えないくらい心の中で盛り上がっていました。
陽葵に同行せず東京に送り込んだ琉晴の行動はハチャメチャすぎましたし、そこに琉晴の差し金ではなくただただ心配だからと沖縄から東京まで追いかけてくるとんでもない追跡力を持ち合わせた琥太郎が事情を説明する時は腹抱えて笑いそうになりました。
そんでもって大手の音楽会社のオフィスにどうやって中学生が単身で入れたのかが謎すぎましたし、セキュリティどうなってんねんともうツッコミのオンパレードでした。
そこからの実はあなたの娘なんです⇔俺の娘ェ!?というやりとりもなんかもう観てられなかったです。
至って真面目なドラマのはずなのにどうにも滑稽にしか見えず、その後沖縄に帰ってきてからのストーリーも予想の範疇で驚きもなくどこかの作品の焼き直しそのままなもんですからもう天晴れです。
1人の役者が学生時代から大人になるまで演じるというのは全然あるやつなんですが、流石に今回の2人はピッチピチすぎて30代、ひいては母親役をやるには流石に無理しすぎじゃないか?とずっと引っかかっていました。
2人とも学生時代は全然似合っているんですが、30代後半には見えない若々しさがどうしてもネックになっていましたし、互いに病気を患ってる割には表情や肌はツヤツヤで健康なのでは?となってしまうのも残念でした。
新卒の社会人が大学生の彼女と同棲込みであんな自然まみれの良い部屋に住めるか?と思いましたし、緑だらけの内装はもういよいよどうなってるんだと訳が分からん状態でもうジェットコースターに乗ってる気分でした。
こんな細かいところを気にしてもしょうがないとは思いつつも、その他が大きく破綻してるのもあって住居環境にも突っ込まざるを得ないのが辛いところです。
曲を流すタイミングもなんだか笑わせにきてるんじゃってくらいここが泣きポイントですよ!ってのが見え見えで、366日が流れるタイミングなんかまさにそれで、よく分からないところでバスを降りて全速力で走り出すんですが、美海の結婚式場がどこか分からないのに向かうなぁと思ったらピンポイントで突き止めるもんですからGPSでも潜り込ませてたんじゃってくらいの追跡力には座席からズッコケそうになりました。
♪怖いくら〜いは湊に対してのアンサーですよ。
沖縄のロケーションは抜群に美しかったです。
とにかく澄んだ青色が光る海に見惚れていました。
今作の一番良かったところは間違いなくロケーションです。
役者陣は年齢設定以外はとても良くて、主演2人も良かったですし、特に中島裕翔くんの演技は今まで観てきた作品とはまた違うカラッとした明るい演技でとても好みでした。
玉城ティナさんの美しさはピカイチでしたし、クールビューティーが似合うこと似合うこと。
このフォーマットを擦り続けるのは楽曲に対しても失礼ですし、恋愛映画の質が落ちていくんじゃないかな〜と危惧してしまいますが、もう割り切ってぶっ飛んだコメディとして楽しむならもうアリだなと思えてきた自分の捻くれっぷりには脱帽です。
全国公開されてからの反応が楽しみです。
鑑賞日 12/17
鑑賞時間 18:30〜20:40
座席 G-16