最後の乗客のレビュー・感想・評価
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心に残る作品
別の映画を見た帰り、「監督本人」という名札を付けた方が自分でチラシを配っていて、予告編も気になったので後日見に行きました。2011年に生まれていた方なら、それぞれ「あの日」どこにいてどんな過ごし方をしていたかを覚えているとは思いますが、時間もたった今、たくさんあったストーリの一つとして、本当にこんな話もあったんだろうな、と思わせてくれるような作品でした。限られた登場人物なので、それぞれとても丁寧に描かれていて、ストーリに込められた想いをすべて理解できたかどうかはわかりませんが、この監督のとてもパーソナルな想いがこめられた作品であることは伝わってきましたし、作品の雰囲気から伝わってくる、一種魔法のような別世界の雰囲気が、登場人物を通して最後あふれ出てきて、涙や暖かい気持ちや、短い時間であるのにそれも感じず気持ちが揺さぶられました。「侍タイムスリッパ―」の冨家ノリマサさんはここでは全く違うタイプの役で、最後の方の柔らかい笑顔が忘れられない、何日たってもボーっと思い出してしまう映画です。
夢オチ!
地元がピックアップされていたので観ました。
地元がロケ地だったりすると、映画を観るきっかけができていいですね。
俳優さんの演技、素晴らしいと感じました。
以下、いつもなら脚本構成勉強用ですが、今回はまず感情で書きます。
たった1時間の映画なのに、イライラが溜まる映画でした。理由を考察。情報の小出しと、噛み合わない論理が原因でした。主人公と親子、タクシー運転手の同僚が死んでいるなぞなぞのために、こんな演出を見せられて苦痛でした。なぞなぞいらない。地元の当事者からすると、震災の犠牲者をなぞなぞにするな。ただ感動させる演出のために、なんでこんな映画作ったの?シーン思いついたから作ってみたの?酷いよ。あんまりだよ。
構成考察
◯オープニングイメージとエンディングイメージ、合ってません。だったら最初から、主人公の娘さんを登場させて悲しませるシーン作ってください。これでは最後のシーンとの対比が成り立ちません。中が全て夢オチなら、せめて最初と最後は娘さんの成長の姿見せてよ。
◯娘さんが最初タクシー待っていた理由づけ、ちゃんと話してください。夢オチならなんでもいいのは間違いです。
◯すべて夢でした。最初の主人公のタクシー乗ってるシーンも、この進んでいく物語も。これですべて片付けられる。考察必要ないか。
海から帰還した写真
映画の評論はみなさまにお任せします。
これから見に行く人は以降、
読まないでください。
本編では伏線回収に頭を巡らせながら涙うっすらという感じでしたが、エンドロールでの写真に涙腺大崩壊でした。
1枚1枚、裏側も見せながら…。
そこに何かが書かれているわけでもないのに、1枚ごとに違ううっすらとした汚れにまた涙です。
あとはもう…
言葉にならないです…
伝えたいことの本質
主人公みずき(岩田華怜)が父(冨家ノリマサ)と
交わしたかったコミュニケーションが軸。
きっとみずきは後悔の念を抱えたまま、
震災後も生きてきたのだろうと思うが、
父と会えたのは偶然?それとも狙っていたの?
ということは自分では解釈できなかった。
度々タクシー待ちの女性が現れると
伝説のギタリストたけちゃんが言っていたので、
この世界では有名だったのでしょうね。
だから、狙っていたとも考えられるかなと。
死後の世界がベースなため、
生者であるみずきが珍客だったと。
逆と思いこんでいたので、まんまとやられましたが、
私自身それなりの映画の本数を観てきたのにもかかわらず
まんまとひっかかる、お得なヤツだなと自分で思います。
みずきの公開の念が晴れつつも、
父自身も自分の死を思い出すことになった母子との再会も
震災後どうだったのかもハッキリして
きっと良かったのでしょう。
ミステリー要素はありつつも、基本はファンタジー。
短時間ながら、冨家ノリマサさんの演技を堪能でき
味わい深かったです。
ただ、期待を超えるほどではなかったため
この評価としました。
正解なんてない
展開は読める。よめるんやけど堪えきれないものがある。
短い映画やけど、それゆえに中身が詰まっている作品。あの日の出来事はあまりにも悲しくてやるせなくて…東北をただ遠くのテレビを通じて見ることしかできず。とてもとても辛い。津波の映像は怖くて見られない。
こういった作品が大きなスクリーンで全国規模で上映されるようになっているのは、日本映画の常識も変わりつつあるんかな。GAGA配給は驚き。制作費とかキャストの有名さとかそういったものに頼らず口コミとか評価で広まっていく作品はすごいなあ。侍タイムスリッパーもそうやけど。
先日、東電からの追加賠償が決まったとニュースで見た。忘れたくてもその日が近づくとニュースなどで特集が組まれる。忘れないという気持ちも忘れたいという気持ちもどちらも尊重しなければいけないと思う。あの日の出来事を忘れてほしくない、存在していた人たちを覚えていてほしいという人もきっといるやろうから。どちらが正しいか正解なんてないと思う。みずきは忘れてはいけないという言葉が呪縛になって彼女自身を苦しめていたけれど、忘れてもいいんだよと優しく語りかけるシーンがとても印象的やった。
この映画もまた観客が一体化する一瞬があった。これは映画館でしか体感できないことやなあ。昨日に引き続きいい映画を観たなあ。
あれから10年後
主演の人、すごいどこかで見た顔だぞ??
と思って気になってたんだけど、侍タイムスリッパーの敵役(と言うか)の方だったのか。
レビュー書くために配役見てスッキリしました。
東日本大震災での出来事と、その時の心の傷を抱えたまま生きている人たちの話。
タクシー運転手の中年男性。
妻を亡くしており娘とはギクシャクしている様子。
同僚からタクシーの怪談ド定番、不審な乗客の話を聞いたその日にズバリその条件に当てはまる客が。一体この乗客とは?
という体で始まるけど実際は主人公自身が…などんでん返し。
車はあるし同僚もいるし本人が死んでるパターンでは無かろう、と思ってたんだけど、冒頭で同僚のタケちゃんがドアを開けた様子もなくいきなり車内に現れたかのようにコーヒーを渡す様に違和感を感じていたのを思い出した。仕掛けられていた。
生者と死者の思いが交わり合い通じ合い、というファンタジー作品と見せかけて、要するに「全ては娘が思い出の浜で見た夢だった」って事でいいのかな?
子を持つ親としては子供にあんな思いをさせないようにしたい、とは思いました。
そう言えば
「タケちゃんにお願いしたいことがあるんだけど」
と主人公が言っていたけどあれはなんだったのだろう?見逃したのかなんなのかちっともわからないまま話が終わってしまった。
忘れないことと忘れること
1時間という長さのクラウドファンディングで作られた映画、との情報だけで観た。だからと言っては失礼だが、見事なCGや粗のない美しい映像、豪華なセットは期待していなかった。それは当たっていたと思う。
海を映し始まる物語。予備知識なしだったが扱うテーマは3.11かな?となる。それも外れていなかった。
二人の男性タクシー運転手の夜の会話。夜遅くあそこを走ると出るぞ、と。それに笑い発進した遠藤は予言が当たったように一人の女性を拾う。続いていきなり飛び出し、父が待っていると乗る母娘。同時に遠藤は最初の女性が娘であるみずきだったと知る。
みずきと母親の会話でああこの人は、もしかしたら子供もと分かったがそれ以降の展開は予想を超えていた。感情が混乱し、心で泣いた。
私は3.11を忘れまいと思っている。それはきっと私が覚えていられる人間だからだ。福島県に親戚がいた。その町に住めなくなり出て行かざるを得なかった。新しい地で生活を始めたがもう高齢となり、町に戻ることはないだろう。そしてこの映画のロケ地となった仙台市に友達が住んでいた。電気のない夜、友達とお母様に温められながら病身のお父様は逝った。
あの日を忘れたい。
みずきの言葉は衝撃だった。考えたこともなかった。親戚や友達がどうなのか、私は尋ねたことはない。
3.11だけではない。1.17や9.11。忘れてはならない日は多い。私はそれができる。でも忘れたい人達もいる。
あの日を忘れないという責任があると思っていた。私は一方的にしか見ていなかった。やはり戸惑っている。時間をかけて考えたい。
心に染みる温かい作品
震災を通して描かれた作品。
55分間の想いを乗せた乗車時間が
色々な心と交わり結ばれ濃密な時間になる。
本当は泣きたくて、甘えたいのに平気で
普通に振る舞うって……しんどいよね。
ずっと怖さや不安も抱えてるのに。
愛する人々を失った哀しみから、立ち直れず
止まった時間が再び動き出す奇跡の夜。
心から話せて良かった、会えて良かったね
思う。
最後の夜明けは泣けてきた。
心に染みる温かい映画でした。
意外と良かった、泣けた。
ミステリーな話しかと思っていたが、ある意味ヒューマンドラマの作品かと思う。私にとっては、知らない役者さんばかりの主演作品だが、感動しました。特に、娘のみずきが遠藤(←父親、タクシードライバー)に過去に書いた手紙を読むシーンは、グッスン。(後ろの方の客席からもすすり泣きが…)ストーリーも良かったし、上映時間も60分足らずだか、意外にも良い作品にめぐりあえたことと、自分が60年以上生きてきて、今まで知り合いや身内を事故や災害等で突然に亡くした経験がないことに感謝しなければと思う。
いまだに特別視される違和感を持っているのは、そこにいた人だけではないと思う
2024.10.22 アップリンク京都
2024年の日本映画(55分、G)
東日本大震災から10年後の宮城を舞台に、タクシー運転手と奇妙な乗客を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は堀江貴
物語の舞台は、東北のとある町(ロケ地は宮城県宮城市)
タクシー運転手として生計を立てている遠藤(冨家ノリマサ)は、同僚の竹ちゃん(谷田真吾)から「ある乗客」についての噂話を聞かされた
それは「幽霊ではないか」というもので、遠藤はそんなものがいるはずもないと相手にしなかった
ある夜のこと、遠藤が街道を走っていると、目深に帽子を被り、大きなサングラスとマスクをした女性(岩田華怜)が手を挙げていた
彼女は「浜町まで」と言い、遠藤はこれが噂の女性だろうかと訝しがった
浜町に向けて発進しようと思った遠藤だったが、今度は無理やりタクシーを止める女(長尾純子)と遭遇する
女は娘・こころ(畠山心)と一緒に祖父(大日琳太郎)の家へと連れてほしいという
そして、その行き先は「謎の女性と同じ浜町」だったのである
映画は、震災の時にその場におらず、家族が犠牲になった人の視点で描かれていて、それがどちらなのか、というテイストで進んでいく
女が幽霊なのか、それとも?という感じだが、女が遠藤の娘・みずきであることがわかった段階で察する感じになっていた
55分の本編なので、あっち行ったりこっち行ったりとか、話がさらに深刻になるとか、回想シーンが登場しまくるということはない
母娘と遭遇した時点で、その場での会話劇に移行し、全てが完結してからその場所から離れられるという感じになっている
それが「意味のある場所」だとは思うものの、そこは察してね、という感じになっていた
驚いたのは竹ちゃんの予後で、震災と言っても色んな被害があったことが窺わせる
全てが津波に飲み込まれたというイメージを持ちがちだったが、もちろんそんなはずはないので、彼の理由が想起の中に入り込むことができたのは良かったことなのかな、と感じた
いずれにせよ、あまりネタバレは見ない方が良い作品で、ロケ地が現地なので「今」を垣間見ることができる作品だった
10年経っても何かあるごとに「忘れないでください」というメディアを見ていると、そこに心はあるのか?と思ってしまう
他の映画でも、震災の時期に起こったリアルを描くたびに配慮をしなければならないことの方が異常のように思える
そういったものが絡まない人も場所もたくさんあるし、当事者にも色んなケースがあるので、イメージ語りがレッテルになるのは良いことではない
そう言ったことを再認識する上で、本作には一見の価値があるのではないだろうか
その時どうするか、その後どう生きるか
予告を見た時から、想像していたので驚きはなかった。ただ、こちら側にいるのが、この人だったとは…私もシックスセンスを思い出した。
あの大震災は、強烈で今でもはっきり覚えている。会議をする直前だった。職場の40人ほどが、テレビを声もたてずに見入っていた。これは現実なのかと。大川小学校のことも後でしり、どうすればよかったのかずーっと考えていた。
昨年、東北学院大学/金菱清著「呼び覚まされる霊性の震災学」を読んだ。大学生によるルポをまとめたものだが、信じられないことが起こっていることを知った。
そんなことを思い出しながら、この映画を見た。改めて、その時どんな行動するか、またその後どう生きるかを考えさせられた。
誰の上にも起こり得る災害。自分事にして、生きていきたい。
ホラーではなくヒューマンドラマ
ホラー系ミステリーのように紹介されているが、作品名や舞台となる地域、序盤の台詞などから簡単に真相を推測できるようになっている。
本作は観客を驚かせることではなく、被災者家族の苦悩を描くことを目的としてつくられているように思われる。
世間が毎年何らかの追悼を行っているなかで、震災で父親を失った主人公の「毎年この気持ちを思い出すのが辛い」という台詞には重みを感じる。
動員数を増やすための戦略なのかもしれないが、予告動画ではもう少しミステリー色を薄めたほうが良かったのではないだろうか。ミステリー作品を期待した観客は肩透かしを喰うと思われる。
予想の向こうにある気持ちの波
震災後は「その人たち」をよく見かけたし、普通にさまよっていたみたい。
よく聞く話です。時間が経ち、こんな話もあまり聞かなくなったけど…(でも、地震や豪雨は発生しているわけで…).
そして、それでもいいから会いたいという人たちがたくさんいる ということも.
突然、自覚する間も感じる間もなく、そこでぷつりと途切れてしまった……
そういう人達の気持ちは、その場所の風景に溶け込むんでないか……ラストの打ち寄せる波を見ていて、ふと思った.そういう人達の気持ちも,突然喪失してしまった我々の気持ちも…
(突然自覚なくいなくなった人たち、広島や長崎や……、他にもいろんな場所に、きっといる)。
それにしても、少し頑固で表現ベタで…,そして,いつも娘のことを思っている優しいお父さん…,はげましてやるお父さん…
冨家ノリマサさんの仕草、声も笑顔もぴったりだった.
コロナで上映延期になったりしたそうで,結果,『侍タイムスリッパー』と時期を同じくして公開された.
おかげで、冨家ノリマサさんという素敵な俳優さんを知ることもできた。
こんなささやか だけど、素敵な偶然にも立ち会えて嬉しかった。
いや…,偶然ではなく必然ですね.
最期の忘却
「衝撃と感動」なんて煽ってあるが、粗筋から想像した範囲はまったく超えない。
致命的なのは、みずきの「私、死んだの?」という台詞。
これにより予想は確信に変わってしまい、“誰”が“どっち”かもここでほぼ察せてしまう。
台詞としては「お父さん!?」「なんで!?」くらいで十分だったのでは。
サスガにもう一捻りあるかと思ってたのだけど…
驚いたのは、親子を拾った場所から動かず終わったこと。
車を走らせながら、会話したり寄り道したりする流れだと思ってたので、これは相当な低予算では。
演技もヒドくはないが平凡で、見どころは終盤に冨家ノリマサが見せる滋味深い声と表情くらい。
これ系の作品を観たことがなければ別だが、あまりにベタベタで逆に驚いた。
みずきはリストカットによる臨死であそこに居たのかと思ったが、そういうことでもなく。
顔を隠していた理由も結局なんだったんだろ。
タケちゃんへのお願いも結局分からず。
震災遺族に『あの日を忘れない』的なフレーズを否定させたことだけは新鮮だった。
無理じゃない。だって、お前はまだ生きているじゃないか。
2024年映画館鑑賞91作品目
10月13日(日)イオンシネマ石巻
特別料金1600円→dポイント−300円
監督と脚本は仙台出身ニューヨーク在住の堀江貴
大どんでん返し
浜辺でのみずきの夢オチ
みずき以外の登場人物は震災によって亡くなった人たち
現場は仙台市若林区荒浜地区
この世じゃない人が怪談話するっても随分滑稽な話だけど
配役
上京後仙台に戻ってきた遠藤みずきに岩田華怜
みずきの父でタクシードライバーの遠藤に冨家ノリマサ
遠藤のタクシードライバー仲間のたけちゃんに谷田真吾
幼女のこころに畠山心
こころの母に長尾純子
足が不自由なこころの祖父に大日琳太郎
with伝説の男
港町の駅の終電後、不穏な女性客を乗せたタクシー運転手の話。
浜街道で大学生ぐらいの女の子を乗せ、浜町までと言われて到着すると…という噂話を聞かされた運転手が、実際に浜街道を走っていると…というストーリー。
あれから10年後の字幕で始まり東北の駅前で客待ちするタクシーということで、ちょっとお察し。
そして乗せた女の子、フードにサングラスにマスクフル装備で年齢なんかわかりませんがな(´・ω・`)
そして今度は飛び出しマダム…謝罪も礼もなしですか?
誰が?というところはあるものの、なんとなく話しはみえる訳で、そういう意外性はあんまりないし、だとしたら…のツッコミどころとか有耶無耶に流されてしまっているところは結構あったけれど、明かしてからの話しも悪くないし、なかなか面白いファンタジーだった。
いい映画だけど、kino cinema でかけるのがそもそもの間違い。
kino cinema は横浜みなとみらいと、天神にしか行った事はないけど、横浜みなとみらいに限って言うと、横浜駅から、みなとみらい線に乗り換えるんだけど、深い地下にあるからホームに行くまでが長いし、
快速では通り過ぎてしまうから、普通に乗らないといけないし、みなとみらい駅から映画館までは地味に遠い。
ここまでして、映画を見に来るのは映画マニアしかいない。天神では、あの大傑作デッドストリームもかかっていたけど、話題にならなかったもんなぁ。
一階には早く開店する本屋とスタバはあるけど、ここのスタバにはスタバwifiが無い。wifiが無い喫茶店って、クリープを入れないコーヒーと同じじゃない?( 森永乳業さん、そろそろクリープちょうだい)
ヒット作、侍タイムスリッパーを上映した、池袋シネマ・ロサではかかっているけど、横浜はkino cinemaだけど、ここは一発勝負をかけて川崎チネチッタでかけてみては如何でしょうか?
自分が殺した人達を冷蔵庫に保管して、コンプリートしたら、その死体を一軒家に組み立てるという、イカれた映画、ハウス・ジャック・ビルドをかけた映画館ですぞ?
こんなチャレンジャーが運営している映画館なら、かなり集客できる筈。この船に乗らない選択は無いぞ?
え?失敗したら?そのときゃ、俺は知らんぷり!( by.江口寿)
さて、長い前置きはさておき映画の内容だが、
映画冒頭、
あれから10年
と、テロップが表示される。
え、どれから?
俺、何か見逃した?
と、思うが、察しがいい人ならすぐに察しはつきます。
とある港町、駅付けしているタクシー運転手が客待ちで停車している。最近は地方でも、ジャパンタクシーか、プリウスのタクシーが走っているのに、主人公が乗っているのは今では見かけないフェンダーミラーのセダンタクシー。これは後の伏線となる。
主人公のタクシーの後部座席から、コーヒーが差し出される。渡したのは同僚のタクシー運転手。
同僚は、幽霊を乗せたタクシーがあるから気をつけろと進言する。んなわけねーよ?と答えた主人公がタクシーで走っていると、夜中なのにサングラスかけて、マスクをしてパーカーを被った女を発見。
この女が幽霊か?と思いながら、走るタクシー運転手。暗い道を走っていると、突然正面に女の子を連れた母親が飛び出してくる。
すんでの所で、止まったが転んで怪我をしてしまったようで、幽霊かもしれない乗客と行き先が同じだという事が分かり車を走らせようとするが、車が故障して動かなくなる。
今回は、途中で話しは飛ぶけど、タクシー運転手あるあるで客から聞かれるのは、
「 運転手さん、タクシー運転手って稼げるの?」
って、よく聞かれます。今はなくなってしまったけど、東京と横浜でタクシー運転手になるには、二種免許と地理試験が必須でした。
この地理試験が曲者で、東京中の美術館、TV局、役所、警察署、美術館、学校などの主要施設の場所と、幹線道路の名称、高速道路の名称、交差点、挙げ句の果てに交差点の並び順などを覚えなければ合格できないのです。
この地理試験に受からなくて、タクシー運転手を諦める人もいるくらいでした。
今はタクシーセンターで2日講習を受けて二種免許を取ればなれます。都内の地理に詳しくなくても、GOアプリが自動的に行き先をナビしてくれるから、問題無し!トーシロの俺でも月100万は売り上げがあったんだよ?
あと、タクシー紹介会社だけど、ジョブイントルダクション、youtubeでタクシー屋さんと検索して、野口さんに相談しましょう。とことん、つきあってくれます。
もう一つ、タクシー紹介会社があるけど、これから貶すので名称は自粛しますが、ここはタクシーで稼げるテクニックを教えてくれるという事で、行ってみたら、そのテクニックというのが、
曲がり角にある一本道の手前で停車して客が来るまで動かない!
って、ドヤ顔で発言して悦に得ているのを見て心のシャッターががらがら音を立てて降りました。
あとねー、
「 運転手さん、幽霊とか怖い経験ありますか?」
ってのも、よく聞かれます。
そのお客様は団体で、早朝に渋谷から移転する前の築地に行くお客様で寿司食いに行くって言っていたので、
空気読んで、お風呂場に沈んだまま一週間が経っていたご遺体を引き上げた時に腕を掴んだら、皮がずるっと剥けた話しをしました。さぞかし、食欲がなくなったに違いない。けけけけけけけけ。
話しは戻るが、停車中に幽霊だと、思っていた女は実は自分の娘だった事が分かるのだが、こんな偶然あり得ないよ?って、思うでしょ?
あるんだよ?それが。俺がタクシー運転手をやっていた時に遠くへお客様を送った帰り、弟が住んでいる区を通りかかった時に、
ふと道路を見るとチャリで自宅に帰る弟を発見して、携帯に電話して呼び止めて、弟の携帯でジャパンタクシーをバックに記念写真を撮りました。これって天文学的な確率だよね?
で、ころころ話しは戻るが、タクシー運転手のお父さんは何とか、冒頭でコーヒーをくれた同僚のタクシー運転手に来てもらう。車を見てもらうが、どこも故障しているところは無いと言われる。
運転手は、飛び出してきた母親に聞かれる。
「 運転手さん、貴方が最後に乗せたお客さんは誰ですか?」
運転手は営業記録を見る。最後に乗せた客?最後に乗せた客は...。
と、ここからは演劇集団キャラメルボックスの芝居でやりそうな感動する展開が待っています。シネフィルだったら、察しがいいから途中で気づきますけどね。いい話しですよ?
惜しい点は、父親特製の卵焼きが入っているおにぎりを食べる描写が無い所。ここは、山口馬木也に、おにぎりを食べて欲しかった( 違う映画だし)
あと、卵焼き入りのおにぎりって字面を聞いてもあまり美味しそうに思えない。卵焼きおにぎりのアドバイザーは2人もいたんだから、ちゃんと考えよーぜ?
卵焼きはおにぎりに添えるもの、左手は添えるだけ。
50分の上映時間だし、上映している劇場も多いから、お時間がある方は是非鑑賞することをお勧めします。うん、この映画はいい映画だ!
優しい気持ち(11月1日追記ネタバレあり)
あの災害からの物語なので面白いとか楽しいとかではないのはあたりまえですが
鑑賞後は爽やかな朝を迎えた感じでした
そして温かな気持ちになります
鑑賞後にGAGAによる作品の公式HPのスタッフ紹介の「監督メッセージ」を読んであらためて胸が熱くなりました
登場人物が少ないのですが皆さんいい感じです
父と娘なんてだいたいあんな感じかと
(追記ネタバレ)
この作品簡単に説明すると2年前公開の「天間荘の三姉妹」(上映時間150分)をギュッと凝縮して55分にまとめたような感じ
父はともに震災で亡くなり天界?と現世?の間でタクシー運転手をやっていて、生と死の間にやってきた娘(たまえ、みずき)を乗せる
結果的に「たまえ」も「みずき」も家族や仲間に生かされて生きていくこととなる
本作の「たけちゃん」は「イズコ」の役割を担って「みずき」さんを現世に戻した
以上、勝手な解釈です
どちらも好きな作品です
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