最後の乗客のレビュー・感想・評価
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そしてあの日から13年。
上映時間55分の自主制作作品。あの日から10年。東北の海沿いの街を舞台にした一夜の物語。忘れてはならない、風化させてはならないという強い思いの反面、その言葉にがんじがらめにされる残された者の苦しみを描く。
今まで幾度となく使われてきた手法で新しさはないけど、あの日日本にいなかった東北出身の監督の複雑でやるせない想いが伝わってきて観て良かったです。自分の名前が刻まれた慰霊碑。受け取る相手がいない手紙。あの日最後の乗客。
2011年3月11日。きっと東北の至るところであのような光景が実際にあっただろう。知らない人の車に乗せてもらった人。知らない人を自分の車に乗せた人。毎年やってくるあの日をそれぞれの想いで受け取り、生きている人の時間は進んでゆく。そしてこれはこの日本に住む限りいつかきっと自分が当事者になる話でもあると改めて思い知らされた。
救われる人がひとりでもいるのなら…
多くの想いのひとつとして
毎日の積み重ねた日々に
突然訪れたことに対して
時間の経過に追いついていない
想いをひとつを垣間見ることができました
たくさんの想いがそこにあるのでしょう
その時から
ほんの少しだけでも自分の中に
取り込めたカタチをを映画で
見れて良かったです
あの日あの時あの場所で
手紙を書こう
タクシードライバーの男性が、夜中に不思議な若い女性と親子を乗せるが車が動かなくなり…そこで話すうちに思いもよらぬ真実が明かされ…といった物語。
題材は何かわかっていたし、そこからの夜中に現れるという若い女性…とくれば、結末は粗想像がつくし、あとはそれが誰なのか。ドライバー?娘?親子?或いはタケちゃん?…の考察になっていくと思ったが。
想像以上に胸が締め付けられる作品。
ロケーションも良いですね。ちょっと先に大きな通りがあるのに、世界の何処かに取り残されたかのような寂しさ、侘しさを感じられる場所。この雰囲気すごく好きです。
成程、東京にいた以上、完全な当事者でないワタクシなどからすれば「あの日を…」となんとなしに言ってしまいがちだが、忘れたくない人、忘れたい人、あの時自分も…と思う人もいるのだな。
改めて、当事者の本当の気持ちに寄り添うことが大切なのかなと思わされた。
そして、最後タケちゃんにお願いしたことってなんだったんだろう。鈍感な私には気付けなかっただけ?
兎に角、淋しげな雰囲気が織りなす、哀しくも温かい掘り出し物作品だった。
無理じゃない。だって、お前はまだ生きているじゃないか。
2024年映画館鑑賞91作品目
10月13日(日)イオンシネマ石巻
特別料金1600円→dポイント−300円
監督と脚本は仙台出身ニューヨーク在住の堀江貴
大どんでん返し
浜辺でのみずきの夢オチ
みずき以外の登場人物は震災によって亡くなった人たち
現場は仙台市若林区荒浜地区
この世じゃない人が怪談話するっても随分滑稽な話だけど
配役
上京後仙台に戻ってきた遠藤みずきに岩田華怜
みずきの父でタクシードライバーの遠藤に冨家ノリマサ
遠藤のタクシードライバー仲間のたけちゃんに谷田真吾
幼女のこころに畠山心
こころの母に長尾純子
足が不自由なこころの祖父に大日琳太郎
おとーさんはつらいよ
真摯な作品に人は感動する
「侍タイムスリッパー」での好演が記憶に新しい冨家ノリマサさんが出演されているということと、東日本大震災にも触れるお話しでもあるので、宮城県民として観たくなりました。
やはりあのサイレンの音は、聞くだけで心がえぐられる思いがする。あの日あの時、家族が心配で心配で、仕方がなかった人が大勢いた中で、どのくらいの人たちが無事に再会することができただろうか。そこまで複雑な脚本ではないけれど、シンプルだからこそ伝わるものがあるし、海外で賞を獲ったのはそこが響いたんだと思います。物語を注視していれば節々にサインがたくさんあるので、私は彼女の初めの方の台詞で「あ〜そういうことか」と早々気づいてしまいましたが、一緒に行った母は驚いていました。
短編で出演者も少なく如何にもミニシアター(自主映画)の雰囲気そのままでしたが、真摯に描かれた作品に良い余韻に浸りました。娘さんの最後の顔が凄くいいですね。そして冨家ノリマサさんの笑顔にも、ますます好きになりました。
東日本大震災。。
東日本大震災がテーマで、宮城県が撮影地だったんですね。
ほぼ、予備知識無しで見に行ったので、見ていて気付いた。
最初は福島県での話かなと思っていると見た事のある駅が出てきたし。(荒井駅)
実は、この映画の予告を映画館で見ていたのを覚えていた。
一瞬見ようか考えたけど、その時は時間が合わず見る事はなかった。
その映画館とは今年3月末で閉館したチネ・ラヴィータ。
チネ・ラヴィータの単独上映から始まって、世界で様々な映画賞を受賞して日本での凱旋上映。
そして、日本全国での公開、凄い話ですね。
映画を見る前はこんな話もまったく知らなかった。
終盤、見ていた観客を裏切る事実が分かる。
この一つの裏切りで、グッと映画が良くなったと思う。
東日本大震災で亡くなった人々の無念さが見ていて伝わってきた。
震災当時、仙台で働いていた私、当時の事を思い出しましたね。
約一週間電気が止まり、都市ガスだったため一か月近くはお風呂に入れなかった。
毎日レトルト食品を食べながら、会社に行って後片付けをしてました。
しばらくして、神戸市と背中に書かれたツナギを着た人達がやってきてガスが復活した時にはホント嬉しかったのを覚えている。
私の直接の知り合いが死ぬ事は無かったけど、知り合いのご家族が亡くなったり、仕事でお世話になった工場で働いていた方が津波で亡くなったという話は何度か聞いていた。
そんな記憶もあったので、亡くなった方達の無念さを感じ、当時の事を思い出したんですね。
主演の冨家ノリマサは、前日にmovix仙台で見た『侍タイムスリッパー』にも出ていた。
この映画も自主製作との事。
監督、カメラマンも宮城県出身。
主演の女の子も元AKBで宮城県仙台市出身。
宮城県に住む人には是非見てもらいたいですね。
今年は『ぼくが生きている、ふたつの世界』も宮城が舞台だったし、宮城の映画シーンが盛り上がってますね。
東北大震災をテーマにしたファンタジー 。記憶を風化させない、そして広く世界に知らせることも映画の役目。
ハシゴのついでに観るつもりがこっちがお目当て作品だったりして(笑)
with伝説の男
港町の駅の終電後、不穏な女性客を乗せたタクシー運転手の話。
浜街道で大学生ぐらいの女の子を乗せ、浜町までと言われて到着すると…という噂話を聞かされた運転手が、実際に浜街道を走っていると…というストーリー。
あれから10年後の字幕で始まり東北の駅前で客待ちするタクシーということで、ちょっとお察し。
そして乗せた女の子、フードにサングラスにマスクフル装備で年齢なんかわかりませんがな(´・ω・`)
そして今度は飛び出しマダム…謝罪も礼もなしですか?
誰が?というところはあるものの、なんとなく話しはみえる訳で、そういう意外性はあんまりないし、だとしたら…のツッコミどころとか有耶無耶に流されてしまっているところは結構あったけれど、明かしてからの話しも悪くないし、なかなか面白いファンタジーだった。
誠実で前を向いた映画
わずか55分の小さな自主映画
優しい気持ち(11月1日追記ネタバレあり)
あの災害からの物語なので面白いとか楽しいとかではないのはあたりまえですが
鑑賞後は爽やかな朝を迎えた感じでした
そして温かな気持ちになります
鑑賞後にGAGAによる作品の公式HPのスタッフ紹介の「監督メッセージ」を読んであらためて胸が熱くなりました
登場人物が少ないのですが皆さんいい感じです
父と娘なんてだいたいあんな感じかと
(追記ネタバレ)
この作品簡単に説明すると2年前公開の「天間荘の三姉妹」(上映時間150分)をギュッと凝縮して55分にまとめたような感じ
父はともに震災で亡くなり天界?と現世?の間でタクシー運転手をやっていて、生と死の間にやってきた娘(たまえ、みずき)を乗せる
結果的に「たまえ」も「みずき」も家族や仲間に生かされて生きていくこととなる
本作の「たけちゃん」は「イズコ」の役割を担って「みずき」さんを現世に戻した
以上、勝手な解釈です
どちらも好きな作品です
あの日を忘れないために
もちろん泣いた。
何となく感じてた違和感の伏線が話が進むにつれキレイに収まっていくのが凄い。
毎日家族がただいまと帰ってくることが本当に奇跡なのはわかっているので、とてもしつこく毎朝気をつけてねと声をかけてしまう私には、とても沁みるお話でした。
そしておにぎり。
食べ物くれるって愛だよなあ。
アフタートークで、この作品は宮城に関係のある方が沢山関わって作られたとのお話をお聞きしました。
監督は震災から5年も経つと、住んでいたNYでは風化されつつあったことを思って、この作品を作ろうと思われたとのこと。
主演のみずき役の岩田華怜さんは、震災当時12歳だったそうで、世界の終わりを感じるほどの体験だったそう。
とても地元の方に助けられて作られた作品とのことで、なんか温かさみたいなものは映画を観てる中ずっと続きました。
岩田華怜さん、全部の質問にとても丁寧に的確に答えていて、あーこの子賢いなと思って観てました。
ストーリーの展開がとても面白かったので、ミステリー仕立て?なのもあり、泣けるけど最後まで楽しめました。
風化させてはならない
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