遠い山なみの光のレビュー・感想・評価
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万人受けはしないと思う
広瀬すずが年数たち、吉田羊になっているのを理解するのに 顔が似てないから時間がかかってしまいました。
難しい映画なので 軽い気持ちで見た方が低評価なのもよく分かります。
個人的には好きです。
最後くらいスッキリ終わって欲しかったけど原作があるなら仕方ないのかなと。
役者陣は良いが、それ以外が残念
さっき書いたのが消えたので短めで
不思議な感じ
原作は未読です。
舞台は1980年代のロンドン。
長崎から移り住んだ母悦子と久しぶりに実家に戻った娘ニキ。
この2人の会話と母の過去の回想が繰り返される。
その回想にどこか違和感を覚える娘。
これは原作を読まないと理解し切れないな思った。
ミステリーとも言い切れない不思議な感覚。
終盤での描写は頭が混乱してしまった。
事件ではないので悦子の記憶を正す必要もなく何故悦子の記憶がそうなったのかは誰にも分からない。
レビューを書いてる今も何が本当で何が妄想なのか理解出来てない気がする。
要は消化不良なのだが不思議と不満はない。
人の記憶はその人に都合の良い心地良いものに少しづつ置き換えられていくというのは普通なのかも知れないと思うからだ。
この作品の評価は観る人によって大きく変わるだろうな。
広瀬さん、「すずちゃん」から「すずさん」に変わりましたね。
ミステリーのお手本!違和感で引っ張る巧妙な脚本と演出!
原作未読です。
80年代イギリス。戦後間も無く英国に渡った女性が長崎に居た時代の回顧録をめぐるミステリーです。
人の記憶はそもそも曖昧なもので、当人にとって都合よく美化されたり補完されたり、時に改変されたりすることもあると思います。それらの曖昧さを軸にミステリーは巧妙に組みあげられております。
また印象的だったのは、広瀬すずさん演じる若き日の悦子が活躍する長崎時代の回想ですね。まあ、大変清楚で美しいってのが前提の高評価でございます(笑)。
その中で、本来見えない細部を何度もフォーカスしてみたり、また重要と思われるシーンを意図的にブラインドにして観客に見せなかったりする独特な演出が施されておりました。効果的な背景音楽も手伝って不穏な雰囲気、違和感みたいなものが浮き彫りになる演出は、ミステリー以上、ホラー未満という感じで私は、スクリーンに釘付けになりましたよ。
ただ、回想に出演する男性が小さい子供含めてことごとく「愚か、もしくは粗暴」なのは悦子の偏ったアイデンティティが原因なのでしょうか。なにかそこだけひっかかってます。
中高年の男性の私にとってはそれが一番の違和感で、今も引きずってます(笑)。
では。
自由に生きることは難しい
分かるのよ、私たちはよく似てるもの。あなたもあの日あそこにいたんでしょ?
秘密がわかっても難解
原作読まずに
余韻に包まれる芸術的な映像美
◇合わせ鏡の中の私はあなた
ノーベル文学賞作家カズオイシグロの優しい語り口が好きです。特に、映像化された『#日の名残り #TheRemainsoftheDay 』、『#わたしを離さないで #NeverLetMeGo 』は、小説も映画も私にとって思い入れ深い作品です。
カズオ・イシグロの小説は、曖昧な記憶や思い込みを通して人間の弱さやすれ違いを静かに描くのが特徴です。登場人物の心理を投影するような風景の描写が映像向きなのかもしれません。
彼の最初の長編小説である『遠い山なみの光』も、母から娘へと語られる回想劇を装いながら、記憶の構築過程そのものを提示しています。映画でも、記憶がいかに不安定で、現実と虚構の境界がいかに曖昧であるか、静謐な映像と余白の多い構成で巧みに表現しています。
母親が娘に語る物語には、自分ともう一人の女とその娘が登場します。1980年代のイギリスと1950年代の長崎という時空を越えた合わせ鏡のような物語構造。鏡の中にいるのは、過去の自分という他者なのです。
記憶によって成り立っている自分という意識の連続体。その自我の根幹を成す記憶の中身が、無意識に潜む罪責やズレを含んでいることを知らず知らず隠蔽しようとするものです。
そんな人間心理の有り様を考えながら、物語を“追う”のではなく、語り手の心の深層をさまよう体験へと誘われているように感じました。気がつけば、語り手の意識の合わせ鏡の中に、私自身の自我も写り込んでいるような、自分自身の意識と記憶を解体再構成しているような奇妙な感覚に覆われます。この映画は意識の深淵を覗かせてくれるようです。
気合の入った力作、完成度の高い作品
広瀬すずの美麗さと存在感に終始見惚れる!
原爆を投下された長崎で戦後を生き抜き、その後、渡英したひとりの女性・悦子の半生を、彼女の口述から悦子の娘・ニキが綴っていく。
長崎時代に知り合った謎の女性・佐知子、その娘・万里子、そして悦子の夫・二郎などが登場して、長崎での生活が語られていくが、全体的にその生活を支える人間模様が謎めいており、ひた隠しされた「何か」が見え隠れして不穏当な雰囲気が漂う。そして終盤、その「何か」の正体が明かされて──。
うーん、お恥ずかしながら今ひとつ理解できないまま上映終了。「何か」はわかったものの、そこから生じた真実が何を指し示すのかが、よくわかっていない模様。
多分に戦後長崎の歴史的背景とその文脈を、私が知識として持っていないからだろう。ひとまず解説レビュー等を見て知識を補完したうえで、サブスク化したら改めて鑑賞したいと思った次第。
追記)
ふと思い至ったことがあったので追記。
吉田羊(悦子)の回想は、二つの時代を混ぜ合わせての嘘を構築していたのか。
子を産む前の広瀬すず(悦子)と、万里子(景子)と二階堂ふみ(佐知子/悦子)母娘。被爆した者としての差別に遭いながら果敢に生き抜き、渡英に漕ぎ着いてようやく幸せを掴みかけたが、景子の自死が大きな影を落としている。
回想での、広瀬すず(悦子)が万里子に優しく接している様は、後悔の念だからだろうか物悲しく切ない。
時代の変化がもたらすもの
美しい映像は薄く弱い灯りの下描かれていて、くっきりとしない輪郭の描き方が後に見せるストーリーの行方を暗示するように、強い感情を描いているのに敢えておぼろげに映しているかのようだった。
二人の女優の作り込んだ演技が素晴らしい。長崎で窮屈な思いを抱きながら生きている戦後の女性をしっかり演じている。
クライマックス近く、あっけに取られる事になるのだが、原作未読のため、映像ではなく原作ではどのように描かれているのか興味が湧いた。戦後日本は常識も正義も変わり、被爆地域はさらに被爆者を見る目もあり閉塞感から逃げ出したいと思う人もいたのだろうと想像。忘れることが出来ない過去を生き、それでも将来を生きるために皆必死だったに違いない…思いを馳せる最後だった。
3人の女優がいい演技
原作者のカズオ・イシグロがノーベル文学賞を取ったことは知っていましたが読んでおらず解釈が間違っているかもしれませんが心に残るいい映画でした。
原爆のように衝撃的な出来事による喪失体験、罪意識、恐怖で人間を一生苦しめる。その苦痛に耐えられず空虚感を抱えてしまう。それとは真逆に人生を前を向いて生きようともする。絶望と希望の葛藤を広瀬すずと二階堂ふみ2人の女優が見事に見せてくれていて、さらに葛藤の先の未来を吉田羊が英語で演じていてこれがまた素晴らしい。それぞれがその内面にあるものをしっかりと表現できていたように思いました。良いキャスティングでした。ニキが姉や母に対して不信感、疑問を持っていたが最後に希望を持って生きていけそうでほっとしました。
今世界では各地で悲惨な戦争、紛争が起きています、命をぶつけ合って戦い死んでしまう人がいて、生き残った人々の心の中に悲しみ、苦しみ、憎悪など様々な形でずっと残ります。戦後80年の今、忘れてはいけないことをあらためて思いました。
うっすらと見えてくる、希望のようなもの。
映画「遠い山なみの光」を観てきました。原作未読だったのでかなり戸惑った。ストーリーの重心が意図的にずらされ、感情移入しにくい作り方。むしろ、観客に安直な共感を許さない、そんな意志を感じたよ。たぶんそれでミステリー扱いされたんだろうけどさ。
いつも思うけど、過去と繋がっていない未来なんてない。でもどこまで囚われるべきなんだろう。答えのない世界。さておき。
広瀬すず、二階堂ふみという当代きっての演技派のやりとりは、ひりひりして目が離せない。加えて吉田羊だ。リアリティがすごかった。蜘蛛や猫のエピソードが、物語に強い陰影を与える。とにかく、息を飲むようなシーンの連続です。これから観る人が羨ましい。だけど★★★★☆です。彼女をどうか許してあげて。
ストーリーは二の次、それよりも・・・
約25分の短編映画『点』をU-NEXTで観て衝撃的な感動を受けた、石川慶監督作品だけに、あの抒情的な静止画カット、光と影のコントラストの効いた画像、意味ありげな間、サスペンス的な不安さ、が長編でしかもロンドンと日本の交錯で観ることができると思い、観ました。
案の定、ストーリーは二の次、まさに映像と静止画の美、抒情さを感じられた映画でした。最後の辺りで、ストーリー的にはあれ??どういうこと??となって、エンドロールの間に考えをめぐらしても、わからないのまま、ジエンド(特に二階堂ふみ演じた女性は実物だっのか、主人公がみごもっていた子どもはニキだったのかどうか、怪しい年配女性は幻影だったのか・・・わからない・・・考えれば考えるほど矛盾するので、考えるのをやめました)。
石川慶監督作品に、ストーリーテリングは期待していなかったので、こうした映画になる可能性ありと思っていたので、まぁ、わからないままでもいいやってなってます。そうえば、私にとっての衝撃作品『点』は、ストーリー的なもの”何も起きない”(少なくとも表層的には)。
ストーリが知りたければ、原作読めばいい思う次第。それよりも、石川慶監督の静止画カット、映像美、カットつなぎの間、これは確かにこの作品にも息づいていて、単なるサスペンスストーリをつくる気はない、徹底的な感性へのこだわりを感じます。
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