「遠い山なみの光とは、被爆差別と苦しみの中、被爆母親が罪悪感に苦しみつつ生き抜いた証の回想録」遠い山なみの光 Earl Greyさんの映画レビュー(感想・評価)
遠い山なみの光とは、被爆差別と苦しみの中、被爆母親が罪悪感に苦しみつつ生き抜いた証の回想録
被爆差別と被爆による苦しみの中、長崎ではない渡英に一縷の望みをかける悦子が景子と共に将来の生きる道を見出すも、結果的に景子の将来を奪うことに至る悦子の罪悪感に沈む人生が、遠い山なみの光のように回想録として描き出される、重く辛く苦しい文学的作品。
鑑賞後の仮説(考察、分析)です。
①万里子は被爆者(←腕の痣)
②万里子が被爆者なので、母親の佐知子も被爆者
③佐知子=悦子なので、悦子も実は被爆者
(←悦子が佐知子に対し「私も隠していることがある」)
④子供の景子、妻の悦子共に被爆者と判明し、被爆者なので二郎に捨てられ?強制離婚
(←悦子「私が被爆してたなら、結婚しなかった?」 二郎「バカな事聞くな」)
⑤被爆した子持ち女性として生き抜くために娼婦を選択
(←米兵を連れ込む佐知子の話として登場)
⑥悦子、景子の母子ともに長崎にいても明るい将来はない、景子とともに悦子は渡英を決断
(←悦子が渡英した理由)
⑦現在も英国居住、ニキとの会話
<対峙/対比構造>
■夫婦関係
悦子(夫都合優先)vs二郎(自分都合優先)
■親子
二郎(遠ざける)vs緒方(近づく)
■生き方
悦子(光)vs佐知子(影)
悦子(離婚前vs佐知子(離婚後)
悦子(非被爆)vs佐知子(被爆←万里子の腕の痣)
■教師としての罪悪感
悦子(あり)vs緒方(なし)
■洗脳教育の過去
緒方(肯定)vs重夫(反省)
■殺人
連続殺人犯(少女絞殺)vs悦子(景子縊死)
佐知子(猫殺害)vs悦子(景子自殺)
連続殺人犯(絞殺ロープ)vs悦子(足のロープ←景子を縊死に追い詰めたメタファー)
猫(佐知子の他殺)vs景子(自殺)
(←渡英により結果的に景子を縊死に追い詰めた≒悦子による間接的景子殺害→罪悪感)
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