「全ての人間は心も身体も戦っている!」遠い山なみの光 Sashaさんの映画レビュー(感想・評価)
全ての人間は心も身体も戦っている!
この作品のテーマをものすごく考えた。
結論、こーなった。
テーマ ::原爆投下の実在とその回帰
つまり、イシグロカズオのご母堂の鎮魂歌(録)、且つ、自身への讃歌(録)
である。
図式で表すと、悦子>=景子=原爆投下の実在
である。
景子は悦子から見ると存在していた、?
しかし、それは景子が人物像として描かれていた。実は、景子は実際には人物では無く、原爆その物であった。(メタファー)
何故景子の部屋を見る事に、ニキが躊躇い、何故開いた部屋にも踏み込まないのか、
また、その部屋の中はかつて景子が勝ち取ったであろうピアノの賞🏆、たくさんの写真、
これらを総合してもシナスタジア的比喩として(原爆投下の爆撃音)を表しているかのようだからだ。
だからこそ、佐智子、万里子は、投影であって然るべき、景子も人間像では無い。
ただ、ここで映画の色彩においては異様なまでのホラー感が冴え渡る。途中から(悦子が団地から向こうのあばら屋を見つけた時から)の場面も美しい。
また、
[A Pale View of Hills], 直訳すると、(丘丘の青白き眺望)となる。決して未来への光を表しているとは思えない。いや、寧ろそうであるような表現の仕方、これは著者イシグロ氏に尋ねたい。それは、自己の過去への決別とともに未来への(人々への)迎合だったのか?それとも、
亡きご母堂の自らの決別だったのか?
それとも、事実はご母堂の目を借りてご母堂を悼んだのか?
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