劇場公開日 2025年9月5日

「全ての人間は心も身体も戦っている!」遠い山なみの光 Sashaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 全ての人間は心も身体も戦っている!

2025年9月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

斬新

この作品のテーマをものすごく考えた。
結論、こーなった。

テーマ ::原爆投下の実在とその回帰

つまり、イシグロカズオのご母堂の鎮魂歌(録)、且つ、自身への讃歌(録)
である。

図式で表すと、悦子>=景子=原爆投下の実在
である。

景子は悦子から見ると存在していた、?
しかし、それは景子が人物像として描かれていた。実は、景子は実際には人物では無く、原爆その物であった。(メタファー)
何故景子の部屋を見る事に、ニキが躊躇い、何故開いた部屋にも踏み込まないのか、
また、その部屋の中はかつて景子が勝ち取ったであろうピアノの賞🏆、たくさんの写真、
これらを総合してもシナスタジア的比喩として(原爆投下の爆撃音)を表しているかのようだからだ。

だからこそ、佐智子、万里子は、投影であって然るべき、景子も人間像では無い。
ただ、ここで映画の色彩においては異様なまでのホラー感が冴え渡る。途中から(悦子が団地から向こうのあばら屋を見つけた時から)の場面も美しい。

また、
[A Pale View of Hills], 直訳すると、(丘丘の青白き眺望)となる。決して未来への光を表しているとは思えない。いや、寧ろそうであるような表現の仕方、これは著者イシグロ氏に尋ねたい。それは、自己の過去への決別とともに未来への(人々への)迎合だったのか?それとも、
亡きご母堂の自らの決別だったのか?
それとも、事実はご母堂の目を借りてご母堂を悼んだのか?

Sasha
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。