「受け継がれ受容される記憶」遠い山なみの光 マロンさんの映画レビュー(感想・評価)
受け継がれ受容される記憶
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絶対見るとは決めていなかっただけに、見逃さなくてほんとに良かった。
悦子が佐知子であり、佐知子が悦子だと思った。もっと言えば原爆投下から7年後の長崎で、悦子が日々の中で知り得た人々や垣間見た衝撃が、彼女の記憶と混ざり合い、30年後自らの半生としてニキへと語られている気がした。
事実関係は整合性が取れず矛盾に満ちているのに、個々のエピソードに生々しいリアリティがあるので、戦後間もない社会の側面として捉えることが出来てしまう。
それを踏まえると30年前に市街で起きた連続幼児殺害事件や、幼い我が子を連れて渡英を決行した悦子を見るにつけ母親が被爆地で子どもを育てていく苛烈さを思い知った。
ひたすら働くしか無かった男性の悲哀も。
悦子と佐知子が稲佐山から長崎の街を見下ろし、希望を口にするシーンは涙が出た。
あれは渡英前の悦子の心の声なのかも知れない。
俳優陣の演技に引き込まれた。
美術、音楽、衣装、全てが美しい。
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