「Ceremony」遠い山なみの光 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
Ceremony
ここ最近のカンヌ受賞orノミネートの作品はなーんだか首を傾げる要素が多かったのですが、今作はまだ大丈夫だろうと挑みました。
原作は未読なんですが読んどくべきだったなーと思ってしまったり。
1952年と1982年の描写を映すミステリー的な要素が強い作品で、役者陣の演技も素晴らしかったんですが、いかんせん入り組んだ内容に結構振り回されてしまったなーという印象です。
自分の読解力不足もあるのですが、想像以上に難しくしてるのでは?と石川監督の前作「ある男」でも思った事が頭をよぎりました。
戦後に生きる人々を映している作品ではあるんですが、戦後から7年が経過しており、団地での生活の様子が映されたりするので、原爆で負った体の傷というよりかは心の傷にフォーカスを当てたのかなと思いました。
若い頃に出会った女性と過ごした日常の些細な変化や、その女性の娘との関わりが30年後に繋がるといった感じで、不穏な雰囲気が徐々に繋がって未来へのピースになっていくという構造でした。
展開の点と点が線で繋がった時はハッとさせられましたし、過去と未来がここまでしっかり繋がるのは見事だなーと思いました。
ただそこまでにいく過程が複雑かつ、登場人物の配置が謎だったり、その描写いる?といった感じでややこしくなっているので、ヒューマンミステリーが難しさに拍車をかけちゃったなと個人的には思いました。
そういう直接的な描写では無いというのは重々承知なんですが、猫を溺死させるのはかなーり嫌悪感がありました。
実家で猫を飼っていてめちゃくちゃ可愛いのを知っているので、いくらフィクションといえど殺さんといてくれ…と目を覆ってしまいました。
ここはガッツリマイナスポイントです。
広瀬すずさんと二階堂ふみさんのぶつかり合いはエグかったですね。
ギラッギラ光る視線や、浴びせる言葉の重みなんかが凄まじく、2人の演技合戦に魅せられっぱなしでした。
今作に流れる音楽がめちゃくちゃ良くて、雰囲気とは少し違うロックサウンドが絶妙にマッチしており、現在進行形で楽曲を聴いています。
原作を読んだり、今作の紹介PVなんかも見てから行ったらより理解できたのかなーとは思いました。
単純明快が素晴らしいとまでは言いませんが、空白を埋める作業に徹しないといけないのも中々ハードだなと感じた1本でした。
鑑賞日 9/9
鑑賞時間 11:45〜13:55
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