「素敵な映画だけど難しい」遠い山なみの光 イオナさんの映画レビュー(感想・評価)
素敵な映画だけど難しい
原作は未読です。
カズオ・イシグロといえば、「わたしを離さないで」が有名ですよね。
この映画は真実はこうでしたと、はっきりした答えを描いてなくて、観た人それぞれ違う解釈をしてそうな感じです。
私も見終わった瞬間は、頭の中が整理できず、謎がいっぱいで、「え?どう言うこと?」意味がわからない部分がたくさんありました。
言えるのは、人の記憶は当てにならなくて、自分の願望によっても、変わっていってしまうと言うことです。
出演の広瀬すずと二階堂ふみが、とても素敵で良かったです💕
二階堂ふみは、謎めいた役柄は似合ってますね。
悦子と佐知子。
別人と思っていたけど、話が進むにつれて、ふたりが重なって見えてきました。
ロープウェイ観光で、同じ色の服を着て、悦子が万里子を悪く言う男の子を一喝する場面で、一致しました。
佐和子は悦子なのだと。
万里子と恵子。
イギリスに馴染めずに、自殺してしまった恵子。
悦子は、きっと自分を責めてるから、万里子を守ってあげたいと思ったのでしょう。
「死んだ赤ちゃんを水に沈めた」女の子人や、子猫を水に沈める佐知子の事を思い出すのは、きっと恵子を助けられなかった事で心を痛めているのでしょう。
足に絡んだり、手に持ったりしてた縄も、そのことを比喩してるのではないのでしょうか。
紅茶ばかり出す佐知子、橋を渡る喪服の女など、
他にも謎めいた様子が散りばめられてて、不思議な感覚の映画でした。
けれど全体に描かれてるのは、「女はもっと自由に生きて、前に進んでいかないと」
と言うことです。
夫の二郎は男尊女卑そのもので、今観ると酷い夫ですが、あの時代は結構当たり前でした。
しかし、その時代に留まってはいられないのです。もっともっと女性は前出ていくべきなのです。
そんな明るい未来が、ラストに描かれていたように感じました。
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