劇場公開日 2025年3月28日

レイブンズのレビュー・感想・評価

全48件中、1~20件目を表示

4.0難しいニュアンスとバランスを見事なまでに妖しく成立させている

2025年3月31日
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鑑賞方法:試写会

英国人監督が日本人写真家についての映画を撮る。そこには無数の超えるべき壁があったに違いないが、結果として、一瞬にも永遠にも等しい幻想的かつ生々しい生き物の記録へ結実した。主人公の生き様を体現する浅野の演技はどんな状況にも流れるように身を任せ、その中にほのかな可笑しみをにじませる。言ってしまうと2時間、似たようなぶっ飛んだ演技が続くわけだが、しかしこの人の表現の引き出しの豊富さには舌を巻く。観ているだけで飽きさせないし、ぶっ飛んだ中に確かな感情の揺らめきが感じられるのだ。そんな主人公と対峙し、彼を照らす月のような存在の瀧内もこれまた秀逸。加えて古舘、池松が確かな存在感で彩り、さらに特殊造形によって具現化されたカラスの化身の訪問と英語による語りかけが、この映画の唯一無二の幻想性を高めていく。これら全てにおいて難しいニュアンスとバランスを見事に妖しく成立させたギル監督の情熱と表現性を評価したい。

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牛津厚信

4.0浅野忠信、世界へのさらなる飛躍を予感させる渾身作

2025年3月29日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

知的

本作については当サイトの新作評論枠に寄稿したので、ここでは補足的な事柄をいくつか書いてみたい。

まず俳優・浅野忠信の魅力が英国出身のマーク・ギル監督によって存分に引き出された一本と言える。評論で触れたように監督は「殺し屋1」を観て以来の浅野のファンであり、クールな外見と内に秘めた狂気などのような相反する二面性を活かして、矛盾を抱えた写真家・深瀬昌久の人物像をヴィヴィッドに造形しているし、浅野本人のアーティストとしてのセンスも役作りに有効だったろう。

評を執筆する前のリサーチで英文記事にいくつか当たったが、“「SHOGUN 将軍」のタダノブ・アサノが主演”という紹介が多いのにやや意外な思いもした。というのも、浅野は「マイティ・ソー」でハリウッド進出を果たしたほか、マーティン・スコセッシ監督作「沈黙 サイレンス」など外国製作や合作の映画にも多数参加してきたので、すでに国際的な俳優として認知されていると(日本にいる映画ファンとしては)思ってしまうけれど、ゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞した「SHOGUN」がまだ枕に必要なくらいの認知度なのか、と。とはいえ、GG賞とエミー賞で「SHOGUN」が席巻したことは出演者らの今後のキャリアの大きな足掛かりになるだろうし、さらに浅野は「レイブンズ」(日・英・仏・スペイン・ベルギーの合作)での熱演も評価されて、国際的なプロジェクトからのオファーが一層増えるだろうと予感させる。

外国人監督が撮った日本の映画として、日本の人物や文化・社会の描写に違和感のない真っ当な作品に仕上がった点も評価したい。ギル監督が深瀬の写真の権利関係をクリアしたことをはじめ、鰐部洋子やバーの店主・南海(なみ)ら存命の関係者に直接会いコミュニケーションを取れたことも、登場人物らと物語の真実味に大いに貢献しただろう。監督のデビュー作「イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語」では、実はモリッシーが在籍したバンド、ザ・スミスの楽曲を使用する権利が得られず、モリッシーがバンドを組むまでの若き日々に限定して描くという苦肉の策をとらざるをえなかった。その点でも、ギル監督はこの2作目でようやくやりたいことを思いっきりやれただろうし、彼にとってもまた飛躍の一作になるはずだ。

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高森 郁哉

3.5Through the Raven’s Eye

2025年3月4日
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鑑賞方法:試写会

Fukase was one troubled soul who found his way to being one of the most influential photographers of our fashionable era. Befriending an imaginary crow that's as horrowing and adorable as Donnie Darko's campy bunny costume, Asano naturally leads Ravens as a pseudo-psychological headtrip into the pangs of strict uprbinging and eventual entrepreneurship. A European production organically Japanese.

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Dan Knighton

4.0役者の力だね

2025年4月15日
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鑑賞方法:映画館

ドキドキ

深瀬昌久という写真家のことは全く知らない。

でも映画に没入できた。

浅野忠信と瀧内公美の演技のたまものだろう。

役者の力おそるべし

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うさぎさん

3.0カメラマニアから見た視点 小道具の時代考証ミスだけが・・・惜しい・・・

2025年4月15日
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鑑賞方法:映画館
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domdokodon

1.0階段を落ちたらサヨウナラ

2025年4月13日
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鑑賞方法:映画館

エンドロールで実際の写真が見られるが、
その数枚がこの映画全体を遥かに超えていた。

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ワーカホリック

4.0異化効果

2025年4月13日
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鑑賞方法:映画館

実在の日本人写真家・深瀬昌久の生涯を、英国人監督が映画化。こうした破滅型の芸術家を描く場合、得てして独りよがりなものになりがちだが、本作は構成・映像・演技いずれもしっかりした見応えのある作品となっている。
主人公の分身のカラスが、最初は奇異な感じもするが、作品全体に客観的な視点をもたらす効果を与えている。英語と日本語で対話することも含めて、ある種の異化効果と言うべきか。
浅野忠信は、自己顕示欲と小心さを併せ持つ主人公のキャラクターを表現して、さすが。モデルの妻がちやほやされてむくれる姿とか、久方ぶりに彼女と会ってニヤける顔とか、見事なもの。瀧内公美の魅力も全開。
マーク・ギル監督は、かつてモリッシーを題材に作品化したとのことで、音楽の使い方、選曲も上手い。エンディングのザ・キュアのナンバーは、この作品の主題歌のよう。
ちなみに、当地では単館午前中1回のみの上映で、観たときの客は3人だけ。旬の役者陣が出演した良作なので、もっと評判になってほしいと思う。

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山の手ロック

3.5破滅型アーティスト

2025年4月13日
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ひでちゃぴん

4.5愛とアートと商業と

2025年4月12日
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1950〜90年の日本の映像をイギリスの監督が
とても美しく描いてくれている事に感謝
光や色がとても綺麗です。

実在の写真家で1970年代にMOMAで初めて日本の写真家として取り上げられた深瀬昌久と妻の洋子の物語

洋子は彼のミューズであり、彼女の存在があってこそ
MOMAでも注目されたのだが
その事がかえって彼の芸術家としてのプライドを傷つけるし、洋子は芸術性より商業的でも金を稼ぐ事を求める。

洋子との『愛』は
はじめあまりしっくりこなかったのだけど
別れて再会してからの後半のシーンでとても泣けてしまった。

写真家として何度も注目されては堕ちてを繰り返し
その度に新たな視点を生み出すのが素晴らしかった

結局は彼を一番理解していたのは洋子であり、
だけれど結婚生活を共にする相手ではない、という悲しさ

再会で白いスーツを着ていた洋子が
お見舞いのシーンで真っ黒なワンピースをきていて
まるで深瀬の心の鴉そのもののようだった。

瀧内公美さんがナチュラルでエネルギッシユで
とても素敵でした。

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猫柴

2.0光と闇

2025年4月12日
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鑑賞方法:映画館

孤高の写真家・深瀬昌久の波乱万丈な人生を実話とフィクションを交えて描いたダークラブストーリー。
光と闇を表現したような独特の世界観のある美しい映像が印象的で主人公にしか見えないカラス人間の存在が不気味な作品です。

2025-57

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隣組

4.0新宿ゴールデン街

2025年4月11日
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鑑賞方法:映画館

こういう映画にありがちな、感覚的な映像に走りすぎてストーリー性が失われてしまうなどということがなく、彼の生涯が映画的に描かれていた。

父親との二人のシーンで、グラスの酒を飲み干す所作がシンクロしていたのは意図的なのであろう。確執があってもその関係性から逃れられない父子が、ユーモアを交えて描かれていた。

個人的な事だが、家を継がずに弟に任せてしまったこと、深瀬氏がのんだくれていたその当時、私も新宿ゴールデン街でバイトしていて遭遇していたかも知れないこと、タイトルバックに見覚えのある写真が写って、ああこれは彼の作品だったのかと思ったことなど、自分と勝手に重ねてしまった。

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し

5.0私の生涯ベスト3に入る映画です。

2025年4月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

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トクさん

4.0かなり面白かった。なぜか感動した

2025年4月10日
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鑑賞方法:映画館

浅野さん演技が素晴らしかった。
洋子さん役を良かった。
素晴らしい演技とは演技していないように見えること。
死神は理不尽団と思った。

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チャーリー

4.0この上なく、いい男&いい女、なのだが...

2025年4月9日
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鑑賞方法:映画館

浅野忠信、瀧内公美という、この上ない、いい男&いい女の組み合わせなのに、何かもう一押し欲しい感じも残る。カラスも必要か、不要か、分からない。いると説明過多で邪魔のような気もするが、いないと説明不足になって場が持たない気もする。実在のモデルもいるから、とことん想像を膨らますこともできないし、写真の取り替えも限度がある、そういう色々な限定の中で、頑張って時代の雰囲気も出している努力も伝わるのだが、何か満点を付けかねる。

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Boncompagno da Tacaoca

4.5印象深く、心に突き刺さる”モノクロ”映画

2025年4月9日
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鑑賞方法:映画館

見終わったばかりですが、これほど静かに、それでいて極めて強く印象を受けた映画は初めてかもです。
「日常」に馴染まない才人とその同居人や友人たちという構図は映画で珍しいものではないです。しかし、ここまで一つ一つ印象深い表現で語られる作品は初めてです。
浅野忠信さんがエネルギッシュな時期から枯れた時期まで狂気と共に見事に演じられてますし、それに寄り添った洋子役の瀧内公美さんの七変化の魅力も堪らないものがあります。

劇中やエンドロールでの実物の写真の破壊力はすごく、モノクロで表現されたそれらの影響か、作品すべてがモノクロであるかのように心に焼き付いて、カラーだったはずの本編映像の色彩が思い出せません。

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よして

3.5観ないつもりだったけど

2025年4月9日
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鑑賞方法:映画館

予告が面白そうだったので公開ギリギリで鑑賞
芸術家が芸術家を撮るとこうなるのかな?という印象
もし、本人が観たら
「誰がカラスやねん!」
とか言ったりしてw

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みのまる

3.0自分の闇

2025年4月9日
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鑑賞方法:映画館

人間誰しも人の触れられたくない闇の部分がありますよね。芸術家の人はその闇が深く濃い感じがします。彼はお父さんの血を引いてますね。

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ごっとん

3.5浅野忠信の破天荒で退廃的な芸術家。瀧内公美の奔放さが実に魅力的。イギリス人の監督・脚本によって描かれる1960年代の日本。

2025年4月8日
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鑑賞方法:映画館

世界的に評価される写真家・深瀬昌久の人生を、妻・洋子との関係を軸に描く。
浅野忠信の佇まいが、まさに破天荒で退廃的な芸術家。
そしてなにより、その奔放な妻を演じる瀧内公美が実に魅力的。
イギリス人の監督・脚本によって描かれる1960年から1970年の日本の空気感、ダークなクリーチャー”ツクヨミ”の存在が独特で面白い。

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ITOYA

4.5見つめるカラス

2025年4月6日
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全編を見つめるカラスは監督の視線なのかな。
独り言激しいという設定で処理されてたけど実話ものを映画化するにこの鴉男を出してきたのがこの映画の肝。
イギリス人の監督がじっと写真家を見つめているかのように鴉男は英語で語りかける。

こんなに、にたっとしたり、くすっとわらうとは思っていなかった。

この映画は、好き嫌いが別れると思うが私はかなり好きだ。

古いカメラは見ているだけで素敵だ。そして何度も何度も繰り返しシャッターを切る音が心地よい。
随所に散りばめられた音楽がいいところをついてくる。誰が選曲したんだろう。

タバコと酒と写真と薬…デカダンスな雰囲気は今、令和の映画館にいることをどんどん忘れさせてくれる。素晴らしい!

天才か狂人かという写真家深瀬昌久の役は浅野忠信でないとこうはいかない。唸る!
池松壮亮を起用してくれたのも浅野忠信や津田寛治の演技との対比で、かなりほっとできた。ありがとうこの、キャスティング!

瀧内公美の洋子がチャーミングすぎる!
この映画のミューズでもあり、深瀬のミューズでもある洋子の魅力を余すところなく表現してくれている。
彼女なくしてこの映画は表現出来なかっただろう。
エンドロールで本物の洋子さんを見てにんまりした。
首吊りなんてしちゃダメだよ!池松壮亮の弟子ネコが居て助かって良かった。
死ななかっからこそ生まれた後期の作品の数々が素晴らしかった。
40にして子をなさずとも素晴らしい写真の数々を生んだのです。
いやー!写真っていいですね!

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momo

3.5あなたの肖像に見えるわ

2025年4月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

監督&瀧内公美さん舞台挨拶@名古屋
眼福眼福!➕⭐️1
クリーチャー(グロめ…)の存在の捉え方でかなり分かれるかな。出てることで作品にエンタメ要素を加え、捉えやすくしているとも取れるし、逆に水を差しているとも捉えられる。個人的には様々な葛藤(仕事、芸術、夫婦関係、親子関係…)にもがき苦しむ様子をもう少し観たかったかな。

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shige12
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