劇場公開日 2025年1月31日

リアル・ペイン 心の旅のレビュー・感想・評価

全164件中、1~20件目を表示

4.0今観るに値する、ジェシー・アイゼンバーグの才能溢れる秀逸ロードムービー

2025年3月3日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

ベンジー役を務めた俳優のジェシー・アイゼンバーグが監督・脚本・製作をも務めた第97回アカデミー賞で脚本賞と助演男優賞にノミネートされた注目のロードムービーです。

真田広之さんはじめ、賀来賢人さんなど、近年日本の俳優さんの中にも、出演側だけでなく製作にも積極的に参加し結果を残している俳優さんが増えたように思います。

主観的な目と客観的な目の両方を持ち合わせ、常に俯瞰して作品を眺めながら、同時に感情を込めて役を演じるというのは、想像するにどんなに難しいことだろうと思われます。投打で活躍する二刀流の大谷翔平さんのように、俳優界の二刀流である彼らは、大変器用で才能にあふれているといえます。

ストーリーは、ユダヤ人で人好きのするデヴィッド(キーラン・カルキン)と、彼と兄弟のように育った少し人見知りな従兄弟のベンジーの物語。一見正反対な性格のように見える彼らは、ともに感受性が高く繊細である点において共通しているともいえる。終始取り立てて大きな事件が起きるわけでもなく、物語は家族のルーツの地を巡る旅を通して、そこに参加する人たちとの交流や心の動きを静かに丁寧に描いています。

観終わって感じるのは、
「絶妙なココロの居心地の悪さ」とでもいいましょうか…🧐
やっぱり現実ってそんなに簡単ではないよねって思い知らされるのだ。
全ては、少し意地悪なエンディングによるものでしょう。奔放で人たらしでどこか危ういデヴィッドを好演したキーラン・カルキン、彼が最後に空港でほんの少しでもニコリと笑ってくれたのなら後味はもう少し軽やかになっていたことでしょう。そこを安直にそうしなかったところが、ジェシー・アイゼンバーグの絶妙なバランス感覚だと思います。

他人の痛みのホントのところは
その人にしかわからない

分かりたいけど分からない
簡単じゃない

リアルペイン
それも含めて、痛い

それでも誰かと少しでも分かり合いたいという気持ちを諦めたくないし
諦めちゃいけない。

そんな風に優しく耳元で諭されたような気がしましたよ🙄

とても美しく
余韻のある映画でした。

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ななやお

4.0みんな痛みを抱えて生きていく

2025年2月12日
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鑑賞方法:映画館

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッドと、兄弟のように育った従兄弟ベンジー。亡くなった最愛の祖母の遺言によって、自分たちのルーツを知るポーランドのツアー旅行に参加する。
その過程でそれぞれの痛み、人生を見つめ合い、時にはぶつかり、時には涙し、ハグし合う。

明るく陽気でマイペースなコミュ力オバケのベンジーを演じたキーラン・カルキンが素晴らしかった。底抜けの明るさで人の懐にスッと入って魅力するのに、ふとした瞬間どこか寂しそうで、脆そう。このベンジーのキャラクターがストーリーの肝と言っても過言ではないから、それを見事に演じていたキーラン・カルキンに拍手を送りたい。

そしてその対極にいるデヴィッドは、真面目で大人数もハメを外すのも苦手。私はデヴィッドの気持ちがすごくわかる。というかデヴィッドみたいな人の方が大半だろうから、ベンジーを羨ましくも憎たらしくも思う気持ちがすごくわかると思う。

ホロコーストからの生き残りの祖母を持つふたりは、ユダヤ人の歴史の痛みを知ることで、自身の痛みや生き方を振り返る。
こんな地獄を生き抜いて生まれた自分たちは、ちゃんと真っ当に大切に生きないとと思う。でもそれは日本人だって同じだ。

けれど思うのだ。確かに過去の歴史と比べると今の方が幸せで、当時の人たちからしたら今の時代のそれぞれが抱えている痛みなんて痛みに思われないかもしれない。
「昔はなーもっと大変だったんだぞ」その一言で何も言えなくなってしまい、痛みが膿んで治らなくなる人だっているのだ。

自分の抱える痛みは自分にしかわからないし、人の数だけ痛みの種類がある。

でも理解ができない痛みを抱える人に寄り添って、大好きだよと抱きしめることで、理解は出来なくても、その人の痛みを和らげることは出来るんだと信じたい。

歴史と今の痛みを描きながら、ユダヤ人の歴史も学べる素敵なロードムービーだった。

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AZU

4.0人生はままならないけれど

2025年4月30日
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鑑賞方法:VOD

ジェシー・アイゼンバーグが優秀な監督であることを証明した。彼自身による脚本・監督で、小品の豊かなドラマが生まれた。アメリカで生まれ育ったユダヤ人移民の3世の青年二人は、ポーランドから逃れてアメリカにやってきた祖母が亡くなったことで、二人でそのルーツをめぐる旅行に出かける。
キーラン・カルキン演じるベンジーは鬱で薬の大量服薬をしたばかり、普段は明るい奴だが、心に何かを苦しみを抱えている。そんな彼は、ユーモアセンスもありコミュニケーション能力に長けているような、空気が読めないような、複雑な男だ。幼いころは彼と兄弟同然に育ったデヴィッドは、彼が辛い時に力になれなかったことを悔いている。同時に、いつも人に愛されるベンジーが気に入らない、でも、本当はデヴィッドはそんなベンジーみたいになりたかった。愛憎が入り混じる複雑な関係性をさらりとユーモアも交えて描いて見せるジェシー・アイゼンバーグの芝居を引き出す力が素晴らしい。
自分の人生も見つめなおしてみたくなる。

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杉本穂高

4.0家族の歴史を辿る旅は今の自分とこれからの自分を考える旅

2025年1月31日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

ジェシー・アイゼンバーグが自らのルーツであるユダヤ系ファミリーの歴史を辿る旅を、疎遠だった従兄弟とのロードムービーとして描いている。アイゼンバーグはホロコーストを生き延びたポーランド人の祖先を持つ。従って本作は、自伝的要素が多く含まれたアイゼンバーグによるファミリー・ヒストリーと言ってもいいだろう。

実際に、映画はワルシャワにあるゲットーの英雄記念碑やクリジボウスキ広場、ルブリンの旧ユダヤ人墓地、最後はナチスの強制収容所のガス室へと舞台を転換させていく。それは、我々もホロコーストツアーが体験できる時間でもある。こんな機会は貴重だと思う。

過去に目を向けることは今を、そして、これからを見つめること。主演と監督を兼任するアイゼンバーグの脚本は、彼が演じる主人公のデヴィッドと、この役で本年度の演技賞を総取りしそうなキアラン・カルキン扮する従兄弟のベンジーが、互いの不信感を不器用に乗り越えていく過程に重きを置いている。それは誰もが思い当たることだから、人種や舞台を超えて心に刺さるのだ。

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清藤秀人

3.5ショパン曲のBGMの煩さは敢えての狙いか

2025年1月28日
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鑑賞方法:試写会

知的

映画に登場する早口で饒舌で神経質なユダヤ系アメリカ人男性、と聞けば大勢がウディ・アレン監督・主演の諸作を思い浮かべるだろう。ジェシー・アイゼンバーグは、アレン監督の「カフェ・ソサエティ」で主演し、もともと親和性が高かったのか影響を受けたのかは定かでないが、アイゼンバーグ監督第2作でそうしたキャラクターである主人公デヴィッドを自ら演じるということは、性的虐待で映画界を追放されて不在となったアレンの“立ち位置”を受け継ぐ意志の表れだろうか。

デヴィッドと従兄弟のベンジー(演じたキーラン・カルキンがアカデミー賞助演男優賞ノミネート)は正反対な性格と説明されているが、どちらも神経症気味で生きづらさを感じているという共通点がある。そんな2人のロードムービーなので、理屈っぽい長台詞、奇声、突飛な行動などが、観る人によってはイライラさせられる要素になるかも。

2人は亡き祖母がナチスドイツに迫害されるまで暮らしていたポーランドを訪れ、第二次大戦の史跡ツアーに参加する。ガイドのジェイムズ(「エマニュエル」でも重要な役を演じたウィル・シャープ)が史跡の説明をしているあいだ、ポーランドを代表する作曲家ショパンのピアノ曲がBGMで鳴りまくっていて、これが台詞に重なって相当うるさいのだが、その後の展開を考えると、あのうるささもジェイムズの内なるいらだちを観客に体感させる演出の狙いなのかもしれない。精神的にしんどい映画ではあるが、本編1時間半という短さに救われる。

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高森 郁哉

3.0ホロコースト系ロードムービー

2025年5月17日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

ホロコーストの要素が混じったロードムービー。主人公のいとこはとにかく社交的で楽しい人物。変な発言ばかりですが、周囲の人はその人柄に惹かれます。何やってんだか分んないけどいると楽しい、こういう人いるよね、という人間です。こういう人と生活すると耐えられないけど、ときどき酒飲んだり、旅したりすると楽しいよねと思わされます。

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FormosaMyu

4.0複雑なニュアンスで、戦争の傷を辿る旅。

2025年5月6日
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鑑賞方法:VOD

ショパンのピアノ曲に彩られた40男のルーツを辿る旅。
ポーランドにルーツを持つ2人のユダヤ人。
従兄弟同士のデヴィッドとベンジーは、ホロコーストの生き残りの祖母を
半年前に亡くした。
落ち込むベンジーを伴って祖母のポーランドの家を訪ねるために、
ポーランドのツアーに申し込む。
それは当然、アウシュビッツへ向かう旅でもあった。
ツアーはガイドを入れて7人の少人数。
60代のマダムが「ダーティ・ダンシング」のジェニファー・グレイ、
だった。
素敵に歳を重ねていて懐かしかった。
心配症のデヴィッドと気儘で天然のベンジー。
ユダヤ人の苦しみや痛みは想像もつかないけれど、
ポーランドは美しい。
ショパンが「革命のエチュード」を作曲したとき、
ワルシャワはロシアからの独立を目指した反乱に失敗したのだ。
それが1830年のこと。
なんとポーランド人はナチスに300万人殺されたそうだ。
なんと言うルーツ‼️
ベンジーが素敵な列車でパニックを起こすシーン。
アウシュビッツへ送られる過去の同胞たちが、
自分のことのように思えたのだ。
彼の繊細で壊れそうな心の“痛み“
ポーランドの英雄碑でお茶目なシェーみたいなポーズで記念撮影。
ツアーのみんなも真似して記念撮影。
ベンジーは周りを巻き込んでみんな彼が好きになる。
真面目なデヴィッドは、通り一遍の知り合いにしかなれないのに、
ベンジーは盛大なハグで、みんなと別れを惜しまれる。
なのに、なのに、
デヴィッドは可愛い息子と妻のいる家庭に戻り、
ペベンジーは「一番落ち着く」と言う空港で人混みを眺めて
いつまでも佇んでいる。
彼は進めない。
歴史に取り残され、生産的な生き方ができずにいる。
それはユダヤ人だからだけではじゃないだろう。
人は痛みを克服することは出来ない。
折り合いをつけるだけ。
ベンジーは折り合いをつけられるのだろうか?

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琥珀糖

3.0「ソーシャル・ネットワーク」や「グランド・イリュージョン」の主演を...

2025年4月18日
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鑑賞方法:その他

「ソーシャル・ネットワーク」や「グランド・イリュージョン」の主演を務めたジェシー・アイゼンバーグが監督・脚本・製作・主演を兼ねた作品。

二刀流どころか四刀流だ!笑

アイゼンバーグは、相変わらず良い味出してる。また、マコーレー・カルキンの弟のキーラン・カルキンが本作でゴールデングローブ賞やアカデミー賞で助演男優賞している。

ニューヨークに住むユダヤ人の従兄弟が、亡くなった最愛の祖母の遺言によって数年ぶりに再会し、ポーランドを旅するロードムービー

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ホンマサ

3.5痛みのツアー

2025年4月7日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

この題名には、スラングで厄介者という意味と
直訳で本当の痛みという2つの意味があるようですね
いとこだけど性格は全然似ていない二人
ベンジーの奔放さが好きだが大嫌いで羨ましいデヴィッド
どうも臆病者のデヴィッド目線で観てしまったので、
ベンジーの動向にヒヤヒヤしてしまった
でも実際に幸せなのはどっちなのかな
ちょっと期待しすぎたところもあり
あまり入り込めなかったかな
ポーランドの歴史ツアーに参加できたのは良かった
最後の終わり方にしてもベンジーの闇はとても深そう

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かちかち

4.5「行く事は叶わないが見る事は出来る」

2025年3月28日
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知的

今年77本目。

渋谷パルコ8Fホワイトシネクイントで。
ポーランドのユダヤ人収容施設を見に行く。ガス室の青い成分が壁に付いているのが驚き。人が履いていただろう靴の多さ。自分は行く事は叶わないが映画で実際の場所を見る事は出来る。御夫婦が見る前は手を繋いでいたが入る時は一人一人、向き合うのが演出として受け止めました。

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ヨッシー

3.5いいやつなんだろうけど

2025年3月23日
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鑑賞方法:映画館

2025年劇場鑑賞94本目。
エンドロール後映像無し。

予告だともうちょっとドタバタかと思ったのですがそうでもなかったです。
100%いとこのベンジーのせいでジェシー・アイゼンバーグ演じる主人公が振り回される展開に、ベンジーが時々いい事言ってもどうしてもイラつきが来てしまいました。
ハリウッド映画の、マリファナを吸わないのは捕まるからで、捕まらなきゃ法を破るのに躊躇しない、というスタンスが嫌いで、最後までそれが引っかかり続けて、いい話が全然入ってきませんでした。

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ガゾーサ

4.5沁みるストーリー、キーラン・カルキンの演技は圧巻

2025年3月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッドと従兄弟のベンジー、全く性格の異なる2人が、祖母の遺言により再会し、ポーランド旅行のツアーに参加。

2人のルーツであるポーランドの地を巡るツアーに参加、参加者との関わり、訪ねる土地土地を通じて色々な思いが巡るロードムービー。シンプルなストーリーながら、完成度の高い映画。

監督、主演を務めるジェシー・アイゼンバーグ、そして自由で奔放なベンジーを演じる、ゴールデングローブ賞 映画部門 助演男優賞をキーラン・カルキンの好演が光る。

ポーランド、そこにおけるホロコーストをまったく別の角度から描いた映画作品としても秀逸。ポーランドを訪ねたくなった。

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Toru

4.0幾重もの奇跡の果てに

2025年3月16日
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泣ける

幸せ

疎遠になっていた従兄弟同士が、亡き祖母の遺言で参加したポーランドのツアーにてあれやこれや騒ぎを起こすが…といった物語。

性格は真反対。元気で破天荒に見えるベンジーも抱える闇があるらしく時に情緒が…。そんな彼を冷静に抑え込むデイブも彼もまた…。

そんな状況の中、ユダヤに縁のある個性的な人々と一緒に、祖母とも関係のあるホロコーストの歴史に触れていくが…。

いやぁ〜何というか、大変おこがましいですがデイブとワタクシって色々似てるな(イケメン顔以外)と思い、深く感情移入しちゃいました。

常識ハズレで空気も読まずにその時々の気持ちをヅケヅケと言い放っては皆を困惑させるベンジー。そんな彼の奇行を皆に謝る、神経質ながら常識人のデイブ。

…しかし何故でしょう。蓋を開けてみれば皆に心を開かれているのは…。

彼のことが大好きで大嫌い。
そんな彼になりたい。

…う〜ん、この複雑な気持ちよ!!
真面目にやるのが馬鹿馬鹿しく思えてしまう…。

特にジェームズとの別れ…気を遣いっぱなしだったデイブの方が遥かに淡白だったことが印象的だった。

…とはいえ本筋は勿論そこではないですね。

誰にも表面上には見えない心の闇を抱えて生きているわけだし。ここからの物語はどうなるのか。

そして石の置く場所よ…

リアルペイン…それは1人になった寂しさか、或いは闘魂注入のことか、はたまたこれからの不安か…。

あとは序盤のヨーグルト捨てるのは、ゾンビランド1.2の酒ポイッを思い出してちょっと笑っちゃった(笑)

終始聞かれる美しいピアノの旋律とともに、解決などではなく、抱えて生きていくしかない、最後の希望とも不安ともとれなくない眼差しに、そんなことを思わされた作品だった。

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MAR

4.0ロードムービー

2025年3月9日
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鑑賞方法:映画館

ツアーのお話だけどルワンダやユダヤの悲劇もスッと入れてる
他人の気持ちは分からなし、抱えてるものもわからない
デヴィッドも頑張って生きてる
ベンジーもだけど最後までベンジーの心の枷はわからず
最後のハグは泣きそうになる

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ぱぴこ

3.5亡くなった祖母のルーツを旅する 親戚同士の男二人のロードムービー。...

2025年3月9日
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亡くなった祖母のルーツを旅する
親戚同士の男二人のロードムービー。
片方の男はまじめで面白みがないが、人に迷惑をかけないように生きている。もう一人は、言動が不安定で、人に迷惑をかけるこも気にしないタイプだが、人に愛される性格だったりする。自分にないものを羨ましく思うのはよくあるが、それはそれでなろうとなれるものではないし、今の自分を受け入れることも大事だと思う。二人の友情が続きますように。

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あとぅーし

3.5十人十色

2025年3月8日
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笑える

アメリカ人の従兄弟同士が自分達のルーツであるポーランドを旅する話。頭が良く、いい職に就いて結婚もしているデビッドと、無職で独身のベンジー。世間的に評価されるのはデビッドだが、自由奔放で自分に正直な言動をするベンジーは、人を惹きつける魅力がある。全く性格が違う2人の掛け合いが面白く、笑える。
どちらも問題は抱えていて、生真面目でお堅いデビッドは理屈っぽく人付き合いが苦手。周りや常識を全く気にしないベンジーは感受性が高いゆえに、人一倍傷つきやすくストレスを感じやすい。
ツアーと他の参加者との交流を通じて、お互いの違いと友情を再認識していく過程で人間味のある生き方が何なのかと考えさせられる。温かみがあり、ほっこりさせてくれる映画。
主役のアイゼンバーグの体験にインスパイアされたストーリーらしく、ポーランドのツアーの内容が細かい。
デビッド役はどこかで観たことあると思ったら、ホームアローンのマコーレカルキンの弟なんですね。

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猫男爵

3.5演技上手い!!

2025年3月7日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

映画館上映最終日に滑り込み鑑賞しました!世界史、音楽、道徳を足して3で割ったような映画でした。色々な形の痛みを上手い役者達が教えてくれました。最後終わり方少しモヤったけど役者の演技力がカバーして許せた。

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律猫

4.0本当の痛みはなかなか・・・

2025年3月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

喜びとか悲しさとか、あるいは強い愛などは、それがどんな形であれ、見ていて結構気持ちがいいものだけれど、痛みというのは、どんなに強い表現や巧みな演出であっても、なかなか受け取ることが難しいなぁと─。それは、見ているこちらがすんなりと受け入れることができないからなのかもしれませんが・・・
みんな素晴らしい演技、素晴らしいスクリプトや演出で非常に感動できるのですが、痛い気持ちだけはどうも・・・もしそれをちゃんと受け止めたならば、多分見ていられないような気がするけど、この映画はずーっと心地良く観賞できたからなー。かといって、痛みが伝わってくるような作品なんて─と思うわけだし、なかなか難しいテーマを扱っている作品です、かなり面白くてよきかなとは思うのですけど─。

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SH

2.0華やかさが無く地味な印象

2025年3月6日
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鑑賞方法:映画館

従兄弟の2人が祖母の遺言によって、ポーランドのツアー旅行に参加するロードムービー。淡々と進む展開で華やかさが無く地味な印象で、残念ながらこの作品の良さを感じることが出来なかった。

2025-34

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隣組

4.0劣等感を乗り越える親愛の情

2025年3月5日
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鑑賞方法:映画館

同級生で人たらしのやつがいる。俺が俺がという前に出るような性格ではないのに、いつの間にか場の中心にいる。一部の人間からは嫌われもするが、好かれる人間とは強い絆を結んだりする。そんな友人に影響を受けたり、憧れたり、ちょっと憎らしかったり。でも、離れることもなく今でも関係が続いている。彼に魅了された人間の一人だから、もう仕方がないと受け入れているが、本作のような映画を観ると、あの劣等感に近い感情を思い出す。本作に登場するベンジーはまさにそんな感じ(私の友人に似ているわけではないけど)。
亡くなった祖母が昔住んでいた家を訪ねようと、ポーランドのユダヤ人のルーツをめぐるツアーに参加した2人。強制収容所を訪問するシーンがツアーのクライマックス。民族関係なく、あれだけ迫害を受けた人たちに思いを馳せるとやはり涙がにじんでしまう。
でも本作のクライマックスはそこではない(はず!)。ツアーの参加者に、ベンジーへの思いを吐露するデビッドの独白だ。自分のあの友人を思い浮かべてしまった。憎しみみたいな感情はないが、デビッドのあのセリフたちに一々共感してしまった。じゃ、ベンジーにはどうだったのか?と考えると共感できないし理解もできない自分がいた。ベンジーの思いについて明かさない作りになっていたのは意図的だったのだろう。主人公デビッドの目線で考えたらそうなんだと思う。だから、ラストシーンのベンジーが何を考えているのか全くわからないのも仕方ない。
一人の人間が生まれるということ自体奇跡みたいなもので、ホロコーストを生き残った人間の子孫となるとさらに奇跡的な運命を感じることになる。だから、その子孫である人間は自分の命を大切に精一杯生きるべきと言う(思う)人は多いはずだ。間違っていない。その通りだと思う。でも、デビッドが語るこうした言葉に生きづらさを感じてしまった。ほんの少しだけど。もしかしたらジェシー・アイゼンバーグ自身がそんな思いを抱えていて、そんなことも意図して本作を作っていたりして。もしそうならジェシー・アイゼンバーグすごいな!

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kenshuchu