リアル・ペイン 心の旅のレビュー・感想・評価
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「変人の観察が楽しい」
ナチス大虐殺 ✕ ドラメディ = ユダヤ人でない自分にとって"特別"な作品とは言い難いけど、これはよくできている。まず脚本フェチな自分には刺さりまくりな脚本がよく書けて(描けて)いるし、主演コンビが最高にハマっている。一人一人でも単体で最強なのに、2人合わさるともう最強!!
違和感から、時を超えて普遍的な痛みを伝え、描き出す。3週間違いの従兄弟ベンジーとデヴィッドを演じた、スタンドアウトした強烈なキャラをドラマ『Succession』に負けじとノリノリなキーラン・カルキンと、自分らしい役柄を演じながら脚本監督の才を遺憾なく発揮するジェシー・アイゼンバーグ(シャツの上から2,3番目のボタンだけ留める着こなし)。扱いにくくも力強く周囲を巻き込むようなカリスマ性と視点人物。それぞれ問題を抱えていて。
痛みについてのツアーとお墓に石を置く、訪れたことを示すために。痛みを通じて人を知る。それは、冷めた印象を受ける単なる事実の羅列じゃなくて、温度のある人との関わり。毎週木曜日に会いに行っていたお祖母ちゃんの足と似た足を見つめながら。見上げるという画の差異を伴う反復イメージングシステム、服の色は青・赤が逆になっている。旅の終わりが近づく寂しさもあって、感覚で捉えることの大切さも改めて。
今回の東京国際映画祭で、チケット争奪戦に敗れた『グラディエーター2』に次いで、超絶観たかった作品、そして絶対に自分の好きな作品だろうなと!!『リトル・ミス・サンシャイン』『サイドウェイ』フォックス・サーチライトのこれまた素晴らしいロードムービー!旅を一緒にしてきたぼくたちにはわかる、文脈的に冒頭とは意味が違う。
いや、マジで賞レースの脚本賞は狙える、少なくともノミネートは。あと、ミュージカル・コメディ部門のあるゴールデングローブ賞なら、脚本賞に加えて、キーラン・カルキンの主演男優賞も!本当に自分の書きたいタイプの脚本だった。
ガス室付きのマイダネク収容所
冷戦下には非常に行きにくかったそうな
ウィル・シャープ演じるジェームズ
勝手に関連作品『オールド・ジョイ』
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