「心に残るキネカ大森、水曜日の夜」リアル・ペイン 心の旅 関東Bluesさんの映画レビュー(感想・評価)
心に残るキネカ大森、水曜日の夜
水曜日だし、仕事帰りに映画に行こう!と映画.comを検索。観たい映画はたくさんで迷いに迷ったが、まだ観ていなかったこの映画が、もう大森でしかやってない!終わっちゃう!と焦り、新作はさておきチケットを買った。
映画よりキネカ大森という初めて行った映画館の話になるが、なんとも魅力的な映画館だったので紹介したい。JR大森駅向かい側西友の5階。ここは今年で40周年、女優の片桐はいりさんが過去にバイトをしていたので有名。『もぎりさん』という片桐はいりさんモチーフのグッズが売店で売っている。Cinema 1から3まであり、今回の映画はCinema 3で観たのだが、4列ほどの小さい部屋だった。赤っぽいオレンジの壁にレトロな電球が並んでおり、なんともいい雰囲気。先週日比谷シャンテで満員の中で教皇選挙を観て疲れた私は、今晩の人が10人ほどの小さなシアターでこの映画をのんびり観れたことが、ずっと記憶に残りそうな気がする。
映画の話。かねてから行ってみたいと思っていたポーランドを舞台のロードムービー。のめり込んだ。大好きなショパンのピアノも結構な音量で驚いたが、あれがまた脚本にピッタリで、どうしようもないイラつきや悲しみを表現するのに効果的であった。
キーラン•カルキン演じるベンジーのキャラクターに私自身を重ね、胸が痛くなり泣きたくなった。人を楽しませる事も出来て人の心を掴むことが出来るのに、何故かいつも孤独感を感じている。独りでいることが寂しいと誰よりも思っているのに、独りでいることを選んでしまう。亡くなったおばあさんに平手を喰らって幸せを感じたというエピソードから、ものすごく愛を求めているんだなと感じた。確実な愛を。しばらく居場所にしていたと思われるあの空港から、外に出て新たな人生を歩んでいってもらいたいと思った。
さて、恒例の帰りの電車での感想文を終え、あとはベッドの中で皆さんのレビューを読んでいきます。