「感動が言葉にならない!」劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0感動が言葉にならない!

2024年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

原作未読ながらテレビアニメで衝撃を受け、謎が謎を呼ぶ展開にぐいぐい引き込まれ、シリーズを追い続けて10年。昨年ついに完結編が放送されたのですが、実はあえて視聴を避けました。というのも、複雑化する展開にだんだん理解が追いつかなくなっていたからです。それでも、結末は気になっていて、本作の鑑賞も迷いました。でも、やはり最後は劇場でエレンたちの決着を見届けたくて、仕事納めも終わったこのタイミングで思いきって鑑賞してきました。劇場で最後のお別れができて本当に本当によかったです。でも、初見の方にはお勧めしません。全く意味がわからないまま作品のよさを否定されたくないので、興味のある方は事前にある程度の情報を得てからご鑑賞ください。

ストーリーは、…壮大になりすぎて簡単には語れません。あえて、本作だけに絞って言うなら、巨大な壁の中で巨人に怯えながら暮らしていた人類の中にあって、この世から巨人を駆逐するために壮絶な戦いに挑んできたエレンが、壁の外の世界の存在と壁の中の世界の真実を知り、無数の巨人を率いて全人類を抹殺すべく「地鳴らし」を実行するが、エレンを思いとどまらせ、人類を救うため、ミカサ、アルミン、ライナー、リヴァイら、かつての仲間たちが命をかけて最後の戦いに挑むというもの。

鑑賞後、圧巻のフィナーレに感動の涙がとまらず、しばらく席を立てませんでした。どこからどう感想を述べればよいのかもわからず、感動が言葉にならないもどかしさを感じました。壮大な物語の結末を見届け、何か大きな仕事を成し遂げたような満足感や高揚感のようなものがこみ上げてくる一方で、大切なものをなくしてしまったような喪失感や虚無感に襲われ、それらがないまぜとなって茫然としてしまいました。

正直言って、テレビシリーズも途中から理解が追いつかなくなり、仲間たちの言葉に耳を貸さず「地鳴らし」を強行するエレンの心情が全く理解できませんでした。しかし、本作を通して、初めて少しだけエレンの思いに近づけた気がします。憎しみをぶつけ合い、殺し合う人類に嫌気がさし、さらにはパラディ島で苦楽を共にした仲間たちを守りたい一心だったのではないでしょうか。

そんなエレンの思いをくみ、それでもなおエレンの説得を試み、命懸けで戦いを挑むミカサやアルミンたちの姿に涙が止まりません。勝っても負けても喜べない、こんなに辛く苦しく悲しい戦いが他にあるでしょうか。今思い出してもまた涙がこみ上げてきます。また、ミカサたち以外にも、長い長い戦いの中で、己の信念に基づき、何かを守るために心臓を捧げて散っていった多くの兵士たちの姿を胸に刻みたいと思います。そして、改めてエレンに「お疲れさま」と言いたいです。

しかし、地鳴らしが止まり、目の前の危機が去った途端に敵意を向け合う人類の姿に、エレンの命懸けの訴えが虚しく霞むようで心底悲しくなります。エンドロールで流れるその後の街の変遷からは、殺戮の歴史を繰り返す愚かな人類の様子が描かれ、これが現実の世界と重なり、胸が苦しくなります。アルミンに対して「地獄で待ってる」と言うエレンの言葉は、そのまま私たちにも向けられているような気がします。これから何十億という人間が地獄に行くようなことになれば、エレンに申し訳ない気持ちでいっぱいになります。人を恨まず憎まず、ただ愛し続けることの大切さと難しさを改めて思い知らされたような気がします。

ポストクレジットでは、本編とはうってかわって軽いテイストで、現代の様子が描かれます。そのギャップに、本編で得た感動が汚されるような気もします。しかし、これまでの壮絶な戦いが長い悪夢であり、フィクションであったと言えるかどうかは、これからの人類に託されているのだと訴えているようにも感じます。アルミンとミカサが次回作の話題で盛り上がる中、エレンが「お前らと映画観れて楽しかったよ。もし…次回作があったら、また観に行こうな…」という言葉が重いです。

キャストは、梶裕貴さん、石川由依さん、井上麻里奈さん、下野紘さん、三上枝織さん、谷山紀章さん、嶋村侑さん、細谷佳正さん、朴路美さん、子安武人さん、花江夏樹さん、佐倉綾音さん、沼倉愛美さん、神谷浩史さんら。豪華声優陣の渾身の演技が、魂を揺さぶります。

おじゃる
映画LOVEさんのコメント
2025年1月3日

本当に分厚い小説の様なたっぷりな内容でした🥹登場人物の一人一人も主人公の様にしっかり際立ってたし💦戦争をしている国々に観せたいと思ってしまいました😭

映画LOVE