「なんともいえない後味」ミッシング・チャイルド・ビデオテープ bexさんの映画レビュー(感想・評価)
なんともいえない後味
クリックして本文を読む
前評判通りジャンプスケアはほぼ無かったけど、それはそれとして音が怖い。
環境音も、時折鳴る耳鳴りみたいな音も嫌に不穏。
登場人物みんな何かに見られている。山に見られている。
結局主人公の弟は、主人公が見つけてあげられなかっただけの事だろうけど、山の怪異については何も判明しなかった。
山の麓の人たちがいらなくなった不都合な神仏を捨てまくった結果、おかしな力を持ってしまった山になったって事かな。
司が日向の霊がずっと見えていたけど隠していた事とか、日向がいなくなってから両親が誕生日を祝い続けていた事とか、父親が無理して父親役を演じていた事とか、そうする理由は十分に察して余りあるけど、でも傍から見てたら嫌だよそれ。っていうのがあったなぁ。怪異もキモいが人間もキモい。
旅館の息子と敬太が話し合うシーン、良かった。
棒読みのようだったけど、身近な山の異変にショックを受けて何も考えなくなった(何も感じないように努めるようになった)と思えば自然だ。
子供の頃から祖母と仲良くてたくさんお話していたんだろうなとわかるだけに、母親や自分の出生や血の繋がりの根底が揺るがされればそりゃショックよ。
でも根は良い人なんだろうな。
なんだか『近畿地方のある場所について』もそうだけど、山に居るのが神じゃなくて、強いが歪で安易に人間殺す便利な装置みたいになってない?
私は山岳信仰には詳しくないし、山の神の中にも人間の味方になってくれるものばかりでないと思うけど、それにしても敬意が足りないんじゃないのかな。
日本一高い山がある県民、そう思う。
司はなぜ取り込まれたんだろうな。
捨てられた判定されたのかな。
コメントする