ふたりで終わらせる IT ENDS WITH USのレビュー・感想・評価
全57件中、21~40件目を表示
女と男、プロデューサーと監督
♪前髪1ミリ切り過ぎた午後、
あなたに会うのがちょっぴりこわい、、、
松本隆の「赤い靴のバレリーナ」
1ミリの繊細さを歌詞にした楽曲。
『ふたりで終わらせる』は、
感情と論理がミリ単位で繊細に交錯する作品であり、
ブレイク・ライブリーがその両方を巧みに表現している。
彼女の芝居は、微細な感情の変化を捉え、
視覚的に伝える力を持っている。
眼差しや一挙手一投足を通じて、
物語の中で絶えず変化する心情を伝えていく。
ライブリーの芝居の凄さは、
ただの感情表現にとどまらず、
その細やかな動きが観客に深い共感を呼び起こす点にある。
眼差しだけでも、
具体例を挙げると冒頭のシーン。
【実家の部屋を見る】
この一瞬に込められた感情の変化、
彼女は過去と現在、思い出と現実を前にして、
まるでその場の空気を飲み込むかのように静かな心の葛藤を見せる。
その視線の先にあるメモ、
5つの空欄、
単なる物理的な空間ではなく、
感情の膨らみであり、
観客はその繊細な変化、
過去に何か起こったに違いないと感じ取ることができる。
【花屋の候補地を見る】
【完成した花屋を見る】
主人公の感情が次第に膨れ上がり、
彼女の内面の不安や期待がじわじわとにじみ出る。
彼女は1ミリ→1キロ→∞、
それは単なる外面的な変化だけではなく、
心の中で揺れ動く複雑な感情を、
次第にその幅も広げていく。
映画全体を通して、
周りのキャストもまた、
ライブリーの繊細な演技に呼応するかのように細やかな芝居を見せており、
それが作品に一層の深みを与えている。
感情と論理が絡み合い、
最終的に一つの大きなテーマに集約していく過程を、
観客に強く印象づけるものとなっている。
生きる
近しい人がDVに精神を磨耗されているすべての人へ
ドキドキワクワクするような!というよりは、日常の生活で一歩を踏み出す勇気をもらえるような、そういう作品であった。
掃除中の母親の言葉が、本当に、本当に「それはそう」となってしまってつらかった。
終始思わせぶりな態度を取り続ける主人公は、そんなやから…とは思うけれど、病室での旦那との会話でグッときました。
個人的には親友ちゃんが好き。親友ちゃん夫婦、良すぎる。
テーマがテーマなので万人受けはあまりしないかもしれませんが、見て損はないです。
1人で終わらせた…
ヒロインの好演、イケメンも目の保養。
やっぱだめ?
濃厚で味わい深いドラマに清々しさすら覚えました
 大人のビターなラブストーリーを超えて1人の女の成長を描く。精緻な脚本を基に巧妙に人物を配し、一切無駄のない稀有な傑作と言っても過言ではないのに驚いた。なにより古典的とも言える品格ある画づくりで、正攻法を押し通した展開に重厚感すら漂う。今夏米国で大ヒットを記録し、なにやら評価も二分する沸騰状態の本作、やっと日本公開ですが、まるで日本のSONYの宣伝に力が入っておらず公開規模も小さなもので。たしかにド派手映像のみが欲せられる昨今、味わい深いシリアスなストーリーは厳しい興行環境なのは確かですが、出来の良さを前面にアピールすれば大化けもあるでしょうに、実に勿体ない。
 主演に制作まで担ったブレイク・ライブリーの為のブレイク・ライブリーによるブレイク・ライブリーの映画なのは確かです。ちょっぴりチャラい雰囲気が個性の彼女をひたすら美しくゴージャスに捉え、超個性派オシャレなファッションをとっかえひっかえ、ばっちりメイクもあわせて、実にカッコイイのです。その上で他に類を見ない社会問題でもあるDVをしっかり画面に定着させる離れ業をやってのけ、天晴ですね。
 実の父親の葬儀で弔辞を任されたものの、誉め言葉が何一つ浮かばずその場を去ってしまうリリー。どうして?をお預けにしたまま、早々に主人公2人の出会いを描くビルの屋上シーン。傷心のリリーの前に突然椅子に当たり散らす男ライルが登場。「いえ、この椅子は丈夫に出来てまして・・」などと誤魔化すが、さりげなくライルの本性を早々に提示。続く初対面なのにいきなりキスシーンってのも驚きですが、男が脳神経外科医と分かった上での計算でしょう。
 さらにリリーが家庭内暴力から家出したアトラスを助ける高校時代のエピソードが並行して描くことにより、徐々に見えなかった真実が明らかにされてゆく構成がまた見事。扮する若きリリー役が、ブレイクをCGで若くした?ってレベルの激似の若手さんで、これまた驚異のレベル。リリーの母親、新規開店の花屋のスタッフ(バーキンバッグ持って求人ポスターに応募って違和感ありますが)、その夫と兄が絡み恋の駆け引きがヒートアップ。ほとんど一方的にライルの猛攻に対し、いやよ、いやよ、と言いながら焦らし戦術のリリー、そして案の定の陥落に至る。
 で、いよいよそれぞれの抱える過去が、本作の本質であるDVに収斂してゆき、リリーを愛し過ぎた挙句の嫉妬への過剰反応を示すライルに対し、人気のレストランでの手の甲に傷を持つ男アトラスの登場シーンでピークに達する。いいですねぇ、濃厚な男女の愛憎が交差するクラシックな程のドラマが走り出す。昔、淀川長治って映画評論家がテレビの映画番組の口上で、「メニューを差し出した男の手の傷にハッとなるリリー・・・まさかと思いつつ見上ると・・凍り付くリリー・・・」なんてサイレント映画のように詳細を語り出しそうな魅惑の見せ場なのです。
 原題が「IT ENDS WITH US」が曲者で、「US」が邦題は「ふたり」となっているのもまた曲者。終わらせるのは当然にDVの連鎖なのですが、どの2人? その答えが本作のクライマックスで、感動ものなのです。ボストンの美しいランド・スケープが幾度となく挿入され、港もあり舞台として美し過ぎるステージでした。おおよそ3年間のストーリーでのリリーの成長を目撃出来、素晴らしい映画体験でしたと言えます。
 ただ、リリーとライル、リリーとアトラス、どちらでも2人のシーンは殆ど顔のアップの切り替えしの連続。仔細な表情がありありと描写されるのはいいけれど、ちょっと息苦しい程なのが惜しい。さらに当然のように偶然の出会いのオンパレード、偶然がなければ世のラブストーリーは大方存在し得ないわけですが。そしてボストンの街中にフラワー・ショップを開く困難がまるで描かれず、こんなんで経営が出来るはずないでしょとイライラが募る。にも関わらずボストンのニュー・ショップセレクトに選ばれてしまうなんざ、あり得ない。オシャレなリリーはともかく、男どものファッションセンスの無さは如何なものか。ライルのあのジャージはいったい・・・。
 「アデライン、100年目の恋」2015年で魅力全開となったブレイク・ライブリー、「シンプル・フェイバー」2018年で露骨に美女ぶり個性を強調し、美しさに磨きがかかる。一方で「ロスト・バケーション」2016年のほぼ全編ひとり芝居もこなす演技力で、本作でも女の毒と女のピュアをさりげなくこなしてました。彼女の実生活の夫ライアン・レイノルズは本年「デッドプール&ウルヴァリン」で特大ヒット、夫婦揃って全米興行1位と2位を独占なんてハリウッドの歴史でもそうそう無いこと。ライル役のジャスティン・バルドーニは本作の監督もこなしたわけですが、「いい男」ってセリフがリリーの母親から発せられるけれど、ちょいとアラブ系の濃さが鼻に尽きますね。むしろアトラス役のブランドン・スクレナーの方が甘く素直にいい男と私には見えましたがね。
 それにしてもドメスティク・バイオレンスを主題として扱うところが何より凄い事、背景としてなら映画でも幾度として描かれますが。なのにDVシーンを真正面から描かないのもまた本作のテクニックで、心の傷に重きを置いて描きます。この辺りの匙加減が上手くハマってこその大ヒットなんですね。
 仮にもDVのきっかけが妻に拠るものだとしても、夫が暴力に出たらお終いです。暴力は何の解決にもならないどころか、傷を拡げる一方なのですね。こんな女だから男が怒るのは当たり前と書かれる方もいらっしゃいますが、怒ればいいのですよ我慢せずに、ただ暴力の手段には訴えないで。
なるほどのふたり
DV夫はトラウマになる
リリーは、理想のフラワーショップを開こうとボストンにやって来た。リリーが、ビルの屋上で街を眺めてた時に、脳神経外科医のライルと知り合った。そして2人はフラワーショップの定員に雇ったアリッサの兄を紹介され、それがライルで、思わぬ再会を果たした2人は恋に落ち、恋人同士として幸せな日々を過ごしていた。ライルは、リリーの初めての男の話を聞き、その男がボストンで飲食店のオーナーだとわかってから、リリーに対する愛は嫉妬を含み、暴力的になり、それによってリリーは、父親が母親にDVをしていたり、自分の初恋のアトラスを半殺しにした過去、の記憶を思い出した。母とは違う自分の信じる未来を手にするためリリーは・・・さてどうなる、という話。
DV反対をテーマにした作品なんだろう。
弱い人(女性)に絶対暴力を振るってはいけない、それを本作を観て肝に銘じて欲しいとの意思を感じた。
父親の母親に対する暴力、父親の自分の恋人に対する暴力のトラウマを抱える娘(女性)は多いのかもしれない。
リリー・ブロッサム・ブルームって名前だけど、劇中でも言ってたが、ユリの花が咲く、とは笑った。
あのタイミングで別れを切り出す?とは思ったが、逆にあのタイミングでしか、別れろと言う、の言葉は引き出せなかったのだろう。そして、良いラストだった。アトラスと3人で幸せになってほしい。
It ends with us ふたりで終わらせる、って字幕に出たけど、日本語にするの難しいな、と思った。2人で終わらせる・・・赤ちゃんと自分の2人という意味の方が合ってる感じがした。
リリー役のブレイク・ライブリーが魅力的だった。
そして、エンディング曲も優しくて良かった。
切なくて、温かくて、明るい気持ちになる映画
24-135
リリー・ブロッサム・ブルーム
DV問題の話❔
映画のエンドロールで
終わらせることは不可能‼️❓離れることは出来る‼️❓
世の中には二種類の人間しかいない、暴力する人かそうでない人か、暴力する人は死ぬまで治らない生まれつき。
私は男だが妻から数十年殴られ続けた、数年前頭蓋骨折全身打撲入院、保護され、離婚、でようやく解放された、それまで逃げず防がず、多分、殴られる自分にも理由がある、自責に囚われていた、今思うと、マインドコントロール。
映画では、ヒロインの母が、そんな位置関係だと思う、アメリカには多いのだろう、共感されるのは。
ホームレスとか、ほんとは違うんだとゆうにしては残飯漁りしてるし、ヒロインはいつも腹だしてるし、みんな挙動不審で怪しいし、なんか恥ずかしい人たちにしか見えないのは私だけだろうか。
ストーリーは成る程と思いました、ありがとうございました😊
心を打つ作品です。
事前情報なしで鑑賞したので、驚きの連続で、悲しくて楽しくて寂しくて心温まる良い作品です。
殴られる人も殴る人もそれぞれ大変なんだなあと。
自分は普段から、女性が化粧をしているのとスッピンなのとの区別ができないので、前半現代と過去との時間のいったりきたりに気づけませんでした。
それにしても主人公の恋人の妹、親友のアリッサのセリフにアメリカ人の個人主義ってスゲーなと思いました。
辛い過去をもつ兄が親友の夫となり暴力をふるっていることを知ったら、日本人ならもう顔を合わせることができないと思うんじゃないだろうか。
「兄のことを思っているけど、親友としていうけど彼とは別れなさい、そして私はいつまでも親友でいる」っていう境地にはなかなかたどり着けないなあ。
でも、この妹、昔見た人だよなあ、誰だっけかなあと、上映中ずっと考えていて、エンドロールで「ギフテッドで算数の問題だしといて電卓で計算してた先生だ!」って思い出したので、スッキリした~!!!ってのが、全体的な感想と混じってしまったような気はする。
タイトル「ふたりで終わらせる」「It ends with us」の意味を知ったときの深い感動
全57件中、21~40件目を表示









