劇場公開日 2024年11月22日

「愛の美しさと残酷さ、そしてその裏に潜む恐怖。」ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US お茶と同情さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5愛の美しさと残酷さ、そしてその裏に潜む恐怖。

2024年12月12日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

甘く穏やかなラブストーリーの予感を抱かせながら、その裏側にひそむ恐怖がじわじわと忍び寄る、せつなくも息苦しいサスペンスです。

ヒロインのリリーは、一見すると誰もが抱く普通の愛を求める女性。しかし、彼女の人間関係に潜む複雑さが、物語を危うく引き裂いて行く。

ブレイク・ライヴリーの演技は、リリーという人物の繊細な感情をあますことなく描き出し、彼女の幸福を願わせるほど愛おしく映りますが、その幸福の背後には、いつも暴力性の影が立ちこめている。

誰かを愛することが、ここまで不安定で危ういものなのか。

明暗が絡み合う物語の流れは、まるで甘い夢から悪夢へとシームレスに移行するようで、観客を惑わせ、引き込んでやみません。エンディングに到達したとき、残酷にも物語は完結しますが、リリーのその後の姿を、どうしても想像せずにはいられない。

お茶と同情