「それって臭い屁と同じ?」ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
それって臭い屁と同じ?
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花屋を開く夢を持ってボストンに出て来た女性が凄腕の外科医と出会い恋に落ち・・と、ありがちなラブ・ストーリーが進むのかと思いきや、物語は深刻なDVの問題へと踏み込んで行きます。実話に基づく小説が原作なのだとか。
本作はこの問題の複雑さを正面から丹念に描いています。暴力を振るう男は如何にものヤクザ風に限る訳ではなく、社会的地位や年齢・経歴によらないのです。また、その家庭にDVがあるのかどうかは一見して直ぐには分かりません。暴力を受けている本人も「いや、あれはDVではない」と思い込もうとする場合があるし、それと認識しても「でも家を出て行く事は出来ないから」と耐え忍ぶ事もあり得るのです。
それにしても、洋の東西を問わず家庭内の暴力がこれほど話題になると言う事は、そうした事態が珍しくはないと言う事なのでしょうか。周りを見回してもそれらしい家を見た事はありません。いや、それこそがこの問題の難しさなのでしょう。
あまり、話題にはなっていない様ですが、特に男性は観ておくべき作品だと思います。このタイトルの意味が分かる終盤にはズンッと腹に堪えます。
ちなみに、そんな事自慢になりませんが、僕は妻に暴力を振るった事はありません。たまに臭い屁をこぐと「ワッ、DV、DV」と騒がれる程度です。「これは出物腫れ物所嫌わずだから」と言ってるのですが、いやもしかしたら、DV男にとっての暴力って僕の屁と変わらぬ様な気安さなのかなと考えると、ちょっとケツがもぞもぞして来るのでした。
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