「【”一度、愛した女性を傷つけるなんて男として絶対に赦せないよ!でもなあ・・。”今作は、純愛ラブロマンスを絡めたシーンテンコ盛りの、DV撲滅運動奨励映画でありました。再後半の数シーンは沁みたなあ。】」ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”一度、愛した女性を傷つけるなんて男として絶対に赦せないよ!でもなあ・・。”今作は、純愛ラブロマンスを絡めたシーンテンコ盛りの、DV撲滅運動奨励映画でありました。再後半の数シーンは沁みたなあ。】

2024年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

■リリー(成人になってからはブレイク・ライブリー)は、幼い頃から市長の父が母に手を上げる姿を見ながら育って来た。
 故にか、高校時代に母親が暴力的な男を連れ込む事に嫌気がさして、廃屋に住んでいた同じハイスクールバスに乗るアトラス(成人になってからはブランドン・スクレナー)に、寝袋と食料をそっと提供し、そのうちに恋に落ちる。
 成人して、リリーは父の葬儀の為に久しぶりにボストンに帰って来る。だが、葬儀に来た人たちの前で”父の良い所”を述べる事無く、”ゴメンなさい。”と言って立ち去るのである。
 そして、ボストンに念願の花屋をオープンし、ボストンに帰って来た際に出会った脳神経外科医のライル(ジャスティン・バルドーニ)の姉アリッサ(ジェニー・スレイト)と共に働き出すのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・私見であるが、DVをする人は精神的にダメージを受けている人が多いと思っている。今作のライルが正にそれで、屋上で出会った際に何があったか知らないが、椅子を激しく蹴り上げた後に、笑顔を浮かべて、座っていた美しきリリーに言い寄って行く姿。衝動的暴力行動を取ってしまう男である事が分かる。
 間違いなく、彼が6歳の時に父親の銃で兄エマーソンを撃ち殺してしまったトラウマが原因であろう。ライルの職業が脳神経外科医という設定も、シニカルであるが彼の秘めた哀しみと深い後悔を表していると思う。

・高校時代のリリーとアトラスが親密になって行く過程が、しっかりと描かれている所が後半に効いてくる作品構成も巧いと思ったな。
 初めての相手って、ナカナカ忘れられないよな、と思っていたらアトラスがリリーの事を想っていた理由がもっと深いモノだったと再後半に分かった時は、沁みたなあ。

・ライルがリリーを愛していたのは事実だろう。
 だが、彼がアトラスの存在を知り執拗にリリーに対し、ボストンの新進気鋭の店のNo1になっていたアトラスの店の紹介記事を”読め‼”と言って迫るシーンや、アトラスが”何かあったら・・。”と言って渡しておいた電話番号のメモがリリーのスマホに入っていたのを見た時に逆上する姿は、矢張り病んでいるよね。
 それはライルにより階段から突き落とされたリリーに対し、ライルの姉アリッサが"弟の心は病んでいる。貴女は親友だけど、別れないと・・。”と忠告するシーンからも伺えるよね。

■ライルの子を身籠ったリリーが、彼と別居をしているアパートにライルがやって来るシーン。冷や冷やしたけれども、ライルは精神が安定していれば、イケメンの良い男なんだよね。一緒に生まれて来る子のために、ベビーベッドを組み立てて、リリーが”触る?”と聞くと嬉しそうにリリーのお腹を撫でる優しそうな表情。
 そして、彼が務める大病院での出産の時も彼は、リリーの腕を握りながら支えるんだよね。けれども、娘が生まれた時にリリーはライルに”名前はエマーソン。エミーと呼べるでしょ。”と言いながら、ライルに離婚を告げライルもそれを受け入れるのである。
 哀しいけれどもリリーの強さと、ライルの自分の衝動的にDVしてしまう理由を受け入れて去る姿が見事に描かれていたシーンである。

<ラストの2シーンも印象的である。
 リリーは母と亡き父の墓参りをし、”別れようと思わなかったの?”と母に聞いた時に母が答えた言葉。”別れる方が、大変だったんだよ・・。”
 そして、リリーが幼きエミーと歩いている時に偶然出会ったアトラス。
 アトラスが言った”廃屋に住んでいた時に、命を絶とうと思っていたんだ。そこに君が差し入れをしてくれたんだよ。”という台詞は沁みたし、リリーが”今でも一人なの?”と聞いて優しく微笑むアトラスの表情には涙が出そうになってしまったよ。
 そして、歩み寄る二人の姿と笑顔のアップで暗転するラストシーンも、良かったな。
 エンドロールに流れたテロップがDVに苦しむ人たちに届けば良いな、と思った作品である。>

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■どーでも、良い事
 ・今作を撮影中に、ライアン・レイノズルが妻の事が心配でチョコチョコやって来て、ラブシーンになると”俺ちゃんは、赦さないぞ!”と言って、ギャーギャー騒いでいたかどうかは、私は知らない・・。

■改めて、思った事
 ・ブレイク・ライブリーを初めて劇場で観たのは「ロスト・バケーション」(個人的に、サメ映画の逸品だと思う。)なんだけれど、変わらずに美しく魅力的な女優さんだと思ったな。

NOBU
うさえさんのコメント
2024年11月26日

コメント、ありがとうございました。
主人公と同じような状況の人を勇気つけたり慰めたいという制作側の想いが伝わる作品でしたよね。
見ていて辛かったものの、私も見て良かったです。
明けない夜はない、その通りですよね。
優しい言葉をありがとうございます🥲✨

うさえ
ゆ~きちさんのコメント
2024年11月24日

コメントありがとうございました。

最近全然映画行けてなくてすみません、観たいの、たくさんあるんですが😭。相変わらず素敵なレビュー、嬉しいです。男性の感想に興味がありましたが、Nobu さんの優しさが伝わりました。

ゆ~きち
ノブ様さんのコメント
2024年11月24日

おはようございます☀️
DVシーンがメインと過激じゃなくラブストーリーに重きあって良かったです。最後のシーンは染みましたね。

NOBUさんのレビュー評価見えちゃいました。ラブアクチュアリーが楽しみなんですが、期待上がりました。滅多に出ない5.0ですし!

今週本命が日曜にされたんですね!
何なのか気になりますー

ノブ様