「過去の日本の風景... ってか?」ゴミおばけがやってきた Paula Smithyさんの映画レビュー(感想・評価)
過去の日本の風景... ってか?
ドイツのCGアニメの稚拙さは、幼い子供たちにとってはそんなことどうでもよくって、面白ければねって... と思っていたけど、子供をいかなる媒体からをも守るをモットーにしている非営利組織コモンセンス・メディアに言わせると8才から視聴が望ましいらしい... っ て ことは、話が変わってくる。体力や免疫力がついてきて、周りの環境に順応し成長が促されるのに伴って自我が確立され、しかも精神的に「小さな大人」のような発言をするようになるということは、そんな "こまっちゃくれた" 野郎たちにとっては、「こんな子供だまし」の映画なんてと言いかねないかもね!? さらにそれによいしょをするように...
顔や体全体が黄緑色で鼻は団子っ鼻で、頭の周りには絶えずハエが飛んでいる... しかもゴミを美味しそうにムシャムシャ食べて、お供のドラゴンは "お・〇・ら" で空を飛ぶって... なんて、聞いただけでもキショ過ぎるってか? 見る前からほんとどうしよう? 好きにはなれないタイプなんちゃって⁉
でも、ねぇ。しかし、ねぇ... ?
この方たちは... 最高です。(※ある宗教団体の教祖のおっちゃんが毎日のように言っていたモットーではありませんけど何か?)
それと
アメリカのフェミニストにして社会学者のジェシー・バーナードが1980年のセンサスから
The general structure of the "traditional" American
family, in which the husband-father is the provider
and the wife-mother the housewife, began to take
shape early in the 19th century. This structure lasted
from the 1830s to 1980, when the US Census no longer
automatically denominated the male
as head of the household.
いわゆるアメリカの伝統的家族構成が150年で崩壊したと彼女はのたまわっているけど... あたしは決してジェンダーの役割について否定的ではないのを言い訳に... 映画紹介ではアルヒーと呼ばれていたけどアグリーにしか聞こえなかったこの怪物?お化け?達が優しくて可愛いぐらい無邪気で元気なおばあちゃん、おじいちゃんのいるアメリカではもちろんのこと日本でも見られなくなった3世代がドラゴンと仲良く暮らしている... ただ、いつも人間から疎まれ厄介者として、街を出ることになり次から次へと移動する羽目になってしまうのが玉にキズかな? (※ただし、原作者エアハルト・ディートルの「ゴミおばけ」シリーズの解説を読んでみると彼らオグリー達は、既にスメリーヴィルの住人になっていて、そこから時間を飛び越えたり、いろいろな場所への冒険へと旅立つエピソードを綴っていた。)
かたくるっしく言わせてもらうと... アンデルセン童話『みにくいアヒルの子』で見られるように、またそれはアル・パチーノが、映画『City Hall (1996)』の中で
Mayor Pappas: Be careful how you judge people,
most of all friends. You don't sum
up a man's life in one moment.
つまり、何が言いたいかは教訓話を軸にしたグリム童話『シンデレラ』物語のメタファーとして
"Don’t judge Cinderella" という比喩的でその共時性が、オグリー達に対しての外見だけにとらわれないというこの映画の本質とあたしは捉えている。しかし、そうは言ってもユーモアの中にグロな表現もあることで、思いやりや共感するシーンに多少影響を与えているのも確かで、その最たるものがラストのシーンなんだけど... あたしにとっては☆1ぐらいの違和感があった。付け加えると本作の唯一のビランを買って出ている開発会社のハンマーさんがライカに出てくるキャラに被っているようにも個人的に感じてしまう。
ところで話は道をそれます。そのライカと言えば、直近の映画『Missing Link』で1億ドルの赤字を出したために映画作りがもうだめじゃないかと思ってたけど2025年には『Wildwood』が公開されるらしい。よかった、よかった。(※結局、ライカの映画の中で一番最初の『コララインとボタンの魔女 3D』がボックスオフィスでは最高額となっている。)
本作をエコを含めた思いやりの映画としては、どうしてもあたしにはそうはみれない!? ...だって、何故って
高度成長期に現実にあった(現在もあります)日本の人工島『夢の島』の話とその島の成り立ちから現在に至る歴史を紐解くとスメリーヴィルでは悪臭がしているようにクリソツなんですもの!? (※ハエの大群が東京の江東区にまで)
ドイツから遥か9000キロを超えてしかも過去に戻ってドイツの方々が見て来たようにしか、あたしには考えられない。だから
"あ~ぁ、嫌なものを見せちゃった" なんてね?(※現在は見違えるように環境整備がされています。)
南の島で働いていた時には、NHKもしないできないテレビにも番組の始まる前に視聴制限の表示があった。
「視聴制限 "G" と "PG" の違いなんてそう大したことはないので考える注意する必要がない。」なんて言う御仁もいる。でもあたしから言わせるとただの表示として考えるのではなく、親と子が映画について話し合えるいい機会なのかもしれないと思ってもいる。
この映画には多少、子供に影響のある暴力的なシーンもないとは言えない。それでもこの映画の良さは、人を外見だけで区別をしてはいけないという素晴らしく普遍的な言葉の存在が大きい。
説教じみて来たので失礼します。