「#田舎移住」嗤う蟲 なつ あらすじとツッコミさんの映画レビュー(感想・評価)
#田舎移住
この橋、麻宮村に続く1本道なんだよ。
あぁ〜早々にフラグを立ててくれたよ〜
話が早くて助かる〜
と、序盤から不気味さフルスロットルだな。
キラキラとした期待を持って村に入る車をカカシが見送り、入ると色合いがグンと特有の湿度になる。
脱サラのテルミチと妻のアンナ。
綺麗な虫を見かけ、俺たちを歓迎してくれるんだって笑いあい、インスタに載せる2人。
しかし、歓迎してくれるのは最悪な害虫もである。
やはり若い人がいない村では、別の苗字を下げる事や在宅のイラストレーターは理解できない模様。夫婦別姓はまだデリケートだけど。
しかし、顔合わせ早々に子供の話をされお店では妊娠検査薬をポケットに突っ込まれる。
気持ち悪っ!視聴しながら思わず呟き、食欲がなくなった。これが妊ハラってやつかーーー!
違和感アリアリな村でも引越しちゃったし、脱サラしてるしで仕方ない。
かぼちゃにそんな効果があるとは驚きだ。
気持ち悪いほど歓迎され、気持ち悪いほど妊娠を望まれる。閉鎖的でどこで何をしても誰かが見ていて全てをタクボが握ってる。農地、農薬、野菜の通販すら制限される。蜘蛛の巣に絡め取られるように2人の生活は変わっていく。
お陰で夫婦仲も速攻でギスギスしていく。
先に変わるのがテルミチ。隠れて電子タバコを吸い紙タバコを吸う。
夢だった無農薬野菜をやめ、付き合いは必要だと言い少しずつタクボの示す道へと誘導される。事故を仕込まれ追い込まれ大麻作りに加担。じっとりと村の人間の色に染まっていく。大麻を吸うチリチリと音がする。
アンナは晴れて未籠るが、ありがっさま!と言われ皆してベタベタとお腹を触ってくる。これはセクハラ…
パーソナルスペースは皆無。
気がついたらアンナのお腹はぽっこり。自分で作るポテトチップをポリポリ食べる虚な瞳。
男の子誕生!なんと!一年もこの村にいるのか!
村の女達に変わるがわる抱かれる我が子。不安そうな瞳。
他人が勝手に家に入り我が子の世話をする…
産休したら?やっぱり育児は母親がするもんでしょ。おいおい〜今ヤバい事言ったぞタケミチ。
言った言葉は取り消せない。ごめんではすまないものだ。
休みを取りたいと一言告げるだけで村八分。
夫の仕事を知り耐えきれず家をでるアンナ。
パトカーが道は道を塞ぐ。完全に村から出られない。
他人に抱かれた我が子の向かいでアンナは嫌いなかぼちゃをゆっくりと食む。この頃には夫婦共に目も落ち窪み会話も無くなる。
2年目の祭りの日、アンナは大麻の画像を撮り松明にそれを大量に詰め込む。
燃え上がる炎、大きな筒を持つタケミチは目の端に己の妻子を見る。
執拗に子供を取りにくるタクボの頭上から血がたらり。そこには夫の姿。
大麻を作り、殺人を犯し、何より妻子を大事にしなかったタケミチは最後の逃げ道を作り一言、ごめん…
それはたぶんその一言でアンナから許された言葉。
横には愛する息子、後ろには愛する夫と愛犬。全てを村から取り戻したアンナ。
背後では笑い踊る村の蟲達の影。
横切るパトカー、踊りながら燃える村、大麻、殺人。
村の出来事が全てタクボの思い通りになったように、今度はアンナの思い通りになる。全てがなかったことに。
そんな村を今度はアンナが嗤う。
帰るよ…
スローライフとか流行ってたりするけど現実をちゃんと見て計画的に生活しよう。
わたし好みのクレイジーな役をしていただけるのが佐野史郎、リリーフランキー、でんでん、田口トモロヲである。
なので、今作も最高なクレイジーを演じていただきありがっさま。
