「ありがっさま」嗤う蟲 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがっさま
失敗ばかりしている三橋(松浦)は田久保に叱られてばかり。その三橋は村が唯一合法的(?)に認められた大麻栽培を請け負っていたのだ。火祭りの夜、飲酒運転で帰る上杉輝道が田舎道で轢いてしまい、死なせてしまった。田久保の入れ知恵によって自殺として見せかけたはいいが、三橋の妻(片岡礼子)が上杉家の隣で首を吊ってしまう。
徹底したムラ社会描写。しかも滲み出てくる悪意ばかりの描写はエグい。かつては崖崩れで壊滅的な被害を受けたことから、人口も減り、非合法な大麻栽培によって村の財政立て直しを図った経緯があった。若者がいないという状況の過疎地はどこにもありそうだが、村人たちの年齢からするとまだ大丈夫のような気がする。それほど高齢者もいなさそうだったし。
夫婦別姓のままだった杏奈とテルミッチ。もしや選択的夫婦別姓がいつかは認められる未来の日本を想像させる設定だったのか、村社会の封建的な思想と対比するために描いたものだったのかは分からないけど、最初から考えさせられることばかり。三橋にしても移住してきたらしいし、駐在さんにしてもそうだ。最初から村八分にするつもりはないんだろうけど、どこかで試されていたんだろうなぁ。若夫婦に子供が出来たことで、一気に村全体で受けられる方向になったのも面白い。
三橋轢き逃げ事件はわかりやすいほど仕組まれたものだったけど、テルミッチの農作業の失敗も仕組まれたものだったんじゃないのか?と疑ってしまった。窓ガラスを割ったのも犯人は別にいるような気がするし・・・
共感ありがとうございます。
村長の息のかかった人のアドバイスだと失敗させる企み濃厚ですね。
赤ん坊が村全体のモノ!と言い出す所は正直ぞっとしました。
カボチャは自分も苦手・・。

