劇場公開日 2025年1月24日

「例のラブホは出てくるか?」嗤う蟲 Lhowonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0例のラブホは出てくるか?

2025年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

田舎に移住した若い夫婦が、いびられる話です。
ホラーに分類されているので、そのつもりで見に行くと評価が下がるかも知れません。デヴィット・フィンチャ−の映画は「怖い」より「いやな感じ」じゃないですか。それに、PG12ですよ。

邦画のホラーは、超低予算とか、有名なキャストがでているけど大根なせいで興ざめするとか、怪異の造形が残念な感じとかあるじゃないですか。そうならないようにするには、黒澤清みたいに、種明かししないとか、コメディーに振り切るとか。本作はそれをせずに、普通な映画としてとっています。

十分怪演ができる田口トモロヲ・杉田かおる・松浦祐也がギリギリ押えています。主演の二人の職業も今風の意識高い系にしすぎると鼻白んでしまいますが、根性なしなところがようです。撮影も凝った証明にはせずに、淡々と田舎を切り取っています。衣装もわざとらしさがなく、何か意味を持たせたりしていません(僕がバカで見落としているのかも。)。そのおかげで、一番最後車窓からの映像が揺れるせいで気持ち悪くなってしまいました。単に自動車に乗っているというだけなのに。わざとそういう編集しているならすごいです。

あと、僕はタバコの使い方が下手な映画の評価をすごく落とすのですが、これは意味ある使い方のなので評価できます。

田舎のドラマなのでどこで例のラブホがでてくか期待していました。今回はどうでしょう。無人島の映画ではもちろん出てきませんでしたが。

僕の仕事は田舎に行くと、歓迎された後に、期待を裏切ったといわれて追い出されたりするので、真実味をもって、イヤな気分で見続けることができました。城定監督はどんな映画をとっても本当にうまいなと思います。

Lhowon