「面白いじゃないか」嗤う蟲 まつこさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いじゃないか
大好きな城定監督&若葉竜也、んでキャストも田口トモロヲや松浦さんとか出てたので即観に行きました◎
私は閉鎖的村系ホラーやご近所・コミュニティトラブル系ジャンルが本当にムカつくので割と敬遠しがちなんですが、たまにラストがスカッと終わるやつもあるのでそれも期待しつつでした。(でも、数日間引き摺るようなトラウマ系胸糞系の場合もあるので、それもびくびくしつつ…。)
結果観たら、ちゃんと面白いのに、(私的に)やり過ぎてもない感じで、まぁ何度も罵声浴びせたいようなムカつく展開はあったのですが、この作品は「ただ気持ち悪くする」とか「ただ胸糞展開にする」とか浅はかに観客にこういうの観たいんでしょみたいな作りにはしてなく、ちゃんと主人公夫婦も村人も、人間らしさや性格などがあって、2人の背景も村の歴史・背景もあった上でそれぞれの思いや行動がありそこは良かったです。
竜也くんの役はどんどん村に取り込まれてく役で、これまで普通の人の役、いい奴の役とか人殺し役、会社のヤな奴の役などどんな役演っててもやっぱこの人好きやと思ってたけど、こういうやばい土地に来た時に取り込まれてっちゃう役は嫌だなぁと思った笑。それがあるから村系作品は怖く、その怖さが良いとこでもあるんだろうけど…。深川麻衣演じるその妻であり主人公は村の違和感をずっと感じて反発しようとする思いがあって…。でもこういう人って観てる側からするとただただどんどん被害者に、それこそ村八分になっていって、主人公目線でどうしても観ちゃうこちら的にはキツいなあとなってくんだけど…。この子はちゃんと頭良い行動起こせる人だったので、私の数日間の引き摺り不安は払拭されました。まじ良かった…。
田口トモロヲ演じる、実質村を牛耳る田久保さんがこの作品の肝であり怖さを作ってる重要人物。初めてポスターを見た時は、邦画好きなら誰もが思う、冷たい熱帯魚のでんでん?!って感じでゾクゾクわくわくした。結果あのでんでんほどの怖い人ではなかった(別にバラバラ殺人してる系の人じゃなかった)。でも田久保さんを演じるのが田口トモロヲで良かった。田久保さん嫌だったけどさ…笑。怖い役って演技上手い人が演らないと、お笑いになり過ぎちゃう場合があるから。
※↓この辺からは作品の直接的な感想ではなく過去に観た映画などを交えながらの独り言みたいな感想です※
若葉竜也×深川麻衣は、みんな大好きわたしも大好きな映画・愛がなんだのモヤモヤした関係の2人を演じてた2人だったので、この共演は嬉しい。あの映画から6年も経ってるのにナカハラ君結ばれてるやん、な感慨深い気持ちだった笑。嗤う蟲が激毒トラウマ級だったら愛がなんだを見返して心を落ち着かせようとか思ってたくらい。田口トモロヲの田久保さんは、見た後、植物男子ベランダー見返して心落ちつかせよ…とは思った笑。
松浦祐也良いねぇ、松浦祐也の良いところが出てる役どころだった。可哀想な役ではあったけど…。松浦さん片岡礼子夫妻も、あの村の被害者だったしね。つらかった。片岡礼子といえば、同じ村系の「楽園」にも出てたなぁと思い出した。「楽園」はスカッとが無く好きな作品にはならなかったけど、この「嗤う蟲」は主人公のお陰でこちらも助かったよ…。(この作品を観て数日後に発表された深川麻衣主演作。若葉竜也も片岡礼子も出てる…嬉しい)
好きな監督が撮って好きな人たちが出てる映画。ちゃんと面白くて、怖いけど塩梅も良く、観れて良かったです◎