劇場公開日 2024年11月22日

海の沈黙のレビュー・感想・評価

全174件中、41~60件目を表示

2.5豪華なMV、といっては失礼だけど

2024年12月6日
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鑑賞方法:映画館

音楽がよかった。主人公の画家(本木雅弘)の最後の絵が良かった。贋作を作りつづけた彼が最後に描いた渾身のオリジナル。この映画のために描かれた「小道具」の一つなのだろうけれど、本当に良い絵だと思った。ラストシーンは美しい。
とても豪華なMVだと思ってみればいい、と言ったらあまりに失礼か。

痩せさらばえ、死にかけている画家になりきった本木と、彼に生涯尽くし続けた「番頭」の中井貴一は良かった。石坂浩二の演じた画家は、本木の同級生(!)、おそらく中井貴一より年下、という設定だったようなのだが、当然のことながらそうは思えないので、中心人物たちの人間関係が理解できず混乱する。キョンキョンと夫婦というのも、「有名な画家と、親子ほど年の離れた妻」だと思うから、普通の夫婦じゃなくて裏があるんじゃないか、キョンキョン演ずる女性もダークな側面があるんじゃないか、と無意識に思ってしまう。むろん石坂浩二に非はないが、明らかにミスキャスト。中村トオルがあの役をやれば良かった。

清水美沙と若い女性については、刺青とか「美」とかよりも、死が真近に迫った老人の妄執、若い女の肌に対する凄まじい執着にみえる。永井荷風や谷崎を思い出すまでもなく、老人というのはそういうものなのかもしれない。それはそれでいい。しかし、主人公が語る「美」とはずれている気がする。

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Tama walker

5.0美を描いた美しい映画

2024年12月5日
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鑑賞方法:映画館

倉本聰89歳。直近のインタビューでもしっかり語っているし、いまだにタバコ吸ってるし、とてもお元気なのですが、さすがに映画はこれが最後ではないかと思います。
まずは60年間向き合ってきたこの作品を完成し、公開できたことに賛辞をお送りしたい。
なので石坂浩二と本木雅弘が同窓の役は無理があるとか(→石坂浩二は20歳ほど若作りし本木雅弘は5歳ほど老け作りしたので問題なし)本木雅弘が贋作描きながら刺青の彫師である必要はない(→刺青も芸術のひとつ。父から受け継いだ才能なのです)などの話は、みんな飲み込みます。

映画の主題は「美とは何か」の1点に集約されており、さまざまなエピソードは「美に行き着く」為に用意されている。象徴的な出来事として語られる津山竜次が学生の時、金がないからキャンパスが買えないので師匠の作品を塗り潰し絵を描いた事件は倉本聰が有名な画家である中川一政の実話から導き出したものであるが、その塗り潰した絵がたとえピカソやセザンヌでも新しく描く絵が素晴らしいものであれば何も問題はない。美とはそういうものだとのことです。
そして、最後に津山竜次が描ききった大作はどうしても欲しかった赤の色は(自らの吐血で)たどり着いたものであった。本木雅弘の凄まじい演技であった。寄り添っていた中井貴一演じるスイケンも良かった。
小泉今日子も清水美砂も菅野恵(新人)も皆んな良かった。
素晴らしい映画、ありがとうございました、。

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アベちゃん

4.0美は、沈黙する

2024年12月5日
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稀代のシナリオ作家倉本聰氏、今作で描こうとしたテーマ
[美]とはなんぞや。美とは利害関係があってはならず、美の価値は、ある特定の人々によって決定されるものではない。
美は美であってそれ以上でもそれ以下でもない。
ラストに至るセリフ、また、インタビューなどでもそう答えておられる。
ひいては、物事事象の一断面のみを切り取り、それだけで判断し行動、発言しがちな現代社会の私たちに対するアンチテーゼでもあろうか。

今作、物語は世界的画家の展覧会における贋作事件。それにより、画壇を追放された1人の才ある画家の姿が、立ちあらわれてくる。
映画のシナリオは説明的ではない。放逐された画家津村と田村の過去の確執、津村と彼を支えるスイケンとの関係、清水の存在、かつて恋愛関係にあった田村安奈とのエピソード…など多くを説明的にみせることはせず、観念的にかなり寄ったシナリオだ。

北の国から、やすらぎの郷シリーズなどとは異なったアプローチである。

キャスト陣が素晴らしい。
画壇を追放された天才画家津村を演じる本木雅弘。時に静謐、激情に振れる余命いくばくもない孤高の画家を、秀逸に演じる。支えるスイケンの中井貴一の圧倒的存在感。小泉今日子の、静かにしかし激しい想いをひめた演技。石坂浩二、清水美砂、仲村トオル、など名優ぞろい。

監督若松節朗。初期作ホワイトアウトで日本にも大作アクションを撮ることができる人がいるのか、と驚いたが、
あれから20数年、沈まぬ太陽、などの大作からTV人間ドラマまで幅広く監督している。近年見たTVドラマ、ガラパゴス。そのメッセージ性も相まって、ダイレクトに胸打たれた。
今作もまたスケール感の大きな画作りに、人間の運命、繊細な感情をスクリーンにやきつけている。

劇中、今際の際で津村が見るゴッホとの夢。
津村が描いた絵画をゴッホが良い作品だろう、と言う。
今作の核ともいえるシーン。

自らの価値観に対するゆらぎ、現代社会への挑戦ともいえるメッセージ。

自らに問う。お前は本当に美しいものをみたことがあるのか、と。

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たま

3.0ウーーム

2024年12月5日
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この作品、2時間でまとめるのに無理があると思った。
美術品の贋作騒動に彫り物、過去と現代の行き来と散らかってる印象ばかりが気になった。
本木さん、小泉さん、中井さんなどなど役者は揃っているのにもったいない。
中井さんは、嘘八百のキャラとかぶっているし、仲村さんは、あぶデカのキャラのまま?
見てからもなんかモヤモヤだけが残る映画でした

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Fighters1110

3.5もう少し長くなっても良いから、 それぞれの人物の背景とか、 結びつ...

2024年12月5日
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もう少し長くなっても良いから、

それぞれの人物の背景とか、

結びつきとか、

その辺もっと詳しく書き込んでたら、

もっと良くなった気がする

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jung

3.0倉本聰さんなりの美へのこだわり

2024年12月5日
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ゆり。

5.0海の沈黙

2024年12月4日
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さすが倉本聰さんの原作です。
それを忠実に映画化し、加えて豪華な俳優スタッフが素晴らしい演技で彩った作品でした。

鑑賞前の評価では、あまり高くなく、期待したほどではなかったとの低評価でしたが、全くそんなことありませんでした!

受け止めは個人差がありますが、価値ある作品と思います!

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じゅん太

3.0海のはじまり‼️❓silent‼️❓特茶‼️❓

2024年12月4日
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貧すれば盗み、贋作詐欺を正当化、芸術や人間性を貶め、何を感じれば良いのだろう。
キャンバスが真白である意味がわかるのだろうか、我思う故に我あり、自我すら無い人間に芸術を語る資格は無い、ゴツホやダビンチに比べて勝つなんて考える人間は芸術を語るべからず。
演者に罪は有りません、主役もみんなも、それなりに良い演技です。
本木ファンならどうぞ。

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アサシン5

3.5大体予告通り

2024年12月4日
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2024年劇場鑑賞317本目。
出演俳優は脇役に至るまでやけに豪華ですが、内容は予告で想像出来る範囲を超えないレベル。中井貴一が予告では出ていることに気付かず、作品によってはちょっとわざとらしい演技が鼻につく時もあるのですが、今ドラマでやっている「海に眠るダイヤモンド」の酒向芳みたいな秘書役だとめちゃくちゃ味があって良かったです。
後本木雅弘が石坂浩二と同格の重厚さを身に着けていたのも驚きでした。でもストーリーがなんか深いようで浅い・・・。

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ガゾーサ

1.0やはり・・・

2024年12月3日
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期待をして鑑賞に臨みましたが 中盤で、やはり 寝落ちしました 。倉本氏の作品には優れた役者が必須だと思います。高倉健、萩原健一、田中邦衛、いしだあゆみと言った素晴らしい先人たちのセリフのないシーンの芝居を見るだけでも、楽しめた作品が多かったと思います。今の時代にそれを求めるのは、やはり難しいのだろうと感じさせられた作品でした。

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右曲がりのダンディー

3.5美しさ

2024年12月3日
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本当の美とは、贋作が意味するものとは、芸術の素養のない私には難解なところもありましたが、この作品の場面場面の映像の美しさは分かりました。

陰な生涯を余儀なくされた津山でしたが、周りの雑音を気にすることなく、支えてくれる人たちと一緒に自身の感じる美を追求するように過ごせたことは、多くの人にとって羨ましいことですよね。

画家ですから言葉少なな様子は真に迫っていましたが、どんな思いで暮らしていたのか、最期を迎えるにあたって心情にどんな変化があったのか、もう少し説明があっても良かったかなと感じました。
特に、安奈さんのことは結局どう想っていたのよーというところは消化不良な印象でした。

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Eiji

4.5平凡な展開の良作

2024年12月2日
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jax

4.0若い頃から観ていた俳優の今

2024年12月2日
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倉本聰の作品にハマった事が無かったので当初観るつもりがなかった映画

いざ観てみると
56の私が若い頃から知っている演者達が良い年齢の重ね方をしているなぁなんて思いながら観れました

ストーリーは色々思う所は有りますが時を忘れ作品に没頭出来た、そういう意味では良い作品だった
若い人には受け入れられないかも…とも思った

本来、年寄りの長髪、無精髭が虫酸が走る程嫌いですが(汚らしい)中井さんや本木さんは格好良いですね

各配役に魅力が有り演者の演技も良く最後まで飽きる事無く観れました

映像が綺麗だったのも高評価

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pantara

4.0贋作とは....

2024年12月2日
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知的

世界的な画家・田村修三の展覧会で贋作が展示されていることに田村本人が気付くところから物語は始まる。
会期中にもかかわらず田村が公表したため贋作事件の報道は加熱する。
.
.
余命いくばくもない重病を抱えつつ津山竜次が最後に描き上げた大作は圧巻だ。

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かおる

4.0重厚で美しい映像のオムニバスであるが・・・

2024年12月2日
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幸せ

60代の私としては面白かったです。2時間、映像世界に浸れました。
モックンは最高だったし、海の映像も入れ墨のお姉さん2人も良かった。キョンキョンも久しぶりに見られた。
でもストーリーは無理やり感が強かったです。
・作家が会期中に贋作だとは言わないよ。後で調べれば良いこと。
・地方美術館の学芸員の自殺もないな。最近は贋作でも贋作として展示される。
・入れ墨女の登場は無理やり感が強い。モテ男だと示したいだけ。
・作品の上に別の作品を書くというアイデアも、インターポールの登場も、原田マハのベストセラー小説で書いていた。
ということで映像5点、脚本3点で4点としました。

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センノカゼ

3.0アレは超えられないのわかってるけど観ちゃった。

2024年12月2日
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まあ皆さんと同じ感じです。
悪くはなかったけどすごく良かったとも言えない。
私若い頃美大に通ってたのですが、やっぱり絵に関して様々な向き合い方があるからちょっと熱血な人を見ると距離置いちゃう。皆んなもう少し冷静だった気がする。病気ってのも有りうる事だけど少々古臭いかなぁ。親が刺青師ってのも何処かエロ取ってつけた感ある様に思う。

本物とか偽物とか、価値の違いがあるのは当然だけど
「美」という物差しで見ると必ずしもそれだけで価値を判断できないよって話です。

私は「マークスの山」以来悪い中井貴一のファンです。

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masayasama

3.0悪くはないのだけどなんか変な作品。それいる?っていうカットとか、中...

2024年12月2日
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悪くはないのだけどなんか変な作品。それいる?っていうカットとか、中途半端なエピソードとか、多分、2時間で描きれなかったものが変な方で残ってしまったんだろう。もったいない。

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ghostdog_tbs

2.0もっと作り込んで欲しかった

2024年12月2日
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難しい

寝られる

ミステリー的な展開を期待しつつも・・
その要素はほんのわずかで
正直わかりにくかったです
人間関係もやや唐突で、繋がりや背景も希薄なまま進むので、モヤモヤもしました
モックンの鬼才ぶり?もそれほどでもなく
まあ、美術とはそういうものかと思いつつ
でも映画だからわかりやすくするか、
もっと作り込んで欲しかった

大御所さんの構想まではいいんでしょうけど
ディテールの詰めが今ひとつで
感情移入できませんでした

映像でなく小説の方が向いてたかも?

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タケミカンパニー

3.5美を求める男の生きざま

2024年12月1日
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難しい

寝られる

予告を何度も観て、内容と出演俳優陣に興味をもった本作。重厚なヒューマンドラマが展開されることを期待して鑑賞してきました。公開週は所用で時間が取れなかったため、2週目の鑑賞となりましたが、客入りは悪くなかったです。

ストーリーは、有名画家・田村修三が、自身の展覧会に展示されている作品の一つが贋作であることに気づき、画家のプライドからそれを公表したことで事件が明るみとなる中、北海道の小樽で女性の死体が見つかり、その女性が贋作づくり関わりがあることが疑われ、かつて気鋭の天才画家と称された津山竜次の存在が浮かび上がり、津山を巡って、津山の元恋人で今は田村の妻・安奈、全身刺青の女・牡丹、津山を慕うアザミ、津山に仕えるスイケン等、様々な人々の過去と人生が交錯していくというもの。

・・・とストーリーをまとめてみたものの、正直言ってよく理解できていません。この日3本目の鑑賞で集中力が落ち、何度か瞬間寝落ちしたせいもあると思いますが、振り返ってみても断片的にしか思い出せず、自分の中でイマイチまとまっていません。正確には、ストーリーが追えなかったというより、登場人物の心情が追えなかったと言ったほうがいいかもしれません。

結局、己の目ざす美を求めてあがき続ける男の生きざまを描こうとしていたのでしょうか。そして、それは幼き日に亡くした両親への思慕や母のぬくもりを求めていたということでしょうか。言い換えれば、「美」の追求を通して、根源的な拠りどころを求める人間の姿を描こうとしているのでしょうか。あるいは、その拠りどころは何なのかを観客に問いかけているのでしょうか。

もしそうなら、美術館長の自殺、贋作捜査のインターポール、安奈との関係性などは、描かなくてもよかったのではないかと思います。さらに言えば、津山の父の彫師設定、女体をキャンバスに見立てた刺青、アザミの存在なども、果たして本当に必要な要素だったのかとも思います。これらの要素は、なんとなく物語に奥行きを与えているようにも見えますが、津山の人物造形に寄与していないようにも感じて、ちょっと消化不良です。

全体的に昭和の雰囲気が漂い、ねっとりとまとわりつくような重さや気だるさ、先の見通せない闇や悲哀を感じます。出演俳優陣の顔ぶれを見ても、時代設定が昭和だったなら、また違った印象の作品になったかもしれません。

主演は本木雅弘さんで、渾身の演技が光ります。脇を固めるのは、小泉今日子さん、中井貴一さん、清水美砂さん、仲村トオルさん、石坂浩二さん、萩原聖人さん、佐野史郎さん、菅野恵さんら、豪華な顔ぶれです。

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おじゃる

1.0ジタバッタするンなよ。

2024年12月1日
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非支持。
モッくんは今も尚ジタバッタするのね、
82年レコ大新人賞は誰だっけ、
清水美砂とだからスミいれちゃった。だな、
石坂中井なら女王蜂いやそれは貴恵の方か、
急にモーフィアスな貴一、
などと気を紛らわせて、やっと観終えた。
説明台詞と雰囲気だけ映画。
何たる凡庸な芸術論。

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きねまっきい