「贋作とは何」海の沈黙 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
贋作とは何
世界的な画家・田村修三は、文科大臣も絶賛した展覧会で展示されていた作品のひとつが自分の描いたものでない贋作だと指摘した。この事件は大々的に報じられ、この絵を購入した美術館の館長が遺書を残し諏訪湖で死体となって発見された。また、北海道・小樽では全身刺青女の死体が発見された。このふたつの事件に関係してるのではと、かつての天才画家で姿を消した津山竜次が浮かんだ。竜次の元恋人で、現在は田村の妻である安奈は連絡を受け小樽へ向かい、竜次と再会を果たし・・・さてどうなる、という話。
美とは何か、贋作とは何か、考えさせられる作品だった。
誰が描こうが美しいものは美しいし、素晴らしいものは素晴らしい。本人が描いたもの以上に美しい作品も有るだろう。そして、本物に加筆したものを贋作と呼べるのか、考えさせられた。
牡丹の全身刺青も見事だったし、アザミの背中も綺麗で色っぽかった。
竜次を演じた本木雅弘はミステリアスな天才画家役がピッタリ。素晴らしかった。
田村役の石坂浩二もまだまだ若いなぁ、と思った。
有る意味主役かもしれない安奈役の小泉今日子も良かったし、竜次に30年以上仕えるスイケン役の中井貴一も謎めいてて興味をそそられた。
牡丹役の清水美沙がバーテンダーのアザミに嫉妬する様子も良かったし、アザミ役の菅野恵も艶っぽくて良かった。
なかなか見応えあるストーリーと俳優陣に引き込まれた。
悲しい話だけど面白かった。
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