「王道だが(王道だから)感動してしまった」DOG DAYS 君といつまでも kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
王道だが(王道だから)感動してしまった
動物病院を中心に描く、犬とその飼い主たちの群像劇。この動物病院を中心にしているところがうまい。動物の命の問題もちゃんと扱えるから。群像劇だからそれぞれの話をそこまで深く掘り下げるわけではないが、それぞれのエピソードの量もちょうどいい気がする。
実は、個人的に刺さったのは養子縁組の親子の話。あの少女があの夫婦と家族になっていく姿に感動してしまった。犬にあまり関係ないやつ(一応関係あるけど)!いや、でも他のエピソードもそれぞれ味わい深い。いろんなタイプの犬との関係が描かれていて考えさせられる。表面的なことだけじゃなく、ペット産業の暗部もそれなりに扱っているところもいい。犬を飼ったことはないけど、犬を家族と感じる感覚はわかるし、大切に思う気持ちも共感できる。
群像劇と動物に絡んだ話に弱いから、本作を気に入ってしまうのは予想できた。話の展開も群像劇としては王道だし、犬が絡んだ話としても特別なところはあまりない。心の琴線に触れたのも犬ではなく、人が絡んだパート(大型犬を預けた彼女や養子縁組親子)だったりするし。でも、王道パターンこそ強いのも確かだ。
ただ、全面的に評価できるわけでもない。不動産会社勤務のミンサンが犬嫌いの理由はあまり明らかにはなっていない。あれだけでは序盤に彼がしたひどい仕打ちの説明がつかない。それを思い出したからといって何だというのか!すべてがうまく収まり大団円となった感じだったが、唯一そこだけ引っかかってしまった。それでも結構高い評価はしてしまう。なぜなら、まんまと泣かされてしまったから。しかも結構な量の涙を流してしまったから。
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