「犬たちに癒されます」DOG DAYS 君といつまでも おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
犬たちに癒されます
ユ・へジン出演で気になっていた本作。犬にまつわる温かい話を期待して、公開初日に鑑賞してきました。
ストーリーは、不動産会社に勤めるミンサンが、自宅でもある持ちビルの1階を動物病院「DOG DAYS」に貸していたが、自身が犬嫌いであることから院長ジニョンとの口論のたえない日々を送っていたある日、病院利用者の中に有名建築家ミンソがいることを知り、ミンソとお近づきになりたいミンサンがジニョンとの関係修復を図ろうとすることから巻き起こる騒動を、さまざまな人と犬との織りなす群像劇として描くというもの。
犬をめぐるそれぞれの飼い主の姿を通して、ペットとの向き合い方や家族のあり方を問いかけるような構成が心に染みます。ビジネスのために愛犬家を装う人、ステップファミリーの心の距離を縮めようとする人、一人暮らしの寂しさに癒しを求める人など、犬との多様な接し方が描かれますが、そこに愛があることが伝わってきて、温かな気持ちになります。中でもジユちゃんとワンダとの交流に癒されます。我が家にペットはいませんが、子どもの頃に飼っていた犬を思い出し、また飼いたくなってしまいます。
ただ、全体的に温かい話ではあるものの、序盤のミンサンとジニョンのやりとりが腑に落ちず、なんだかすんなりと作品世界に浸れなかったのは残念です。自分の感覚ではどう考えてもジニョンが悪いと思うのですが、よってたかってミンサンを悪者とする描き方に違和感を覚えます。強い態度に出たもん勝ちみたいな印象を受けます。そのミンサンも終盤に実は…という過去が明かされますが、これがとってつけたような印象を受け、こちらにも違和感を覚えます。
あと、これは自分が悪いのですが、仕事帰りのハシゴ鑑賞がたたって、睡魔に襲われて何度も瞬間寝落ちしてしまいました。そのため、ストーリーはだいたい追えたのですが、なかなか共感的に浸れず、もったいないことをしてしまいました。
ともあれ、かわいい犬たちの名演が光る、悪人の登場しない群像劇として、癒されることは間違いないので、興味のある方はぜひ劇場でご覧ください。
出演は、ユ・ヘジン、キム・ソヒョン、ユン・ヨジョン、チョン・ソンファ、キム・ユンジン、タン・ジュンサン、ダニエル・ヘニー、イ・ヒョヌ、ユン・チェナら。ユン・チェナちゃんはマジ天使です。