ノーヴィスのレビュー・感想・評価
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とんがっていきまっしょい
奇しくも同じ女性のボート競技を扱う『がんばっていきまっしょい』と時期が重なった本作。
題材以外は似ても似つかないが、偶然に引っ張られて遅ればせながら鑑賞。
冒頭、わざとらしく主人公の入部動機が遮られ、訊き直されることもない。
それを置き去りに、ひたすら部活にのめり込むダル。
確かに狂気的ではあるが、なぜそこまでするのかは最後まで明かされずに終わる。
分かるのは“一番”になることに対する異常な拘り。
そう、恐らくボート競技でなくてもいいし、そうなると本作の題材もコレでなくてもいいのです。
その割に話は部内の争いに終始し、最終的にはやりきったような顔で部を去る(?)場面で幕となる。
え、そんな小さな枠のトップで満足なの?
レギュラー争いへの執着だけが描かれてたのであれば、まだその尖り方も鋭く感じたかもしれない。
しかしワンナイトだの同性の恋人だのが半端に入ってきて、より主人公が分からなくなる。
そもそもあの気質であればはじめから個人競技しかない種目にいけばいいのに。
努力の天才ではあるが、絶対に管理されてくれず自壊が目に見えてるから、指導者もつきたくなかろう。
主人公目線のみで展開するので、本当にジェイミーが卑怯な手を使ったかも判然としない。
結局は主人公の動機が不明なことがすべての要素への理解を妨げてしまっていた。
奥行きのない狂気なんて、映画で見たいものではない。
クライマックスのヘッドレースすら誰が何やってるかよく分からないし、作品全体もそうだった。
面倒くさい女の自伝映画にうんざり
映画セッションの音響担当だった若い女性(およそ33歳)がみずからの体験をもとに脚本を書き、エスターのイザベル・ファーマンを主演に据えた初監督作品。大学ボート部の女子チーム。一軍レギュラーの座を巡ってライバルたちとしのぎを削る話というよりも、脅迫的なメモ魔で、テストでも残り一人になっても完ぺき主義なのか毎回最後の最後まで(制限時間2時間半とは長すぎなのに)最後まで粘るので、試験監督にも呆れられる。それでいて、ゴーコンお持ち帰りもちゃんとするし、ゼミの院生とレズの関係にもなるし、なにかと気が多い。アクティブなんだけど、こういうキャラ好きな人いる?自分から早朝練習する。数字ばかり気にする。放課後も当然練習。いつ寝て、いつ勉強するのよと思っていたら、カミソリで腹切りしちゃう。カニ(カザミ)を鍋で茹でるカットが、交互に挟まれる。ダルはガン。たしか、癌 cancer の語源は カニじゃなかったか。
オマエがガンなんだよとあの娘はキレた。そうだ。そうだ。そのとお〜り。
一軍レギュラーであることが条件の奨学金に全てをかけると最初から宣言している体力技能ともに優れているライバル役は CODAあいのうたにも出てた娘。とても素敵。
がんばって(奨学金)もらいまっしょい❗を応援したくなる。
一軍の先輩たちも素敵な娘が多い中、厚塗り特殊メイクのエスター役でボロボロになってしまったのか?イザベルはひと回り以上も老けて見えるせいもあり、ノレなかった。
イタくて、ウザくて、面倒くさいもんだから、ほんとにやんなっちゃう。楽しくない。
25歳で10歳のエスター役やった呪い?自縛?イザベルは悪くない。
ボート倉庫小屋の鍵を管理している女性コーチにも迷惑。彼女が男性コーチと教員宿舎で仲良くするのを邪魔していたとしか思えない。
最初から話の展開がヌルい。プロット次第でもっと魅せられなかったかのかと思うが、こういう自己中にはきっと馬耳東風だろう。
田中麗奈の初映画、がんばっていきまっしょいを観てたから、コックスとか知ってたけど、いきなり下ネタ。
ウケ狙いのジャブは効いてませんよ。
ボートみたいなチーム競技に混じったりしないで、ひとりで陸上とかやりなさいよ💢
相当面倒くさい女の自伝映画にうんざり。
ちょっと今、個人的にストレス溜まってるもので、こういう面倒くさい奴が許せない。こういうの何ハラっていうのか?雷落ちろ〜って思ってました。それが落ちない。大統領奨学生ってなに?ほんとムカつくわ💢自慢かよ❗音響や挿入曲も古くさいよ💢こうゆう女が業界でのしあがるためにヤルことといったら、まぁ想像がつきますわ💢
痛々しいまでの青春
映画『NOVICE ノーヴィス』両極端という言い方あるけど、まさに人生を右か左かどちらかで、生きていこうとする映画。右もあるし左もあるし、上だって下だって、360度OKだということがわからない悲劇。心の自由を獲得する人生に意義があるのですが。
いつの時代もどこにでもいる、完璧主義者
忙しくなりすぎた、現代社会では増えこそすれ、減ることのない一群。
主人公は、大学新入生。
ボート部に入る。
経験はない。
だけど、一番になれないと気がすまない。
自分は、何でもできると、考えている。
そして、それが達成できなかったりすると、自傷行為に。
お決まりのパターンなのですが。
上手く物語として、見るものに理解させてくれる。
水辺の映像は必見
とにかく水辺のシーンが、美しい。
音楽の効果も上手く使っている。
ほぼ完璧。
完璧が主題の映画にふさわしいというか。
それが、かえって主人公の閉塞感との対比がいい。
人間は、何かを目指すものだとは思うのですが。
完璧にと、自分を追い込むのは、いかがなものか。
程度の問題なんでしょうが。
ボート部に入部する、一軍に入れれば、奨学生となる。
そこを目指すものは、必死だ。
それはわかる。
だけど主人公は、すでに特別奨学生。
だけど、一軍入りをめざす。
それはそれでいいと思うのですが。
その求め方、必死さというのが、異常。
その境界を見せているところが、この映画の成功か。
大学スポーツの虚と実。
あるものは、奨学生となるために必死で、一軍入りを目指す。
とにかく、人生の経済的成功を収める、一つの手段なんだけど。
アメリカの名門校、勉強との両立。
並大抵ではない。
クラブ内でも、一軍入をめぐって、仲間といえども競争相手。
このあたりのギスギス感、かの国にもある先輩後輩の序列。
見ていて面白い。
現実は、とても厳しいのだけど。
若さの特権でのチャレンジ。
社会での成功の為の競争が、すでに始まっている。
一つの通過点で、あってほしい。
そう思わずにはいられない、そんな映画。
完璧を求めるのはいいけど。
程度ってものが。
このあたりのホドホド感が、現代人の不得意とするところ。
忙しすぎるんだよね。
だめならあきらめる、他の道をさぐる。
そんな気持ちになってほしいと、つい思ってしまう。
日本だって、少子高齢化。
一人っ子にかける期待と、それに応えようとする子供。
失敗は許されない、なんて思わないでほしい。
それだけ、その子に豊かな教育を受けさせられるだけで、十分。
いまや、格差の広がるこの社会では、その機会が与えられるだけで幸せ。
一億総中流なんて言っていた頃が、なつかしい。
頑張れば必ず報いられる、なんて思わないでほしい。
たとえ、結果が伴わなくても。
神頼みもいかがなものか。
ただ、人間の側にできるのは、ただ自分が努力する。
それだけのことなのですが。
映画の主人公のように、自分を追い込まないでね。
いい加減、良い加減。
このあたりのさじ加減が、現代人は、苦手のようで。
あと、最近気になるのは。
やっても無駄なんだよね、と
最初から白けてる空気。
これも、気になるところではあるのですが。
Logic
ボートに狂った少女のお話、そのままの内容だったんですが、その狂いっぷりは共感とはほど遠く、自分の思う価値観とは全然違うものを魅せられて昂るものがありました。
「がんばっていきまっしょい」からキラキラ青春模様を抜いて血と傷をより明確にしたようなスポ根ものでした。
「がんばっていきまっしょい」を先週観ていたのもあってボートの知識はサクサクっと入っていたのでボート用語だったり、この練習がどう活きるのかというのもスッと頭の中に入ってきたのもナイスでした。
コーチと生徒が怒号を撒き散らしながら大会へ突き進んでいくのかと思いきや、コーチすらもドン引きする練習を重ねる生徒がメインで描かれるので1本取られました。
宣伝文に用いられているボート版「セッション」の文言ですが、あちらはハゲジジイと生徒が2人揃って狂っていく模様でしたが、今作ではダルのみが狂いに狂っていくという誰かと高め合うでなく、自分の限界を超えるというのを目標にしているのが狂気を宿していて凄まじかったです。
主人公のダルが何故ボート部に執着するのかというのは言葉に出して表現されることはありませんでしたが、他の人を蹴落としたい、自分こそがNo.1だと鼓舞して無茶無謀をやってのけていく様は凄いとかを超えて恐怖に近いものがありました。
イザベル・ファーマンの怪演も手伝って、ぶっ倒れるまで練習をして、休む間もなく練習しては勉強もして、その勉強すらも何度も何度も見直しては直しての繰り返しを教師に呆れられてと側から見たらとんでもない狂人でしか無いんですが、当人からするとこれぞ快感、私は凄い!となっていってるのは自分の中には無い努力の形なので驚かされっぱなしでした。
要領が悪くても足掻きに足掻きまくればてっぺんは取れるという心意気で挑んでいる姿は痛々しくもあり、達成した際は清々しさもありと不思議なシーンが続きました。
雨がじゃんじゃんぶりだろうと、雷が鳴り響こうと一切合切関係なくボートを漕ぎ続ける姿はここで死んでも構わない姿勢で"必死"という言葉がとにかく似合う姿はエグさ全開でした。
勉強に用いるロジックはボートには当てはまらないよって言われたのは正論だと思いますし、なぜチーム競技を選んでしまったのかというところはありましたが、入学してからそこしか目に入らず、他の競技なんてどうでもいいってのがそこかしこから伝わってきてテーマが一貫してるなぁと感心するばかりです。
ラストもプツッと何かが切れたように澄ました顔で歩きだしたのもストイックさの裏返しのようで圧巻されっぱなしでした。
状況説明の文章や単語がスクリーンにドン!と映されはするんですが、書き殴りしたような感じの文字が全面的に出てくるのでテンションが上がりました。
ローレン監督は「セッション」で音響を担当していたのもあって、昂るシーンはとことん掻き鳴らしてくれて、落ちるところはとことんドス黒い音楽をかましてくるのでその点でも感情がぐちゃぐちゃになるのもとても良かったです。
自分とはまるで違う世界を堪能できて痺れまくりでした。
好みは分かれると思いますが、これくらい尖っている作品はやっぱ好きだなぁとなれたので良かったです。
鑑賞日 11/6
鑑賞時間 17:50〜19:35
座席 G-10
個人競技ではなく、チーム競技に来ちゃうところに底意地の悪さが滲み出ていますね
2024.11.7 字幕 アップリンク京都
2021年のアメリカ映画(97分、G)
初心者としてボート部に入った女学生がのめり込む様子を描いたスリラー映画
監督&脚本はローレン・ハダウェイ
原題の『The Novice』は、スポーツなどの「初心者」という意味、映画内の翻訳では「新人」
物語の舞台は、アメリカのとある大学(ロケ地はカナダのトロント大学)
大学1年生のアレックス・ダル(イザベル・ファーマン)は、苦手な物理を専攻し、ボート部の初心者プログラムに参加し始めた
同期にはスポーツ奨学金を目指すジェイミー・ブリル(エイミー・フォーサイス)がいて、彼女はスポーツ万能の有力新人だった
アレックスは基礎から学び始め、次第に努力を重ねていく
ジェイミーも練習熱心なアレックスに信頼を置き始めていたが、彼女はまったく別の目標を掲げていた
映画は、盲目的に努力を重ねるアレックスを描き、それが他人を寄せ付けない鬼気迫るものへと変貌する
時間外の練習を重ね、掌に血豆ができても碌な治療を施さない
傷口から感染し、血管が変調を来しても練習を積み重ね、チーム競技であるにも関わらず、連携を取ることもなく体を痛めつけていく
そして、模擬レースでタイムが劣れば、一緒に漕いでいたチームメイトが手を抜いたと糾弾し、さらに溝を深めてしまうのであう
彼女がどうしてそこまで自分を追い込むのかはわからないが、苦手とする物理をわざわざ専攻したり、他人への対抗意識を剥き出しにしていくところを見ると、自分をいじめることで快感を得ているようにも見える
また、高校時代に転校生にトップを奪われたことがネックになっているのかわかないが、ともかく一番になって溜飲が下がればそれで良いという考えを持っているのだろう
それが公式戦である必要もなく、お気楽な練習試合でも良いところを考えると、たまたま対象がボートだったのかな、と感じた
劇中で恋仲になるダニ(ディロン)とのやりとりでも、自分の達成感があれば満足する感じになっていて、それが男でも女でも関係ないという印象がある
ダニの音楽活動に対しても横槍を入れるなど、楽しみながら上達するという概念がハナからなく、これをストイックと言って良いのかはわからない
経験者や上達している人を後ろから抜けばOKという感じで、しかも勝ち逃げするタイプなので、あんまり関わらない方が良い人間なのかな、と思った
いずれにせよ、精神的に疲れる映画なのは間違いないのだが、それは理解に苦しむ部分が多いからだと思う
ラストまで見ても理解し難い部分が多いのだが、満足そうに自分の名前を消して去るところを見ると、あの結果によって満足したのだと思う
勝手にターゲットにされたり、巻き込まれたりするところは迷惑千万だが、基本的には相手には損害を与えないので、うまく距離を取れれば問題ないのかもしれない
とは言うものの、わざわざチーム競技に入ってきて行う意味もないので、ただただ迷惑な存在だったなあと思った
単調
鑑賞前は主人公が徐々に精神的に追い詰められ、狂気を帯びていく物語を想像していましたが違っていました。実際には主人公は小さい頃からトップになることへの執着が異常に強く、映画の冒頭から既にエンジン全開で他人よりも上になろうとします。このハイテンションが最後まで続くので、良く言えば最初から最後まで緊張感が張り詰めているのですが、悪く言うと単調で飽きてしまいます。私の感想はどちらかと言えば後者の方で正直なところ飽きるのと同時に疲れました。あと、本作の監督は音響出身とのことですが、音響も使い過ぎでうるさく感じました。
ストーリーにしろ音響にしろ、もう少し緩急を付けた方が良かったのではと思います。
狂気的なまでの闘志
まるでブレーキの壊れた暴走車のごとく自分を追い込み続ける主人公。なにが彼女をそこまで追い立てるのか。
大学の成績は優秀、試験では他の生徒が問題を解き終わりすべてが退席する中で彼女だけが何度も問題を解きなおす。早く解くのはたやすい、しかしそれは必ずミスを誘発する。彼女の優秀な成績は今までの彼女の努力によるもの。
大統領奨学生、ごく限られた人間にしか与えられない地位。その地位からこぼれ落ちるわけにはいかない。彼女は常に勝ち続けなければならないのだ。
ボート部に入った彼女の動機は明らかにされない。ライバルのように奨学金目当てでないのは明らかだった。ただ勝つことにこだわる、その異常なまでの執念。
ともすれば強迫性障害になってもおかしくないほどに常に自分を追い込んでゆく。彼女にとって負けることは死を意味するかのように。彼女はひとり常に戦場にいるかのようだ。
稲妻がとどろき他のライバルが脱落する中、彼女だけはボートを漕ぐのをやめようとはしない。落雷を受ければ命の補償はない。それでも前に突き進む。
若さゆえの強すぎる情熱の炎を持った主人公、その情熱で勝利をおさめライバルを倒してゆくが自身がその炎に焼かれる危うさも。
その姿はまるで蜜蠟の翼を手に入れ自由に大空を飛び回るイカロスが太陽に向かったがために命を落としたような危うさや儚さを感じさせる。
昔、学校行事でレガッタやらされた時、周りと息が合わないとオールが持っていかれて何度も腹切りの憂き目にあったな。
がんばっていきまっしょい🚣
冒頭から、癇性なヒロイン。
ノートにも殴り書きばかり。
なんで、そんなにイライラしているの?
ねえ、本当にボート好きなの?
なんでそんなに練習するの?
と、疑問符だらけのまま進み、え⁉️先生と同性愛も⁉️と、さらにびっくり🫢
うーん、『ブラック・スワン』のときは、プリマの座を譲りたくないという理由がよくわかったけれど、このヒロインの理由がわからず…。
終盤になってやっと理由が。
もっとはよ言うてや、とツッコミを入れそうになりました😅
陸上部に入ったらよかったのに…よう分からんかったな〜と思いながら、帰り際に、入り口に掲示してある監督の解説を読んだら、「この映画が一部の観客を混乱させ、苛立たせるのはわかっている。なぜなら、私自身も理解していないからだ〜」とあり、この感想でいいのね❣️と、安心しました。
でも、つまらなかったということでは全くありません🥰
ハリウッド映画の対極をいく私小説とでも言うべき一作
見ていて楽しいであるとか爽快感があるとかではなくローイング競技を経験したローレン・ハダウェイ監督の実際の感覚を忠実に再現した映画だと言える。自分も大学時代ローイングを日本とアメリカでしていたことがあり傍目には優雅さや力強さ美しさを感じるローイングは実際は過酷な練習を必要とする競技である。
映画のタイトルの「ノーヴィス」とは新人・非熟練酒という意味だが作品の中では「2軍チーム(クルー)」の事であり「ヴァーシティ」と呼ばれる「1軍チーム(クルー)」と対象的に使われている。
映画を見ていて入部したての1年生がどうしてそこまで1軍になることにこだわって自分を追い込んで練習するのか疑問がわく、1軍になると奨学金が貰えるから?という伏線がはられるが答えは映画を見てのお楽しみとしておこう。
映画の中で主人公がローイングだけではなく学業の成績を上げることにも執念を燃やす場面が描かれており監督の出身大学を調べてみた。するとSMUとして知られる南メソジスト大学であり全米大学ランキングでも常に上位に入る名門校であった。
日本でも東京大学などは入学後の成績によって専攻科が決まるシステムがあり入学がゴールでないことはよく知られていることだがアメリカの大学は厳しさのレベルが違うし、入学するのも入ってからも大変だということが分かる。
その中でも主人公は極めてストイックで克己心、競争心が強く学業に対してもローイングに対しても全力で取り組んでいく。少し極端にも見える性格から周りの人たちとうまくいかなくなるところは邦画「あまろっく」の主人公とも似ているし競技種目がローイングというのも共通性があって不思議な気持ちがした。
ローイングというスポーツをしていた者としては多くの人がローイングに興味を持ってくれるようなシーンがたくさんあればと期待したのだがそういった意味ではしんどいつらいシーンが多かったので★を4つにした。
ローレン・ハダウェイ監督としては処女作として私小説とでもいうべき自分自身を赤裸々に描いた作品をつくったおよそハリウッド映画と対極を描いた監督の次作に期待です。
肩に力を入れなければ凡庸のまま終わる
監督がもともと音響を担当していたためか、鼓動の音や周囲の音を消す手法など要所要所で用いられる演出がうまく、作中に用いられる曲のセンスもいい。
怠慢なチームメイトをカラスに、主人公が失敗を意識すると蟹が現れるなど、視覚的な演出で主人公の狂気を表す手法は面白いと思うが、やや分かりづらい。
ラストシーンでライバルを打ち破り、自身の記録を確認して満足気な表情を浮かべるシーンがあったものの、記録を黒板に書きかけた後に自分の名前ごと消してしまう。主人公にとってはローイングという競技に勝利し、満足したということなのだろうか。
((オンライン)試写会の類は全てネタバレ扱い)ボート競技を扱うホラー・狂気映画。
今年381本目(合計1,473本目/今月(2024年10月度)32本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
まずは日曜日のこの時間帯にオンライン試写会に招待いただいた fansvoice さまに感謝を。
ここでも紹介がある通り、ボート競技をテーマにした映画です。この点、「試写会組」は早く見たことになりますが、来週だったか「がんばっていきまっしょい」と部分的に似たところはあります。ボート競技だからですね。ある程度の専門用語が求められる(漢字からある程度の類推はできる)ところがあります(「がんばって~」はどうなんだろう?)。
ただこの作品の特徴は、序盤こそ「ボート競技でがんばる、トレーニングで体を鍛える」という話であるところ、途中でリーダー争いだのレギュラー争いだのといった話に飛んでしまうところが、いわゆる「ホラー・狂気もの」を帯びている点で(ただし、ボート競技が背景にあることは事実なので、何がなんだかわからないただ単にホラーというのとは違う)、「がんばって~」とは決定的に違う点は言えます。
まぁ確かにボート競技に限らずグループを組むスポーツ競技というのは高校でも大学でも程度の差はあっても「レギュラー争い」という論点は日本でもどこでもあるでしょうし(「がんばって~」にその論点があるかはわからない。試写会等に参加していないため)、趣旨はわかるのですが、度を越していることと途中から明確に「ボートホラー(?)」というある意味「すごい組み合わせ」になるのが「良い意味で」期待を裏切ったなといったところです。
そうした事情があるので、先行してみることができた私は、来週正規公開になる「がんばって~」との比較もできるでしょうし良かったなといったところです。なお、本作品は海外作品(アメリカ)で、字幕が若干ボート競技経験者を前提にしているのかなというところが「多少」あります(漢字文化圏の日本ではある程度の推測で何とかなる範囲)。気になるなら、「がんばって~」もありますし、ボート競技の類のルール動画等をyoutubeなどで見ているだけで若干有利になるかなといったところです(「がんばって~」がどこまでの知識を要求するかは現段階では不明)。
採点上特に気になる点はないのでフルスコアです。
90~100分程度と適正な長さだったのも良かったです。
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