「全力を出し切る才能」ノーヴィス kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
全力を出し切る才能
高校時代にラグビーをしていたのだが、卒業した先輩が入った大学ラグビー部のことを聞いた時の話。先輩の同級生に、後に日本代表に入るような選手がいたが、その選手は毎日の練習で倒れるまで全力を出し切ると聞いた。そして翌日普通に最初から全開で練習を始めると。トップレベルに上りつめる人とはそんな努力ができる人なんだなと驚いたことを、この映画を観て思い出した。
ボート部に入ったアレックスの努力の過程を描く映画だが、スポーツの努力ができる人ではなく、すべてのことに自分なりのメソッドを取り入れ全力を注ぐ人の狂気を描いた物語だった。中盤までは、「努力が才能を凌駕する」という感覚(もちろん逆の感覚を感じる時もあるけど)を思い出させるものだったが、最後は行き過ぎ感が強く観ているこちらが少し引くという不思議な終わり方。
ボート競技のトレーニングで全力を出し切るアレックスが感じる恍惚感みたいなものはわからないでもないが、マラソンとかと同様に競技としてそこまでハマる魅力がわからなかったので共感度は低めだ。
それにしてもアレックスを演じたこのイザベル・ファーマン。エスターのあの少女だったとは!相変わらず印象に残る演技だった。
コメントする