「“好奇心”を持つことが人生を楽しむ秘訣と教えてくれる」リリアン・ギッシュの肖像 和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)
“好奇心”を持つことが人生を楽しむ秘訣と教えてくれる
“アメリカ映画のファーストレディ”と呼ばれたリリアン・ギッシュを知る人は、今や映画ファン以外では少ないかもしれませんが、彼女のモノクロのポートレート写真ならば一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
それが約100年前のものであっても彼女の美しさと気品は色褪せることなく、映画スターとしての魅力が写真から伝わってきます。映画の創成期、サイレント映画時代からハリウッドで活躍した歴史的“女優”。本作はそんなギッシュに、フランスを代表する女優ジャンヌ・モローが監督として迫ったドキュメンタリーです。
世代や活躍した国は違いますが、同じ映画女優であるギッシュとモローの対話時の笑顔は、まるで写し鏡のようです。モローは少女のように興味津々で質問し、ギッシュはモローに心を許して答えているのがわかります。「幸せな人生とは、何を手にしたかではない、何を与えたか」であるとし、「好奇心」を持つことが人生を楽しむ秘訣であると教えてくれます。
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