「評価しにくい」ノクターン R41さんの映画レビュー(感想・評価)
評価しにくい
非常に評価しにくい作品
夜にTVモニターで酒を片手に見ていたからかもしれない。
端的に言ってしまえば物語の変化のなさとも受け取れるほどの単調さということになってしまうのか、初期のころの火曜サスペンス劇場を30分仕立てにしたような作りになっている。
ただ背景はよく作りこまれていて、名門音楽学校の考え方に対する生徒たちの不満はどこの国にもあるんだなと思った。
主人公が教師に、「私は17歳までピアノに打ち込んできた。それなのに中学校でオルガンの伴奏でもしていろっていうの」というセリフには、学校で一番だけがコンクールに出ることを許され、それ以下は許されないという風潮が彼らのストレスになっていることがよく伺える。
このことは他人に無関心という人間性を作っていて、音楽を学んだものが逆に心を失ってしまうということなのだろうか?
それが最後のシーンなのかなと感じた。
音楽院のシンボルの彫刻
屋上からその上に飛び降りた主人公
しかし、誰一人それに気づくこともなく日常生活をしている。
ノクターン
夜を想わせる曲
この言葉をタイトルにしたのは、1番だけに太陽が当てられ、それ以下は夜でしかないということかもしれない。
それを言うために、呪いのような楽譜をモチーフにしたのだろう。
音楽家を目指す彼らにとっての闇は、音楽院そのものだったということだろうか?
確かに教師は、「有名な音楽家はすべて音楽院など出ていない」というセリフがあった。
ただ、そのコアな部分へたどり着くのと共感が一般的には難しく感じる。
誰かとこの作品について語らなければ見えてこないという点が残念だった。
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