劇場公開日 2024年11月8日

「それぞれのエピソードは面白くて痛快」ベルナデット 最強のファーストレディ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5それぞれのエピソードは面白くて痛快

2024年11月12日
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鑑賞方法:映画館

フランスのシラク元大統領の妻・ベルナドットの物語。自身も政治家として活躍していたが、夫が大統領になると「シラク大統領の夫人」として扱われてしまう。そして夫のジャックの亭主関白ぶりがひどい(時代もあるとは思うが)から、自身の活動も制限されてしまうという流れ。そういう意味で、女性が自立しようともがく姿を、意外とユーモア多めに描いた映画だった。このユーモアのちりばめ具合はなかなかうまい。ヒラリー・クリントンとのファーストレディ外交とか痛快だった(ヒラリーと並んで立つテレビ映像の合成は酷かったけど)。
それぞれのエピソードは結構面白かったけど、全体の流れは若干わかりづらかった気がする。フランス政治に対する理解が足りないってことも一因ではある。でも、ベルナドットが自分を変えて国民から受け入れられていく過程が意外とあっさりしていて戸惑ってしまう。洋服選びと自分を出していくことしかしてないんじゃない?慈善活動も受け入れられた一つの要因ってこと?しかも、時の流れ方もかなり早いから、あれどうなった?って未回収のこと(娘との確執とか)があったりするのも消化不良だった。
それでもベルナドットの言動がフランス国民の心を掴んだことはわかる。ヒラリーじゃないけど、タイミングや時代が少しずれていたら大統領候補になってもおかしくない。そんな妄想ができるくらいの人物像だった。

kenshuchu