「とても面白い」トラップ 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
とても面白い
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ジョシュ・ハートネットがすっかり腹の出たおじさんでビビる。かつてのかっこよさがない。やたらとでかいけど、冴えないのに目立ってどうするのだ。リアーナみたいな歌姫が堂々たるパフォーマンスで誰だろうと思ったらシャマラン監督の娘、演出だけではあのスター感は出ない。すごい。
早々に主人公が猟奇殺人犯であることが示されるが、シャマラン監督のことだからとんでもないどんでん返しで、実は善人みたいなことになるのではないかと警戒していたら、そのままだ。彼が逮捕される時に家族に向かって愛情あふれるメッセージを送り、家族だけは真に愛情があったんだなとぐっと来ていてそのまま終わればいいのに、その後奥さんを殺そうとするので最悪だ。
特にハラハラしたり興奮したり怖かったりもないのだけど引き込まれて最後まで面白い。ただ歌姫の彼女にマネージャーも誰もついていないのは変だ。運転手もあっさり交代しすぎだ。自宅にスターが来てピアノの弾き語りまでしてくれるなんて神対応にもほどがある。あの部屋に居合わせている人々の気持ちの隔たりが大きすぎて最高に面白い。
でも娘や家族のその後を考えると引っ越したり名前を変えたりしないといけないから大変だ。主人公はあんなに出まかせの嘘がうまかったり、咄嗟の対応にめちゃくちゃ機転がきいたりして、もっと社会的に成功してそうなものだ。
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