「真バチャシン達は出ません」劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク tarさんの映画レビュー(感想・評価)
真バチャシン達は出ません
VOCALOIDが元々好きで、プロセカはサービス開始初期からプレイしている者の感想を以下に残します。
1.プロセカのプレイスタイルが真バチャシン(セカイに属さない、本来の)のミク達と一緒に各セカイのオリキャラ達の活躍を見守る、というのが基軸のゲームだが、この映画では本来のバーチャルシンガー達は登場しない。
序盤は「初音ミクは世間から人気の存在である」ことを表す描写が多いが、プロセカに書き下ろしたp達の過去作を申し訳程度に流したり、身近な場所でミクの歌が流れる程度でさらっとミクの歴史をなぞったりというものは無かった。後述するが、セカイのバチャシン達はどうかというと雑な扱われ方だった。
2.この映画を作るに当たっての条件のために、今回のストーリーが練られたかのように感じた。
この映画のポイントが、「各ユニットごとに一曲作成する」「拒絶され闇にのまれるバツミクを救う」の2つだと仮定した場合。わざわざバツミクのために一同集まったにも関わらず協力するなどはなく、各ユニットごとで作成する話になる。これは集めた意味が分からなかった。
そもそも拒絶される理由として、突然出てきて何回もモザイク姿で画面を占領したり、スマホから飛び出てきたりされたら困惑するだろうし、自覚していながら繰り返せば拒絶される理由も至極当然ではないか?と思った。正直バツミクより人間の人達の方が可哀想だと感じたし、見えない設定にしなかった理由が知りたい。
3.後半扱いが雑だった。特に各セカイのミク。存在を抹消しただけで、ミク達でバツミクを励まして前を向かせるシーンなどは全くなかった。普通に消えて普通に帰ってきた。泣いたこはねも、謝るミクも可哀想に感じた。
助けられたバツミクも、オリキャラ達にありがとうと言うだけで恩恵を与えるとか感謝の気持ちを返すシーンが見られなかったので呆気なかった。
4.アフターライブはカメラ固定。歌っているキャラをアップにしたりはなかった。映画のおまけではあるのだろうが、お金を払って見るならズームしたりカメラで追えるコネクトライブでいい。
大まかに以上4点が主に思ったこと。
作画崩壊が見られるシーンなどもあったが、絵柄や服についてはキービジュアルやMVの時点で察してはいたので特に問題はない。