「待ってました!継続された世界観にスピード感がプラスされた快作!」劇場版モノノ怪 第二章 火鼠 たずーさんの映画レビュー(感想・評価)
待ってました!継続された世界観にスピード感がプラスされた快作!
🐁待ってましたの第二章。公開初日に2回鑑賞。期待に違わずめっちゃ良かった。唐傘の深みのあるお話の方が好みではあるけど、火鼠はストレートでよりわかりやすい話が展開されて、世の中に受け容れられそうな予感(個人的には、ワンテーマでわかり易すぎる部分が☆0.5マイナスの理由っす)。
今回も和紙テクスチャがばっちりぴったり嵌る大奥内で情念の物語が展開される。〝速い〟モノノ怪「火鼠」そのままに、超スピードで一気に描ききっていて、それだけお話がシンプルなので、頭に「?」が浮かぶ場面がほとんどない。情念まみれのお話なのにすっきりさっぱり爽快感さえ感じる。
そして、唐傘での活躍で薬売りが広敷番・坂下の信頼を得ている以外は、火鼠から観始めても問題なくわかる作りになっているのも素晴らしい。もし唐傘を観ていないなら、火鼠を観てから唐傘を観るほうが理解しやすいかもってくらい。
2回じゃ全然確認しきれるわけないくらい、今回も背景や人物たちの表情など遊びはたっぷり。いくつかは確認できてほくそ笑んだけど、元々視野が狭くフシアナなので、気づけないこと、観るたび初めて気づくことがたくさんありそう。
忘れちゃならない、「劇場版モノノ怪」と言えば、エンドロール✕主題歌!昨年観た映画の中で、物語と主題歌のマッチング度合いでは1位(※1)だと思っている唐傘✕Love Sick(アイナ・ジ・エンド)。そこからくる期待値の高さを今回見事に超えてきた!火鼠✕花無双+渇望(アイナ・ジ・エンド)は優勝!物語の世界観を咀嚼して、アニメーターたちの作品づくりの情熱に負けないように取り組むアイナさんの曲作りの情熱に今回もひれ伏している。「渇望」は本人ではなく武藤弘樹さん作詞作曲も、アイナさんサイドのリクエストもかなり入っていそう。そして、その特異な声色と上がり続ける歌の技術があってこそ完成している2曲。この2曲をエンドロールでたっぷり(※2)と聴けるだけで、元が取れます。ありがとう。
※1 一昨年の映画✕主題歌 マッチング1位は 君たちはどう生きるか✕地球儀 です。
ただし、2023年公開日本映画の音楽賞、歌曲賞は「キリエのうた」で確定です。
※2 実は、唐傘の円盤を買ってまして、そこについていた購入者アンケートに、火鼠では総監督の中村監督がエンドロールが一番好きって舞台挨拶で話されていたこともあって、“エンドロールでLove Sickが終わってからの別曲(インスト)の時間が長くて、あれ、Love Sickを2周か3周してくれても良かったのでは?次もぜひアイナ・ジ・エンドさんに主題歌をお願いしてほしいし、次はぜひエンドロール全部をアイナさんの曲にしてください” みたいなことを書いていて、そんな意見が採用されたとはもちろん全然思わないけど、今回、その願望が叶ったことが嬉しくて嬉しくて本当に最高のエンドロールで本編以上に、身を乗り出して観て聴いていましたよ。