「仕事や女性、犠牲たち」オーダー とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
仕事や女性、犠牲たち
ジュード・ロウvsニコラス・ホルト!2人の種類の異なる魅力カリスマ性と己の正義がぶつかり合う!! テロの危険性がある白人至上主義アーリアン・ネイションズ分離派過激組織との戦いを描いた、鬼才ジャスティン・カーゼル監督の実話モノ犯罪スリラー。その中で、貫禄のジュード・ロウが苦悩しながらも厳しく正義の人を体現し、目が離せない勢いのニコラス・ホルトが悪魔のように魅力的だ。
そして、今回は厳密には違うかもしれないがワーカホリックで家庭が壊れている捜査官モノは鉄板だし、ベテラン刑事&新人刑事相棒モノの変化球とも取れる。そんな、"新人刑事"枠なタイ・シェリダンは若く熱く家族を愛しながらも家庭の話題まで仕事に毒されてきた正義に燃える保安官代理。今まで事なかれ主義っぽい保安官の下で恐らく目も瞑りながら働いていた彼にとっても自分の町にFBI捜査官が赴任してくれたのは嬉しく心強かったに違いなく、だからこそ最初は現場慣れしていない感じも出てしまうが、徐々に感化されては内に秘めたるアツさ(=正義感)を前面に押し出していくようになる。
からの、あるタイミングで主人公ハスクにとって彼の存在がオーバーラップするような、NY時代の『汚名』方式で潜入捜査させた家政婦のつらく悲しいエピソード。作中では触れられていないし、現実がどうだったかはさておき、ハスクの家族が来ていないところも含めて勘ぐれば、恋仲っぽくなっていたというような裏設定も考えられそう?
よって、他人の血が拭えないほどべったりついて汚れた彼の手。大義のためと言っても結局は自分のため、つまりある意味で隠れ家(=隠れ蓑?)。狩りという象徴的な行為、獲物を確実に仕留められる瞬間を忍耐強く待つ要領で家族が来てくれることを待つ。
P.S. 関係ないけどジャスティン・カーゼルと俳優のジム・カヴィーゼル、名前ややこしい。
勝手に関連作品『ミシシッピー・バーニング』『ケリー・ザ・ギャング』『ヒート』『ブラック・クランズマン』