「過激派の理想は永遠に実現しない」オーダー 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
過激派の理想は永遠に実現しない
今作に登場するネオナチや、そこから分派したテロリストといった過激派の理想が実現する日は、永遠に来ないだろう。
世の中を動かすには多数派の心を掴まなければいけない。そして多くの真っ当な人々は、ネオナチのような極端な言動を繰り返すグループをまともでは無いと考える。賛同する部分があったとしても全面的な支持をしないはずだ。理想を実現したいのならば、多数派の心を掴めるように、自分達の主張が受け入れられるよう言動に配慮しなければいけない。そういった配慮に欠けるネオナチやテロリストは、多数派の心を掴むことができない。したがって彼らの理想が実現する日も来ないだろう。
仮に国家転覆計画が成功したとして、そのあとどうするのか。独裁政権でも樹立するのか。樹立したとして、どうやって政権を維持していくのか等、疑問点だらけだ。その辺に彼らの視野の狭さや長期的な視点の欠如を感じられる。そんなことを考えさせれる映画だった。
ストーリーはリアリティがあり、テロリストの言動も興味深かったが、淡々としていて盛り上がりに欠けた。そのため☆3。
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