「Destination」ブルータリスト Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
Destination
ユダヤ民族がテーマとなっているので、そこは避けて通れない。ただ、当時生き延びたユダヤ人と現在のイスラエルのあり方を同一線上に置くことは正当ではない。坂の上の雲の先にインパールがあったとしても、双方の評価は別でしかない。現在のイスラエルは現在の行いにより評価されるべきであって、過去のユダヤ人の労苦や凄まじい建国への道のりを踏まえて論じるべきではない。
グロピウス・ミース・プロイヤーも終戦前にすでにアメリカで成功をおさめており、既に実績がある建築家でバウハウス出身であれば、最初の路頭に迷う展開は首を傾げる。また哲学的で協調性がない主人公の姿は、一方的な建築家イメージのようで好感は持てなかった。
カメラワークや絵作りには感心するところも多数。父を探す息子を追いかけるカメラワーク。石切場の美しさ。ただし、いくらなんでも長過ぎる。
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