「面白いけど、長さに見合うかどうかは不明」ブルータリスト ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いけど、長さに見合うかどうかは不明
疲れていて後半気を失いそうになった。つまらないということではなく、暖房効きすぎでこの長さでレイトショーは落ちやすい。でも面白い。
思ってたのと全然違うなんかオシャレな映画だった。建築家の話でもあるけど、クレジット関係がまずオシャレ。オシャレとか言うと失礼かもだけど、音楽含めて全体的にハッタリ勝負の映画なんだな、というのが割に早い段階でわかり、なぜかマカベイエフの映画を思い出していた。ポルノグラフィティ的な目配せもありながら、なかなか出てこない嫁が出てきたと思ったところから嫁たちもかなり怪しいキャラクター。
描かれる世界がアメリカの野蛮なパトロンとブタペストからやってきたアーチストとアメリカの田舎社会がひとつになってアートなホールを建てようということになるが、そうは簡単にはいきません、という話。
この長さはまったく退屈しないのだけど、この長さなりの圧倒的な何かを持ち帰れるのかというとそうでもない。後半もう少し各キャラクターの過去の壮絶な何かがあるのかと思っていると、そっちではなかった。
偶然連続して、『アノーラ』『名もなき者』『ブルータリスト』観たけど、『アノーラ』が抜けてるのはよくわかる。それと、アメリカ映画というよりとても世界映画的なインディペンデントスピリッツのものが多くなった気がする。これもA24効果かな。というか、真っ当な大衆娯楽大作が少なくなったな。個人的にはアカデミー賞ってもっと大衆に向けた作品でいいと思うし、逆にそういうものをアメリカ映画には期待する