「名作なのか???」ブルータリスト 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
名作なのか???
まず、観る前に驚いたのは上映時間の長さ。
「え、4時間近い!?」
最近は映画観ながらウトウトしてしまうことが珍しくなくなったので、それがまず心配に。半分ビビりながら、いざ観始めるとなんと最初に「INTERMISSIONが有ります」の案内画面。INTERMISSIONは俺的には「午前十時の映画祭」で観た“風と共に去りぬ”以来。最近ではほとんどないので驚いた。
結局100分+休憩15分+100分ということが分り、ちょっとホッとした。映画2本続けて観る感じ。これなら俺には珍しくない(笑)
【物語】
ハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トート(エイドリアン・ブロディ)と妻のエルジェーベト(フェリシティ・ジョーンズ)、姪のジョーフィア(ラフィー・キャシディ)は第2次世界大戦下にナチにより引き離され、別々の強制収容所に収容される。3人ともなんとか生き延び、ラースローは別れ際に妻に言われたとおり、アメリカに渡り、従妹を頼りにフィラデルフィアで生活を始める。
アメリカでも建築家としての才能を生かそうと、最初の仕事を独断で仕事を進めるが、オーナーである大実業家・ハリソン(ガイ・ピアース)に罵倒されクビになる。しかし、オースローの建築家としての実績、世間的評価に後になって気付いたハリソンはオースローを呼び戻し、彼の野心的プロジェクトである町の象徴となる巨大建造物の設計・建築をオースローに依頼する。
またとないチャンスとして全身全霊でその仕事に取り組むオースロー、またハリソンの人脈により難航していた妻と姪の渡米も実現する。オースローは人生が好転して来たと喜ぶが、価値観の異なるアメリカ人たちとの仕事や異国での生活は苦難が待ち受けていた。
【感想】
観賞後に知ったことだが、本作はヴェネチア映画祭やゴールデングローブ賞の受賞作品とのことで、映画のプロの間では高く評価されているらしい。が、残念ながら素人の俺には全然響かなかった。俺にはまだまだ映画観賞眼が無いことを突き付けられたようなものだが、良く思えなかったのだから仕方ない。
まず、とにかく重苦しい。特に音響効果が、重々しい曲が多い。また、作品展開的にも、ホロコーストの苦難から始まり、新天地アメリカでの苦労までは重くて仕方ないのだが、ハリソンに見出されて明るい未来が見えて来来たところでINTERMISSION。 なんか気が晴れた感じで休憩を過ごし、後半が楽しみになった。 なのに、後半またまた重苦しい展開に。
作品の長さも有り、最後はすっかり疲れてしまった。
作品の作りから(特にエンディング)、ラースローはてっきり実在の人物だと思ていたが、観賞後に調べたらフィクション。それにもビックリ。実在の人物と思って観ていたので、「最後にもっと作品紹介や偉業の紹介を入れればいいのに」と思ったが、その謎は解消。
しかしフィクションだとすると、終盤に展開されるラースローの妻がハリソン邸に乗り込むシーンも「実際に何かいざこざが有ったのか」と思って観ていたが、フィクションだとすると「あの展開必要だったのか?」と思うし、真相がどうだったのかハッキリさせないボンヤリした描写にも不満。
いずれにしても、万人が楽しめる作品ではないと思うし、3時間以上の長丁場なので、これから観る方は覚悟の上、ご鑑賞下さい!