「鮮やかなNY」ザ・ルーム・ネクスト・ドア hyvaayota26さんの映画レビュー(感想・評価)
鮮やかなNY
アルモドバルが撮るとNYがこんなにも鮮やかになるのかと思った。赤、緑、黄色がとても映える。鳥の声、ひらひら舞う雪。
スペインに行ったことがなくてアルモドバルでしか知らないから、行ったらがっかりするかもしれない。
特別仲が良いわけでもない、何番目かの友達同士というのがいい。死に向かいながらも深めていく仲、新しく積み重なる思い出。そうして2人は永遠になる。
娘と生きて和解するのではなく、死んでから分かりあうのもしみじみとした。生きているときはうまく行かなくても、分かり合えるときは来るし思いは届く。
アルモドバルは確かお母さんを亡くしたと思うんだけど、それを経ての母娘関係の描き方のように思った。
子がいてもいなくても、死を迎えるときはひとり。この辺りはゲイなど子のない人々への優しさを感じた。
戦場でいつも死が身近にあった彼女にとっての生と死とは。ベトナム帰還兵の深い傷。戦場で恋人と生き抜くこと。
あんなすごい家どうやって見つけたのだろう。月100万くらいで借りられるのかなあ。病院の個室といい、住んでるアパートといい、ものすごくお金持ちだ。
警官役に見覚えがあって、アレッサンドラ・ニボラって名前が懐かしかった。
英語のアルモドバルはいつもより素直に見られる気がした。もっといろんな街を撮ってみてほしいなあ。若いころのエネルギッシュな感じから、円熟味を増してこれからの新作がますます楽しみだ。
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